見出し画像

【短編小説】いらかならべ

 地上四階を走る地下鉄がある。
 夜にその電車を見ていると、投げやりに塗り潰された黒い空そのものがもう一つの天井で、その巨大なドームの下で生活しているんじゃないかと言う気になる。
 それならあの電車が地下鉄と言うのも納得できる。

ここから先は

1,102字
この記事のみ ¥ 300
期間限定 PayPay支払いすると抽選でお得に!

サポートして頂けると食費やお風呂代などになって記事になります。特にいい事はありません。