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2023年4月の読書記録
"その本"を選ぶきっかけって様々。そのときの気分に合うストーリーだから選ぶ本もあれば、好きな作者だから選ぶ本もあり、数ある人気作の中でも気になったからと選ぶ本もある。
そんな私の、4月の読書記録。
※タイトルを押すとAmazonに飛ぶようになってます
一穂ミチ 『うたかたモザイク』
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カテゴリ:ストーリーを味わう、気づきを得る
本作は "一穂ミチさんだから" 、情報を知った日から楽しみにして、発売日に買いに行った。
正直、内容を知っていたら買っていたかわからない。ストーリーで選んでいたら、これまでの私なら手にとっていないお話が並んでいたから。実際、収録されている13篇を全作読み終えた今でも、一捻りしてある異色な設定の衝撃作が多い短編集だったな、という感想を持っている。
だけど "一穂ミチさんだから" 最後まで読む手を止められなかった。 "一穂ミチさんだから" 最後まで楽しめた。そんな1冊でした。
お気に入り作品▼
【Still love me?】
→王道!
【神さまはそない優しない】
→動物モノの中でも人間時代に交流がある珍しい?パターン。普段動物モノはあまり得意じゃないけど、本作の設定だからこその名言や気づきの連続でノックアウトされました。ぜひ!
【透子】
→恋愛に限らない愛情のバトンタッチ的な作品。好きとしか言いようがない。
衝撃▼
【永遠のアイ】
→とにかく新鮮!
【ツーバイツー】
→個人的にちょっと江國香織さんっぽい設定だなって思った
【BL】
→SF混じりの世界観、その発想力に脱帽
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小川糸 『キラキラ共和国』
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カテゴリ:世界観を味わう、体験を得る
読み終わってすぐ読み返したくなるくらい、糸さんの世界観に惚れ込んだ作品。『ツバキ文具店』から続いているから、愛着も倍になっている。小説自体は1冊で主人公・ポッポちゃんの1年になるよう構成されているけれど、この物語が持つあたたかい ていねいな雰囲気が春!って感じだから、桜が咲き誇って散っていくこの季節に読めたのも大きかったと思う。
ヤドカリさん、というお客さんの手紙が書かれるシーンがあるのだけれど、ヤドカリさんお手紙が私は『ツバキ文具店』シリーズ全体の中で1番好き。ぜひ読んでみてほしい。
現在、糸さんは『キラキラ共和国』の続編を新聞で連載しているとのこと。本になるのが今から楽しみです。
ツバキ文具店 『ツバキ文具店の鎌倉案内』
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Googleマップに【ツバキ文具店】というリストを作って保存しながらページをめくりました。鎌倉行きたい…!
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辻村深月 『スロウハイツの神様<上>』『スロウハイツの神様<下>』
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カテゴリ:ストーリーを楽しむ、体験を得る
2月頃に買ったものの、絶対おもしろい、絶対好きだ、とわかっていたので、今日(4/5-7)まであたためていました。
勝手な印象で殺人が起きる系ミステリかと思っていましたが、章ごとに時系列や登場人物の視点が切り替わっていってその中で蓄積された伏線が後半になるにつれてどんどん回収されていくスタイルの物語です。
前後編のお付き合いなので物語に愛着が湧いて、読みおわったあと「ああ、もう、好き!!」と叫んでしまいました(Twitterで)。それくらい読後感よきです。最高です。
後半読了まであと半分を切った…!というタイミングでバイトに行かなきゃいけなくて、その残酷さに発狂しました。それくらいおもしろいです。
チヨダ・コーキ 『V.T.R』
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カテゴリ:ストーリーを楽しむ、体験を得る
「ティー、愛してる。一人ぼっちにならないで。アタシはあなたを愛してる」
この一言でこの物語の素晴らしさが伝わる。ああ、このセリフ好きすぎる。
『スロウハイツの神様』は一言で言うなら「夢追い人たちの共同生活」の話。『V.T.R』は作中作でスロウハイツの住民のひとり、チヨダ・コーキのデビュー作。
舞台はSF。だけど愛の物語。
スロウハイツを読んでない人はぜひ読んでから、スロウハイツを読んだ人でV.T.Rを読んでない人はもったいなすぎるので、ぜひ読んでください。
標野 瓜 『こんな日は喫茶ドードーで雨宿り。』
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カテゴリ:言葉を楽しむ、気づきを得る
喫茶ドードーシリーズ第2弾。
今回は ”言葉による傷” がテーマで、まさに私のためのような作品だなと思って読み進めました。
「あなたは実際にその方々の言葉で傷ついた。それが全てよ。
よかれと思ってかけられた言葉かどうかじゃなくて。」
「嫌だと思った気持ちを誤魔化さないことです。それを言葉にして発すかどうかはその次です。」
放ってしまった言葉は戻らない。うやむやにして隠すのではなく、挽回しよう。素直に「ごめんなさい」と伝えよう。自分がかけられて嫌だった言葉を、立場を変えて発したことを謝ろう。
名言が多すぎて厳選するのが難しいほど。
言葉によって傷ついた経験、言葉によって誰かを傷つけた経験に心当たりがある人は必読の1冊です。
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僕のマリ 『常識のない喫茶店』
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カテゴリ:言葉を楽しむ、気づきを得る
仕事で嫌なことが起きたら買おうと決めてたから、客ガチャに外れたコンビニバイト4日目の勤務終わりに買った。
目には目を、歯には歯を。
もちろんその繰り返しばかりでは平和は訪れないのだろうけれど、日常の一場面においてはそれが必要なときだってある。
この日の勤務時に、私は意外と神経図太いと知ったのだけれど、そういう姿勢を持っていたっていい、持っていた方がいい。
そう思わせてもらえた一冊。
中でも『やさしい人』『人生の分かれ道』がおきにいり。
益田ミリ 『今日のおやつは何にしよう』
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「ちょっとだけ長生きしてきたからわかるけど、言い返せなそうな人を選んで放ったつもりのイヤミであっても、空気を介し、周囲の人々にじんわりと伝わっているのである。そうやってこぼしていった信頼は、結集して巨岩になり、もう動かせない。その人が「未来」で失うものは一瞬の心地よさとは比較にならぬほど大きいのである。」
ミリさんのエッセイは絵が入っていたり、食べ物が出てきたり、ほんわかする。
本自体は薄くて、文章も読みやすいけど、たまに引用のような、ハッとさせられる言葉もあったりする。
このエッセイはこの言葉に出会えただけで読んだ価値があったな、と思った一冊。
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原田マハ 『生きるぼくら』
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マハさんの人気作でおそらく最後の砦だった『生きるぼくら』、ついに読みました。
蓼科の風景が目に見えるようで、本を読んでいる空間すべてが自然豊かな新鮮な空気で満たされるようでした。
名言もたくさんありすぎて、選ぶのが難しい。
確実に言えるのは読んだあと、必ずおにぎりを食べたくなるってことです。
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↑読み終わったあと、毎日のように作ったおにぎりたち。
益田ミリ『おとな小学生』
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「大人になって読み返してみれば、つくり変えられている記憶にびっくりすることもあるのですが、それはそれでかまわないのです。思い出は、残しておきたいように残しておけばいいのですから。」
「もしかしたら、同じようにすりかわっている記憶なのかもしれません。でも、やっぱりいいと思うのです。それらもまた、大人の自分を守る「土台」になっているに違いないのです。」
ポプラ文庫とあるかしら書店のコラボカバーがかわいくて購入したけれど、薄いし、漫画とエッセイが交互だから読みやすくてすぐ読み終わるし、ハッとさせられるような言葉もあったり。
なかでも「こどものわたしから おとなのわたしへ質問」のコーナーは、やさしくて涙が出そうになるさりげない言葉に溢れていました。
辻村深月 『子どもたちは夜と遊ぶ<上>』『子どもたちは夜と遊ぶ<下>』
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『スロウハイツの神様』で完全に虜になった辻村ワールド。
すごろく作品 第三弾は『子どもたちは夜と遊ぶ』。※旧版のすごろくで読み進めています。
『ツナグ』『かがみの孤城』『傲慢と善良』『凍りのくじら』『噛み合わない会話と、ある過去について』『スロウハイツの神様』、と読んできましたが、もしかしたらストーリー・世界観としてはこの作品が1番好きかもしれない。
今作は切なくて哀しくて、どちらかというと暗い雨のイメージの物語だけど、余韻が半端ない。読めば読むほど辻村ワールドの虜になる。
ネタバレはしたくないから物語には言及しないけど、一言だけ。
下巻・エピローグ『月子と恭司』が、ほんとうに好きすぎる。
4月の読書量は13冊。
今月は大学がはじまったり、パリ留学が決まってフランス語と英会話の勉強やバイトが必要になったり、わりと忙しかったけど、読書のペースをあまり落とさずに済んで嬉しい。
これからも毎月これくらいは本が読めたらいいな。
内、辻村すごろくは月に2〜3作くらいのペースでコマを進めたい。
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