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2023年8月〜10月の読書記録
普段、読書記録は本を読み終わった時点で読了日とタイトルを下書きにメモり、気が向いたタイミングで写真をまとめて撮影して記事を投稿する前に貼り付ける、という流れで公開している。パリに行く前の1ヶ月、帰ってきてからの1ヶ月は本は読みさえすれど、メモ段階で放置してしまっていた。
そこから下書き状態で1ヶ月。すっかり腰は重くなってしまったけれど、そんな腰を上げざるを得ないくらい素晴らしい本たちと出会えました。
過去の読書記録はこちら▽
畑野智美『大人になったら、』
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カテゴリ:ストーリーを味わう、気づきを得る
読了日:8/1
本屋さんで見かけて以来、気になりつつも先送りにしていた作品をようやく読めた。
主人公は35歳、私は21歳。
きっと私が30代に入ってから読み返したらもっともっと響くのだろう。
人生のステージが違えば、恋愛の中で抱える悩みも違う。
それでも、この本を読み終わったあとにほっとしたのは普通の人に起きる些細な変化が丁寧に描かれていたからだと思う。
町田そのこ『ぎょらん』
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カテゴリ:ストーリーを味わう、体験を得る
読了日:8/3
まだ読んでいなかった、そのこさんの作品が文庫化されると聞いて発売を楽しみにしていた作品。
「『死』と向き合う、乗り越える」というテーマでありながら、読了直後も、読み終わってから時間が経った今も、この作品を思い出すとき、心がじんわりとあたたかくなる。まるでこの本の表紙のように、夕方と夜の境の光が内側から湧き出てくるような気がする。
若林正恭『表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬』
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カテゴリ:言葉を味わう、気づきを得る
読了日:8/8
ただの旅行ではなくて、自身の内側から生まれた問いの答えを探す旅で。
ただの旅行記のようでいて、それだけではなくて。
自ら考えて行動した上で育った価値観や考え方を諦めずに言語化したら、こんなにも言葉に厚みや深みが生まれるんだな、と思わせられるエッセイ。
どんな心理状態のときにでも、また何度でもここに帰ってきたいな、と思う。
「俺にとっての自信とは、欠落があったからこそ巡り会えた価値だ。」
道尾秀介『向日葵の咲かない夏』
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カテゴリ:ストーリーを味わう、気づきを得る
読了日:8/20
こちらもずっと気になりつつ先送りにしていたのだけれど、新潮文庫の100冊ということで満を辞して購入、読了。
この表紙とタイトルからは想像できないようなミステリ。
「衝撃作」
この一言に尽きる。
今日、Twitterで「辛すぎて二度と読めない作品」的なハッシュタグがトレンド入りしていたけれど、私にとってはこの作品がそうかもしれない。辛すぎる、というよりも、心臓に悪いという感じだろうか。(※ 決して貶しているわけではない。)
それでも、出会えてよかった。
…誰だって、自分の物語の中にいるじゃないか。自分だけの物語の中に。その物語はいつだって、何かを隠そうとしてるし、何かを忘れようとしてるじゃないか
…自分がやったことを、ぜんぶそのまま受け入れて生きていける人なんていない。どこにもいない。失敗をぜんぶ後悔したり、取り返しのつかないことをぜんぶ取り返そうとしたり、そんなことやってたら生きてけっこない。だからみんな物語をつくるんだ。昨日はこんなことをした、今日はこんなことをしてるって、思い込んで生きてる。見たくないところは見ないようにして、見たいところはしっかりと憶え込んで。みんなそうなんだ。
吉野源三郎・羽賀翔一『漫画版 君たちはどう生きるか』
カテゴリ:言葉を味わう、気づきを得る
読了日:8/22
積読にも程があるというレベルで積読していた作品。
積読から解放するきっかけになったのは、ジブリ映画として『君たちはどう生きるか』がヒットしたから。ジブリ、ありがとう。
『星の王子さま』のように、生きていく上でほんとうに大切なものを授けてくれるような作品でした。
隙あらば、家中に溢れかえる本を減らすためにメルカリに出そうとしてくる家族からこの本を守り続けていこうと思います。
江國香織『シェニール織とか黄肉のメロンとか』
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カテゴリ:世界観を味わう、気づきを得る
読了日:10/10
江國さんが描く物語って我々では思いつかないような世界線を淡々と描く感じで、そこに登場する人たちは浮世離れしたような ”ふつう” ではない人であることが多いイメージがある。それもあって正直、大学生になるまで江國ワールドに手を出す勇気がなかった。
だけどこの作品は、そんなことなくて。江國さんをまだ読んだことがない人にも躊躇なく自信を持っておすすめできる、それでいてしっかり江國ワールドを感じられる1冊です。
寺地はるな『大人は泣かないと思っていた』
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カテゴリ:言葉を味わう、気づきを得る
読了日:10/14
私は田舎生まれではないから、田舎特有のしがらみのようなものを身をもって知っているわけではない。
だけど、それが窮屈なものであることはわかる。
それはきっと、価値観が合わないという理由で排除されることの痛みや恐怖を知っているからだ。
登場人物たちがそれぞれに折り合いをつけていく様に安心した。
一話読み終わるごとに胸の奥がすうっとして清々しい気持ちになった。
「他人は自分ではないから、だからわたしたちにできることは、どちらを選ぶにせよ自分で納得できる道が見つかると良いんだけど、とぼんやり思うことぐらいなのだった」
『妥当じゃない』という話が1番好きでした。
千早茜『さんかく』
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カテゴリ:ストーリーを味わう、気づきを得る
読了日:10/25
読みおわったあと、時間が経ってもなぜだか忘れられない作品がある。
『さんかく』は間違いなくそういう類の作品のうちの1つだ。
その要因の1つは設定の突飛さにあるなと思う。だけど「突飛」と言いつつ、この世界のどこかにはこの物語のような暮らしをしている人が現実に存在しているのだと思う。
あとは何より、ごはんの描写がたまらない。小説に出てくるメニューが目の前に並べられているかのように感じる。小説内のメニューが出てくる居酒屋さんがあったら絶対通ってしまう。
京都や大阪といった地元が出てくることも相まって、愛着ある1冊。
きっとこれからの人生で何回も読みたくなるのだと思う。
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くどうれいん『うたうおばけ』
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/122282383/picture_pc_ebf2fc6250f92262fc3f2e1670224440.png?width=800)
カテゴリ:ストーリーを味わう、気づきを得る
読了日:10/30
Twitterでも話題だった1冊。
みんなが抱く感想を、私も抱く。
「こんな友達がほしい!」
「こんなおもしろいことが起きる人生を送ってみたい!」
「くどうさんと友達になりたい!」
だけど、きっと、「おもしろいことが起きる人生」なのではなく、「起こったことをおもしろく思える目」を彼女が持っているから、そう見えるように切り取れるのだと思う。
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あとがき
11月の読書記録も寝て起きたら出そうと思います。
おたのしみに。(?)
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