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小豆島在住。地域からでる残飯や野菜くず、魚のアラなどを廃材を燃料に窯で炊いたスープと、…

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小豆島在住。地域からでる残飯や野菜くず、魚のアラなどを廃材を燃料に窯で炊いたスープと、オカラと米ぬかを混ぜたエサを与え、耕作放棄された雑木林をソーラー発電の電気柵で囲ってブタを飼っています。https://www.facebook.com/suzukinohen

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誰が農家をやるのか

◍ 月に2回の定期便で販売するお肉のブタを屠畜場に連れて行きました(定期のブタは日曜日に連れて行って、翌日の月曜日に屠畜してもらっています。今回は月曜日が祝日で屠畜場がお休みのため、その月曜日に連れていき、火曜日の屠畜になりました)。 定期のブタを屠畜場に連れて行った翌日、子育てが上手くできず子ブタをほとんど敷きつぶしてしまうお母さんブタ(デュロック種)も屠畜場に連れていきました。3歳です。3年間、彼女の普段の様子や愛情駄々洩れの子育ても見守ってきて、それでも、(愛はあって

    • ブタのお肉を通じて

      ◍ 台風10号が過ぎてから、日が早く暮れるようになり、夜は涼しくなりました。雨がほとんど降らない日がひと月ほど続いていたので、台風が雨を運んでくれて、ブタたちは泥浴びを楽しんでいます。山の高いところから真っすぐ低い方へと続く土の道は今回の雨で削られ、また私たちが石を拾って、雨で削られて凸凹になった凹のところに敷き詰める作業を行いました。 耕作放棄地だったところを放牧場にしてブタを離しています。昔はスモモやミカンなどが植えられ、そのお世話をするためや、薪やキノコを集めるために

      • お弁当づくりのようなもの

        ◍ お盆を過ぎて、ようやく待ち望んでいた雨が降ってくれました。水道のない山の放牧場に置いてあるブタの水貯めにはハチなども水を飲みに来ていたので、恵みの雨に人間だけでなく、虫や植物も喜んでいることでしょう。ブタたちも鼻で土を掘り返して、土間のような冷たさを求めています。水をあげると、自分が満足に水を飲んだら(他のブタのことなんて考えずに)、水の入った容器を鼻でひっくり返し、水がこぼれて濡れた地面を鼻で整えて、そこで昼寝を楽しむくらい水を欲しています。泥で体を覆うことで日よけや虫

        • 環境が『わたし』をつくる

          ◍ 梅雨が終わり、雨が夕方に1度降っただけで、干ばつ状態です。山のなかの放牧場は、木陰もあるので、梅雨で湿った土がまだ土間のようにブタたちに涼しさを届けてくれています。土埃もたつようになり、そろそろ雨降ってほしいこの頃です。 日中は真夏らしいカラッとした暑さですが、夜が早く始まり、朝はゆっくりやってくるようになり、秋へと少しずつ移り変わっているのを感じます。屋内は夜もなかなか冷えませんが、日中の暑さをまとった体に夕方の涼しさがもうひと踏ん張りする気力を運んでくれます。島の農

        誰が農家をやるのか

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        記事

          働く幸せは?

          ◍ 梅雨の間、雨がたくさん降り、山の放牧場へと行く舗装されていない道は、川のようになり、軽トラの通行で草の生えない轍(わだち)の土が流れました。轍が深まり過ぎたり、泥が溜まり、タイヤがぬかるむので、こぶし大の石を拾い集め、轍に敷き詰めました。農作物用のコンテナに石を拾って、轍まで運び並べる。プロだったら重機やトラックを使ってできるのでしょうが、手作業での補修は大変。(道の維持は手間がかかりますが、舗装されていない道の美しさや自然の水の流れを邪魔しない機能などを考えると、私たち

          働く幸せは?

          これからも食べ抜く鈍感さを

          ◍ 梅雨の合間に草を運んでいます。今年の梅雨は雨と晴れの猛暑が交互にやってくるので、「晴れたから草集め~」が、子どもたちを学校に送り出したらすでに暑く、やる前からなかなか「やる気スイッチ」が入りません。「今日は少なめに積もうかな」と自分をなだめながら現場に向かうのですが、やり始めたら「やっぱりせっかく来たんだから…」といつものように軽トラに山盛り積んでいます(笑) 放牧場は長雨でぬかるんでいます。ブタたちの地面との接着面の狭い足で歩くと、土が攪拌され田んぼのように。。。屋根

          これからも食べ抜く鈍感さを

          自然なザラつきを味わう

          ◍ 梅雨入りしたのに、晴天の日が続き、もう今年は梅雨の状態がないのかと思っていましたが、ちゃんと梅雨が始まってホッとしています。そして、私の大好きな島外ではあまり見かけないジューシーなスモモ「レットスター」の旬。雨が多いと割れてしまうし、軸の部分から傷みやすくなります。山の放牧場には、昔のスモモ畑があり、まだ数本の木が雑木林のなかで、わずかな太陽の光を得て実らせています。鳥たちが突いたスモモは早く熟し、地面に落ちてきます。それを拾ってブタたちに与えます。種ごとボリボリ。暑くな

          自然なザラつきを味わう

          ギャップイヤーを

          ◍ オリーブの花が木の根元に落ち、花々が白く積もりました。地区の川と道の掃除に参加していた高校生たちが、島ならではのオリーブの花の花粉症で棄権。オリーブの花が散り、夏間近かです。 ◍ 夜はまだまだ肌寒い日が多いのですが、夕方の餌の時間に山の放牧場に行くとブタが熱中症で荒い呼吸。氷や水で冷やしましたが、まだ農業用水が止まっている状況で、思うように水を運んでかけてあげることができません。少しは症状が良くなっている様子だけど、もっと冷やしてあげたい…と思っていたらシトシト雨が降り

          ギャップイヤーを

          人口減少時代は「自分ごと」?

          ◍ 4月の末から、私たちの地区では農業用水が止まっています。山の高いところにある「ため池」から高低差を利用して、田畑にひいているのですが、減圧バルブが壊れていて、取り寄せに時間がかかっているのだそうです。露地栽培の野菜や果樹は、週に1回くらいは降る雨のおかげで潅水の必要はないかもしれませんが、わが家では、ブタの餌を炊いたり、ブタたちの飲み水、それ以外にも、餌を集める桶を洗ったり、最低でも毎日500Lは必要です。2・3日に1度は、水が出る畑に水をもらいに行っています。雨の予報の

          人口減少時代は「自分ごと」?

          旅人の気分で

          ◍ 昨年からお母さんブタの入れ替えを進めているのですが、長雨で離乳(十分大きく育った子ブタをお母さんブタから離して育てること)のタイミングを遅らせたり、カラスによく突かれる種ブタをネットのある出産・子育て用の小さな放牧場に避難させているため、小さな放牧場が埋まっていたりで、出産の数を制限しています。そのため、子ブタが足りなく、県畜産試験場から分けてもらっています。自然の環境で飼うので、保温マットや温度管理をしている県畜産試験場から子ブタを連れて来ることができるのは、過ごしやす

          旅人の気分で

          Do it and feel it

          ◍ 最近出産した茶黒(前号でも紹介)。出産の際には1匹も敷きつぶさなかったのですが、体の小さな2匹が3日目に死にました。冬の出産は避けていても出産したら(防風対策などをして)育つのですが、体の小さな赤ちゃんブタには夜の寒さが厳しかったのかもしれません。 ◍ 以前はゴールデンウイークの時期に島から出ていっていた(ミカンの収穫前にどこかからやってくる)渡りガラスたち、今シーズンは、すでに旅立っています。でも、「残る!」と決めた10羽くらいが山の放牧場の近くを拠点にしています。

          Do it and feel it

          Just do it!

          ◍ 春親ブタにとっても子ブタにとっても気持ちのいい春、出産の季節です。県畜産試験場生まれの茶色(デュロック種)のお母さんブタは4回目の出産。出産の兆候が分からず、カラスに赤ちゃんを全部食べられたこともあったりで、子育ては2回目。おデブだからなのか、出産のときに赤ちゃんブタを敷きつぶして3匹育てています。 我が家で生まれ育った茶黒のお母さんは、前回も11匹育て、今回も1匹も敷きつぶさずに出産を終えました。2~3ヵ月の子育ての間に子ブタたちにおっぱいを飲み絞られ、シュッとしたス

          自分のゴールを意識し続ける

          ◍ 三寒四温で、島でも今年の春分の日は、霙が降るくらい寒かったのですが、県畜産試験場から子ブタのときにやってきた寒さが苦手なブタたちが、雨でも、外を平気で動き回っているのをみると、(大きくなって体力がついたのもあるけど)春が始まったのだなと感じます。我が家の花壇のミックスチューリップは、なぜかピンクのチューリップだけ蕾が膨らんでいて、植物によっても「春」の体感性はいろいろなようです。 この冬は暖冬だったのか、スズメたちは活発で、ブタの餌を作っている夫が現場を離れると、餌箱に

          自分のゴールを意識し続ける

          株と地球の法則

          ◍ 冬はいつも雨が少ないのですが、この冬は本当に雨が少なかったようで、大きなため池の淵の底が数ヵ月の間見えていましたが、最近の雨でようやく底が隠れました。農業のため池の水が少ないということは、生活用のダムの水も少ないということだと心配していました。 日本では、水を大切に使っているといっても、雨季にしか雨が降らない西アフリカのセネガルより、よっぱど贅沢な使い方で、セネガルでは15℃を切る12月(冬という季節の分類はありません)でも、バケツに1杯の常温の水で頭から体全体を洗いま

          株と地球の法則

          「人間の幸せ」とAIとの線引き

          ◍ 春には毎年、しとしとと降る長雨があるけど、今年は1ヵ月ほど早いような体感があります。しとしとと降った雨は土の表面を流れ下るのではなく、土が雨水をたっぷりと含みます。たしか、雨の少ないイスラエルの農業は水を効率よく農作物に吸収してもらえる…しとしと雨のような「点滴潅水」だとか。 小豆島のような山と海の間隔が狭い島では、海側の平坦地に街を作り、水が一年を通して多い川の近くに、田んぼを。山側、街の上流の比較的傾斜の少ないところは畑として今も使われています。 ブタの放牧場も、

          「人間の幸せ」とAIとの線引き

          進化の足跡と生きものの成長

          ◍ 久しぶりに雨がしとしと降り、土がしっかり湿りました。農業にのっては恵みの雨ですが、放牧場はぬかるんで、田んぼのようになっているところもあります。大丈夫だなと、餌を持って足を踏み入れると抜けない。ブタは餌を待ちきれず、持っている容器に鼻を突っ込んでくる。重いものを持った状態で足をぬかるみから引っこ抜くって大変です。 少しでもブタたちが渇いたところで休めるように。餌を土と混ぜないで食べられるように。そして、私たちが餌をスムーズに運べるように…草以外にも、粗い廃材チップ(伐採

          進化の足跡と生きものの成長