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進化の足跡と生きものの成長

◍ 久しぶりに雨がしとしと降り、土がしっかり湿りました。農業にのっては恵みの雨ですが、放牧場はぬかるんで、田んぼのようになっているところもあります。大丈夫だなと、餌を持って足を踏み入れると抜けない。ブタは餌を待ちきれず、持っている容器に鼻を突っ込んでくる。重いものを持った状態で足をぬかるみから引っこ抜くって大変です。

少しでもブタたちが渇いたところで休めるように。餌を土と混ぜないで食べられるように。そして、私たちが餌をスムーズに運べるように…草以外にも、粗い廃材チップ(伐採した木や古い廃材を砕いたもの)を軽トラックで買ってきて、せっせと放牧場に敷き詰めています。

軽トラックで入ることのできる(はずの)放牧場に、軽トラを数メートル進めたところで、事件が起きました(涙)

ブタが掘った穴にタイヤがはまり、軽トラックごと、身動きが取れなくなりました。とりあえず、木材チップを降ろし、夫に軽トラを押してもらいましたが、四駆に切り替えていても、タイヤの溝が土で埋まってツルツル滑るため、動かない。タイヤが穴から抜け出せるように、穴を拡げ、傾斜を緩やかにしようとフォーク(草の山にさして、一度にたくさん草を持つことのできる食事用のフォークを大きくしたような道具)でタイヤのまわりの土を移動させる作業をしていたら、うっかりフォークがタイヤに刺さり、プスーッと空気の抜けていく音。パンクです。

仕方がないので、近くでミカンを収穫している知り合いの農家さんに助けを求め、農家さんの軽トラと我が家の軽トラをロープでつなぎ、引っ張り出してもらいました。あっけなく脱出。急いでスペアタイヤと交換。どうにか、午後からのブタの餌集めに間に合いました。餌集めの前に、いつもお世話になっているモータース屋さんに修理してほしいタイヤを預けたけど、結局、大きな穴だったので、タイヤ交換。

モータース屋さんには、先日も、草集めのときにタイヤが溝に落ちて、救出してもらったばかり。自動車保険は、安いほうがいいかもしれないけど、すぐに呼んだら来てくれる近くのモータース屋さんが扱っている保険のなんて心強いことよ。お互いのことをなんとなく分かる距離でつながっている関係って、モータース屋さんとだけでなく、食料調達や学校、病院…お金では測れない安心や心の豊かさにも関係しているなと、つくづく感じます。

▤ 進化の足跡と生きものの成長

(人間の)子どもたちの学校関係の行事は年度初めと年度終わりに集中していて、PTAの会議、学級懇談会、入学説明会、進路講演会、スポ少関係・・・わが家もその渦のなかで溺れかかっています。「この季節を乗り切ったら…」と目途がついている分、どうにかやっていけています。まだまだ読みかけの『学校に染まるな!』(おおたとしまさ/著)は、私たち保護者や子どもたちが、あまりにも教育を学校に期待・おまかせしている姿勢を見直すきっかけになりそうです。

本には、胎児が生命の進化の足跡をたどる「ヘッケルの法則」は、(教育現場を観察していると)生まれてからも変わらず、子どもは人類の進化の足跡をたどっているようだ、と。幼児期は原始人で、枝を拾うのは道具を使い始める段階。小学校に入ると、なぜ海は青いのか?など、いろんな疑問や興味や関心をためこむ。中高時代は、古代人時代にためこんだ「なぜ?」を科学や理論で解明。教科書で学ぶだけでなく、実際に実験し考察し、当時の科学者や哲学者の思考を追体験することが大事。大学や専門学校で、ようやく現代人として、学問を究めたり、大人に交じって失敗しながら成熟していく…。原始人の経験がなければ、一人前の古代人にはなれず、古代人の経験が貧弱であれば、ろくな中世・近代人にはなれない。中世・近代人としての経験が不足していると、中身のない現代人になる、と。

ブタの世界も、生まれたら歩いておっぱいにたどり着き、乳を飲み、2・3日経てば母親について外の世界を散策し、兄弟で相撲をとり、餌や野菜を食べ、少年期には穴を掘ったり拾った棒などを持って見せびらかるようになり、仲間とスキンシップするようになっていき、群れの結びつきを強めていきます。どの生きものも進化の足跡のように成長していくのをみるのは興味深いです。