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株と地球の法則

◍ 冬はいつも雨が少ないのですが、この冬は本当に雨が少なかったようで、大きなため池の淵の底が数ヵ月の間見えていましたが、最近の雨でようやく底が隠れました。農業のため池の水が少ないということは、生活用のダムの水も少ないということだと心配していました。

日本では、水を大切に使っているといっても、雨季にしか雨が降らない西アフリカのセネガルより、よっぱど贅沢な使い方で、セネガルでは15℃を切る12月(冬という季節の分類はありません)でも、バケツに1杯の常温の水で頭から体全体を洗います。

秋に生まれたブタたちの去勢をようやく、生まれてすぐは「まだお母さんに踏まれて死ぬかもしれないから…」、お母さんに潰される心配のない大きさになっても「子ブタが叫ぶと、(同居の)お母さんが怒るし…」「寒いのに、傷つけたくない」となかなかできていなかったのですが、5ヵ月を超え、体重も50㌔くらい。これ以上延期すると、ブタを捕まえることも、固定することもできない。エイヤッ!!と(次の日も雨の予報だったけど)去勢をしました。11匹中、7匹もオス(涙) 私が仰向けのブタのおなかの上に馬乗りになり、後ろ肢を両手で持ったところを夫がお尻の下の精巣の形に膨らんだ皮膚を「ll」の形に剃刀で切って、精巣を引っ張り出して切ります。ついでに生まれて2ヵ月超えの黒豚のお母さんと同居している子ブタも去勢しました。(黒豚のお母さんは私たちが子ブタの去勢をしても、心配して近くでウロウロはしても、私たちを攻撃しないくらい、私たちのことを信頼してくれています。)
去勢してしばらくは、ケガから熱が出たりして調子を崩さないか毎日気をつけているのですが、やはり若い子ブタの方が、傷が小さいからなのか快復が早いようです。

去勢でドロドロのまま餌集めに行くわけにはいかないので、家に戻りサッとシャワーを浴びたのですが、母から「暖房もつけないで寒かったやろぅ」と心配されましたが、セネガルの常温の水浴びより、お湯のシャワーはよっぽど快適。日本の豊かさに触れるたび、地震や紛争、戦争下の人々に想いを馳せ、私たちにとっては「あたりまえ」の暮らしが、とても貴重なことだと身に沁みます。

▤ 株と地球の法則

2024年3月4日、日経平均株価の終値が史上初めて4万円を超えたらしい。私自身は株はやっていなくても、暮らしがよくなっている実感はなくても、国民年金は株を運用しているので、他人事ではないのだけど、株以外のニュースも見聞きすればするほど、私たちの乗った宇宙船地球号が進路を決めないまま、パイロットなしの航海をしているのではないかと不安になってきます。

経済学では、1ドルを利息7パーセントで投資したら10年で2ドルになる計算で、逆に言えば、1ドルを持っているだけなら価値が10年で半分になるから、お金は使った方がいいらしい。

図書館に行っても、本屋さんでも、ときどき本が訴えてくることがあります。昨夜も寝室に山積みになっている本の1冊『地球の法則と選ぶべき未来 ドネラ・メドウズ博士からのメッセージ』に手が伸びました。ドネラさんは、『世界がもし100人の村だったら』の原案者です。

経済学の第一の掟は「成長」です。「永遠に成長すること」です。企業は大きくならなければなりません。国家経済は毎年数パーセントずつ拡大することが必要です。(略)
地球の第一の掟は、「足るを知ること」です。ちょうど足りるだけの量があり、それ以上ではありません。ちょうど足りるだけの土壌、水、日光。地球で生まれたあらゆるものは、ちょうど良い大きさまで成長し、そこで成長が止まります。地球は「より大きく」はなりません。「より良く」なるのです。(略)
私たちは、経済学の法則と地球の法則のどちらが最終的に勝るのかを選ぶことはできません。私たちが選べるのは、「自分自身はどちらの法則のもとで生きるのか?」です。そして、経済学の法則を地球の法則に合わせるのか、あるいはそうしなかったときに何が起こるかを見ることになるのか ― これも私たちが選ぶことができるのです。

出典:『地球の法則と選ぶべき未来 ドネラ・メドウズ博士からのメッセージ』
(ドネラ・H・メドウズ/著)

この大きな選択肢を選ぶのは、宇宙船地球号の乗員、私たち一人ひとりで、あなたも私も一票を持っているはずです。