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フードデリバリーもゼロウェイストで!使い捨て容器に革新をもたらした新サービス
新型コロナウイルスによるライフスタイルの変化で、以前よりフードデリバリーを利用する機会が増えた人も多いのではないでしょうか?
筆者もまさしく、その1人。
在宅勤務に移行後は、普段お店で食べていた食事も、配達を利用したり、テイクアウトで家に持ち帰ることが格段に増えました。
忙しい日にもお店の味を家で楽しめるのは嬉しいですが、食後に残るのは、食事が入っていた使い捨てプラ容器。
溜め込むわけにもいかず、一度きりの利用でゴミ箱行きになってしまうことに、いつも後ろめたさを感じていました。
そんなジレンマを抱えていたのは、世界各国のフードデリバリー利用者たちも同じ。
ロックダウンに伴いテイクアウトやデリバリーの需要が高まる中、使い捨ての容器を使うことは、利用者、そして食事を提供するお店側の悩みでもありました。
環境保護の重要性が増している今、プラスチックゴミを増やしている状況をどうにかできないか。
そんな想いで、カナダのトロント在住のミーガン・タケダ・タリー(以下、ミーガンさん)が立ち上げた新サービスが、テイクアウトやフードデリバリーにおけるゼロウェイストを実現する「Suppli(サプリ)」です。
飲食店と提携して、デリバリー容器を回収・再利用!
「Suppli」の仕組みは、日本で昔から行われてきた牛乳瓶の回収を思い起こさせるもの。
まず、「Suppli」と提携するレストランには、「Suppli」から、ステンレス製の容器がレンタルされます。
フードデリバリーを希望する顧客は、「Suppli」のウェブサイトアクセスし、サービスに参加している好きなレストランから食事を注文。注文を受けた店は、レンタルされたステンレス容器に食事を詰めて、通常どおりお客さんに届けるのです。
顧客側は、頼んだ食事を食べ終わったら、容器を軽くゆすいで、数日以内に近隣の指定の回収場所に持って行けばOK。あとは「Suppli」が容器を回収し、念入りに掃除と消毒をして、容器を再利用します。
こうして容器を使い回すことで、フードデリバリーの過程において、ひとつもゴミを出さずに食事を提供できるのです。この画期的なサービスは、現状、トロントの2つの郵便番号圏内において運営中。街で出る使い捨てプラスチックの抑制に一役かっています。
企業側にとっても、このサービスは救いだったよう。
フードケータリングを行う「Noushe」代表である、クリント・ガウドリーさんは、「Suppli」を導入するまで「企業として二酸化炭素の排出量を抑える方法を模索していた」と語ります。
リサイクル可能な容器で顧客に配達したとしても、回収された容器の多くは完全にはリサイクルされず、埋め立てなどで処理されてしまっている現実があります。
その点、『Suppli』のサービスは、容器がそもそもゴミにならず、循環する。デリバリーの需要が益々高まるなか、このサービスは私たちに地球にやさしいビジネスを行う選択肢を与えてくれました。
回収センターで容器の洗浄を行スタッフら
プラスチック汚染について10年以上研究してきたトロント大学の助教授、チェルシー・ロッシュマンさんも、このサービスに大きな期待を寄せています。
「こうしたゼロウェイストサービスを利用することで、使い捨てのプラスチックを減らし、環境汚染問題を改善できます。
トロントに限らず、ストローやコーヒーカップの蓋、プラスチック容器やカトラリーなどは、世界中でもメジャーなプラスチックゴミであり、フードデリバリーやテイクアウトから来ているものが多数あります。
コロナの影響で、レストラン側もテイクアウトやデリバリーサービスに頼らざるを得ない今、多くの企業が『Suppli』のようなサービスを取り入れていくことを期待しています」
デリバリー容器の回収・再利用の常態化に期待
現在、同サービスの需要はミーガンさんの予想を上回るペースで高まっており、すでにトロント以外の地域からもこのモデルを導入したいという問い合わせが多いよう。
ミーガンさんは、今後は規模を拡大し、街全体でこのサービスを提供できるよう、インフラ整備を進めている最中とのこと。
サービスローンチからたったの2週間で、200個以上のコンテナが使用されました。もし、トロントの全世帯が週に一度でもこのサービスを使ってテイクアウトしたとしたら、週に200万個以上のコンテナを節約できることになります。つまり、それだけ、埋立地行きになるプラスチックゴミを減らせたということなんです。
こうしたサービスは、日本においても大いに広げる価値がありそうです。
今後、フードデリバリーがの高い需要が継続されることを見据えても、官民が一体となって、容器の回収や再利用を後押しするシステムが構築されていくことを期待しています。
今日もミーガンさんを含む「Suppli」のスタッフは街をまわり、回収センターに置かれたコンテナを集めています。ゴミを出さずに、次の食事をレストランから顧客に届けるため。
日本でも、こんな景色が実現されると素敵ですね。
Miroku
参考:CBCニュース
画像はすべて同サービスウェブサイトと、Facebook公式ページより
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