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【読む漫才】禁じ手。障害者をネタにする

ふたり:どーもー、SWでーす。
シンタ:シンタと、
ショウタ:ショウタで、
ふたり:SWでーす。よろしくおねがいしまーす。
ショウタ:ねえねえ。
シンタ:なんだよ、馴れ馴れしい。
ショウタ:俺さあ、小説家を目指してるんだけどさ、親に「無理だ」って言われるんだよね。
シンタ:そりゃ無理じゃないだろう?芸人で小説書いてる奴なんてたくさんいるぞ。
ショウタ:そうじゃないんだよ。俺さ、じつは統合失調症っていう病気の精神障害者なんだよね。だから、無理だって言われるんだよ。
シンタ:え?おまえ、精神障害者だったの?
ショウタ:そうなんだよ。
シンタ:見えねえな。ただのアホかと思ってたら、障害者だったのか?
ショウタ:そうなんだよ。アホはひどいと思うけど、見た目じゃわからないところがこの障害のやっかいなところなんだよ。
シンタ:で、おまえはそのトウゴウなんとかっていう障害があるから小説家は無理だって言うのか?
ショウタ:統合失調症だよ。そうなんだよ、親がそう言うんだよ。まあ、たしかにこの障害は思考がバラバラになってしまう傾向があるんだけど、そうなると小説家は無理かなって俺はちょっと思っちゃったりするんだよ。
シンタ:おまえ、そんなんで夢をあきらめるのかよ。
ショウタ:だって、精神障害者なんだぜ?
シンタ:精神障害者は夢をあきらめなきゃいけないのか?
ショウタ:いや、そうじゃないけど・・・
シンタ:俺の知り合いにな、足が一本しかないのに、エベレストに登った登山家がいるぞ。
ショウタ:え?足が一本なのにエベレストに登った?
シンタ:ああ。
ショウタ:それは義足を着けてってことか?
シンタ:いや違う。
ショウタ:え?じゃあ、杖で登ったのか?
シンタ:違う、足一本で、ピョンピョン跳ねて登ったらしいぞ。
ショウタ:そりゃ、無理だろ?ピョンピョンって、それ人間技じゃないって。富士山も無理、っていうか、家の階段を登るのでさえ超人的だろう?エベレスト?雪のある?絶対無理無理!
シンタ:おまえ、どんな障害も頑張れば乗り越えられるんだよ。
ショウタ:いや、でも、一本足でピョンピョンエベレストは無理!義足ならわからないけど、ピョンピョンは無理!他に例はないのかよ?障害を乗り越えた例、もっと、現実的なやつで。
シンタ:耳のまったく聞こえない音楽評論家がいるな。
ショウタ:無理無理無理!絶対無理!だって、耳がまったく聞こえないんだろ?どうやって音楽を聴くんだよ?ベートーベンとか途中から耳が聞こえなくなって作曲した例はあるけど、それは作曲だ。評論家は聴いてなんぼだろ?聴けないのに、評論は無理!え?もしかして楽譜を見て評論したのか?
シンタ:いや、きちんとコンサートに足を運んで鑑賞して評論を書いていたそうだぞ。
ショウタ:無理だろう。音楽が聴こえないのにどうやって評論するんだよ?
シンタ:コンサートホールの雰囲気だとかな・・・
ショウタ:それは音楽の評論じゃないだろ?もっと他の例出せや。
シンタ:全盲の映画監督。
ショウタ:無理無理無理!絶対無理!どうやって全盲で映画が撮れるんだよ?
シンタ:いや、全盲だからできるのさ。
ショウタ:え?どういう意味だ?
シンタ:全盲の人でしか撮れない視点があるらしいぜ。
ショウタ:真っ暗で、音だけ聞こえる映画か?
シンタ:いや、そりゃ、映画じゃないだろ?映画には映像がなくちゃ。
ショウタ:だから無理だろう?全盲の視点って言葉がそもそも矛盾してんだよ。見えないんだから。
シンタ:じゃあ、全盲の人は映画監督にはなれないってのか?本当に実在するんだぜ。
ショウタ:そ、そうなのか。まあ、いいとして、もっとわかりやすい例出せや。
シンタ:下半身がないAV男優がいるそうだぜ?
ショウタ:下半身がないAV男優?チンコもないのか?
シンタ:ああ、ない。まったくない!
ショウタ:それはすごい・・・っていうか、例が悪いだろ?AV男優じゃ、障害を乗り越えたとかいう美談にはならねーだろ?
シンタ:なんで?
ショウタ:だって、AV男優じゃ、社会的に見てよくないだろ?
シンタ:あ、おまえ、職業を差別するのか?
ショウタ:いや、差別ってわけじゃないけど・・・う~ん、でも、AV男優はよくない。もっと違う例出せや。
シンタ:じゃあ、最後だ。俺の身近に、精神障害を乗り越えて漫才師になった奴がいるぞ。
ショウタ(号泣して):相方よ!



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