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ソミュールの記号学的干物論

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#薫製

干物×ソミュール液 #08

干物×ソミュール液 #08

■あれから2週間...あれからちょうど2週間。いよいよ実験結果が出そろった。ひとつずつ見ていこう。

写真後列が常温による抽出。前例は熱を加えての抽出。左から水、白ワイン、ウォッカ、サラダ油、オリーブ油。

■実験の条件すべて100mlの液に、ローズマリー10gを約1cm刻みにして抽出実験をしている。

■実験方法と結果(常温)・水
☞水にハーブを入れて4時間放置。
☞しっかりハーブ香が出てる。ク

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干物×ソミュール液 #07

干物×ソミュール液 #07

■ハーブは脂溶性?水溶性?前回までの実験で、出来上がったソミュール液に後からハーブを入れるより、液にハーブの風味を移してしまってからの方が、より素材(いまのところ鯵)にハーブ香が移る結果になった。

なので、ハーブ香のするソミュール液をつくることが次なる目標だ。

ではハーブの香りが移りやすい液体はなんであろうか。

ザッと料理関連の資料を手繰ると、ハーブ成分は脂(油)溶性であると書かれている。と

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干物×ソミュール液 #06

干物×ソミュール液 #06

■感謝廣瀬さんから今回も干物リポートが届いた。

ほんとに詳細な内容でありがとうございます。また奥さままで実験台になっていただき、その勇気に感謝です。

■廣瀬さんリポート今日頂いた干物の感想です。
白鳥さんが気にしていた通り、干し具合で大きく変わり、その部分をそろえるとより正確な統計が得られるかなと思いました。
あと、かみさんからは「天日干し」だとまた全然味が変わりそうだと言われま

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干物×ソミュール液 #05

干物×ソミュール液 #05

■しかして、そのお味は?まず焼いた干物の見た目はこんな塩梅である。 焼き方は今後特に断りがない限り電気グリルの中火だ。

上から次の試作品。
・ローズマリー1本(A)
・ローズマリー3本(B)
・ローズマリー5本(C)
3%濃度で150分浸し。ローズマリーは真物。干し時間は10時から17時の7時間。ただ夕方から雨予報で湿度は高かった。

上がローズマリーとタマネギを一緒に煮たもの(Eとする)。

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干物×ソミュール液 #04

干物×ソミュール液 #04

■ひとりブレスト前回の結果から「ハーブやスパイスの風味をどうやって魚の身に移すか」という課題が生じた。

ひとりブレストをして、ザッとあり得そうな方法を羅列してみた。

私はほとんどハーブの風味を感じなかったので、ワインや油を介在させたり、加熱を伴う方法も考えた。

しかし、廣瀬さんはハーブを感じたという。であればあまり複雑に考えず、シンプルな方法から手をつけてみるのが良さそうだ。

今回の試験は

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干物×ソミュール液 #03

干物×ソミュール液 #03

■廣瀬さんという男友人であり、今回のソミュール干物の遊び仲間でもある廣瀬さんに、今回の干物を半身ずつ郵送して実験台になってもらった。

干物として比較的よい出来だと思っていたので、この度の試食依頼は左程の心配もなかったが、実験が進むにつれて、廣瀬家でちょっとした騒動を巻き起こすような出来栄えのものを送りつけることもあるだろう。そんなときでも試食してくれてありがとう。前もって御礼いたします。

廣瀬

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干物×ソミュール液 #01

干物×ソミュール液 #01

■干物とソミュール液干物を作ることになった。

調べてみると工程は4つ。
①魚を開く
②魚を洗う
③塩水に浸す
④魚を干す

難しいこともなさそう。これではすぐ出来上がってしまいそうだといろいろ思案していると、薫製では『ソミュール液』なるものに食材を浸けてから燻す作業に入ることを知る。

ソミュール液もつまり塩水のことなのだが、ハーブやスパイスを使うようだ。肉の臭み取りと風味付けと思われる。

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干物×ソミュール液 #02

干物×ソミュール液 #02

■さぁて、今回のソミュール液は駅前の東急ストアで鯵を5尾購入。前回より立派な肉づき。

今回の主要なテーマは「塩分濃度」と「浸し時間」の比較。

塩分濃度、3%、6%、9%で、浸し時間は基本150分。3%濃度のみ90分、30分も試験する。これで5種類。

今回の3%ソミュール液は、水200ccに対して次のような配合。塩分濃度を変えるのは塩の量だけ調整する。

鯵1枚に対してのソミュール

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