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ユーミンはサービス精神の塊のような人だった。


7月1日(土)、ユーミンこと松任谷由実の50周年ライブツアー・THE JOURNEYに行ってきた。

※以下、ネタバレ含みます


過去の音楽記事はこちら▽



父も母もユーミンが好きで、それぞれ1日・2日に、私が同行者という布陣で応募すると両日当たり、明日も行く。


私がユーミンをはじめに知ったのは『魔女の宅急便』がきっかけ。これは多分私だけに限らず、私の世代はみんなそうだと思う。小学校時代は『ルージュの伝言』と『やさしさに包まれたなら』をエンドレスで歌っていた。今でも聞くたび『やさしさに包まれたなら』の「小さい頃は神様がいて 不思議に夢を叶えてくれた 優しい気持ちで目覚めた朝は 大人になっても 奇跡は起こるよ」という歌詞でなぜだか泣きそうになる。

その後、一時期(たしか中学の頃)ユーミンの40周年ベストアルバム『日本の恋と、ユーミンと。』をアルバム通しで聴いていた時期もある。母が家にいる間、ずっとかけていたから。


とはいえ、ハッキリ言って世代ではない、いわばニワカレベルの私が行ってもいいものなのか。


はじまるまではそんな風にかなり不安に思っていたけれど、全くの杞憂だった。


ライブって本当にそのアーティストの個性が表れるなと思う。

私が人生で初めて行ったライブは嵐のJaponismツアー(ちなみにアリーナ席😏)だった。アイドルである彼らは、歌も踊りも衣装もツアーのコンセプトもライブの世界観もグッズもトークも自分達自身のルックスも、全部に “どれを見られてもいい” という主役意識があった。

一方で、歌手やバンドになると“楽曲自体が1番の主役”という意識が強い気がしている。自分の顔や衣装やトークというよりかは、とにかく歌を聴いてほしい、という歌に対してとことんこだわり抜いたライブ。

どちらが良い悪いでもない。どちらにもファンへのサービス精神やリスペクトがあることに違いはなくて、その表現方法がちがうというだけなのだから。


そして今回、ユーミンのライブを一言で表すとしたら「ショー」だと思った。最初から最後まで、私たちを楽しませることだけに徹しているのが伝わってきた。


驚いたことはいくつかあれど、まずなによりMCがないこと。

今回のツアーは、船の新人乗組員の航海日誌という設定だった。MCの代わりに航海日誌の朗読が組み込まれて、最初から最後まで完全に世界観が構築されていた。そして、2時間半近く歌いっぱなし。そんなこと普通できんよなぁ。まじで尊敬。

海はいつもいろいろなことを教えてくれます。
穏やかな海は時に荒れ、
いつまでも荒れ続けるように感じても
いつの間にか元の穏やかな海に戻っています。

我々の世界もそんなことの繰り返し。
集団心理はまるで海のよう。
どうやってもコントロールが効かなく思えても、
わたしは人の知性を信じたい。
未来がより良い世界であるために。

なのに時折挟まれるユーミン哲学全開の詩的な言葉たち。たまらない。一言一句違わず覚えてしまうくらい素敵。こういう美しい表現ができるの、天才だなぁ。



次に、衣装と照明と舞台セット。

これまで色々なアーティストのライブに行ってきたけど、あんな“衣装”って感じの衣装、嵐のライブ以来だったかもしれない。コロコロ変わる衣装にも注目しながら楽しんだ。

照明に関しても、嵐と同じFreFlow(フリフラ)が各座席に1つずつ腕時計型で配られ、観客もステージを作る一員として参加できて「私が船長でみなさんと一緒に旅を」が実現されていた。

あとなにより、舞台セット。

舞台が海賊船の形をしていて、開演少し前にその船が海に浮かんでいるみたいな青の照明が床あたりに施されたの、リアルで素敵だった。

登場場所も「え!?そっちなの!?」ってなった。柱の部分、空けてる席が他のライブの時より目立つなって思ってたけど、そこにユーミンいるんだもん。そりゃそうなるのも納得って感じ。

その後も、サーカスみたいに円の中に入ってくるくる回るやつが出てきたり、パスクールやるダンサーの人がいたり、CGとかでもない立体のイルカが天井付近を泳いでいたり、船からドラゴンが出てきてその上にユーミンが乗っていたり、ユーミン周りにカーテンが出現してその中で歌ったり。

衣装でユーミン自身が主役になるだけじゃなくて、ユーミンの頭の中にある世界観が完全に具現化されたステージなんだな、と思った。

バックダンサーの人たちが主役でユーミンの曲がBGMみたいになる(褒めてる)瞬間もあったり。本当にみんなを楽しませる!っていうプロ意識がすごいなと思った。


最後に、セトリね。

ベストアルバムしかなぞっていない私でもAメロから歌える名曲が何曲もズラリ。正直、曲名わからないっていう歌でも「なんか聞いたことある(気がする)」ってなってくるものがあって、これぞまさしくレジェンドだな、と。

本編もすごかったけど、そのあとのアンコール2回がほんとうにえぐい。誰もが知ってる曲でアンコール3曲+1曲を駆け抜けていった。


『光待つ場所へ』に出てきた「サービス精神ってのは、言い換えれば愛だよ。」、というセリフが頭をよぎった。今回のライブはきっと、日本人なら誰もが楽しめる。知らない曲だらけだ、と思っても、サーカスのような、ミュージカルのような、オペラのような、あの舞台を見ているだけできっと、ユーミンの虜になる。



あ〜〜〜、ライブレポって語彙力無くなるのほんとうに悔しい。ライブ中は結構、分析していい表現思いついてた気がしたんだけどな。(ライブ中はノリノリで熱狂するパターンの盛り上がり方と、冷静に分析が進むパターンの盛り上がり方が交互に来て、めっちゃ創作意欲が加速する。ほんとうに頭の中の文字起こしが自動でできるアプリほしい。)

明日行って、書き直したくなったら遠慮なく編集で書き直すし、追記したくなったら遠慮なく編集で書き足します。





p.s.

(今はもう表示消えちゃいましたが)ユーミンのライブ終わってSpotify開いたらこんなの出てきた↓

私、もしかして44歳なのかしら。
一応、21歳なはずなのですが。
そして1976年でもわかる曲多いのが怖い。Spotify優秀すぎる。

Spotifyといえば、最近のアプデで上位○%リスナーの表示、なくなっちゃいましたね。あれ結構モチベだったから、寂しい。









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