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人口減少時代は「自分ごと」?

◍ 4月の末から、私たちの地区では農業用水が止まっています。山の高いところにある「ため池」から高低差を利用して、田畑にひいているのですが、減圧バルブが壊れていて、取り寄せに時間がかかっているのだそうです。露地栽培の野菜や果樹は、週に1回くらいは降る雨のおかげで潅水の必要はないかもしれませんが、わが家では、ブタの餌を炊いたり、ブタたちの飲み水、それ以外にも、餌を集める桶を洗ったり、最低でも毎日500Lは必要です。2・3日に1度は、水が出る畑に水をもらいに行っています。雨の予報のときは、軒下に桶を並べて、雨水を集めます。

ため池によっては淡水魚がいるためか、農業用水が生臭いにおいがしたり、水をためていると、水に混ざっていた細かなオリが沈んで、桶の底が茶色になっていたり、ため池ならではだなと感じます。そして、普段私たちが家で使っている水道水がどんなに丁寧に管理されているかと、関わっている方たちへの感謝がわいてきます。

今回の1ヵ月ちかく蛇口から水がでない状況になり、もし災害が起きたら、農業用水が利用できるのか?できなかった場合も水を運ぶことも大変だろうと思いました。人間の防災対策も重要だけど、災害が起きたらブタたちと復旧するまでをどう乗り切るかも考えていきます。

◍ ブタを屠畜場に連れていく日は、朝イチの5時半のフェリーに乗ります。まだ薄暗い4時半に起き、山に停めた軽トラまで歩きます。まだ人間の活動が少なく、聞こえてくるのはフェリーのエンジンを始動する音、新聞配達の車が遠くに聞こえるなか、日中には目立たない小鳥たちの賑やかな鳴き声がモノトーンの朝をカラーに変えていきます。放牧場のブタたちは、起きる必要もないのでグッスリ(笑)

▤ 人口減少時代は「自分ごと」?

地域で人間のために育てたり調理したけど食べきれないもの、食べられないものを餌にブタを飼っていると、餌集め、草集め、お肉を届ける時、その移動中や関わる人との会話から、日々いろいろなこと、変化を感じます。

給食センターでは、子どもたちが食べ残した残飯の量から「暑くなってきたから・・・長期休み明けで体のリズムが整っていないから…食べ残しが多いな」「今日はみんなが好きなメニューだったのかな?」とか、飲食店や食品工場を回ると廃棄物の量で「たくさんお客さんが来ているみたい」、草の量から「天候不順で草も成長が悪かったのか少ないな」「草刈りをする面積が減ったのは、高齢化で草刈りが難しくて、除草剤使うことにしたのかも」、お肉を届けた際には、調理方法、今関心を持っていること、最近体験したことなどを教えてもらいます。移動中も、自然の美しさを味わい、溝の落ち葉や落ちているゴミに目が留まれば、ゴミをきちんと処分できないくらい心がつかれているのかな?と見かけたことも話したこともない人に想いを馳せます。

山道の落ち葉が溜まっている溝、そんな溝でイノシシがミミズなどを探して掘り起こした跡を見ると、だんだん住民も行政も手も心も向ける余裕がなくなっている。。。スーパーに行っても商品の値段がじわじわとあがり、売れ残る商品が増えていて、島内のスーパーやドラッグストアは我慢比べをしている様。。。。燃えないゴミの日には分別したらリサイクルできるものまでゴミ袋に詰め込まれていて、高齢化で分別が難しくなっている。。。それを1つずつ取り出して分別する余力が私にも湧かない(涙)

小豆島は日本全体よりも、さらに高齢化と人口減少が進んでいます。2024年4月24日には、民間の有識者らで作る「人口戦略会議」が2020~50年の間に、20~39歳の若年女性人口の減少率が50%を超える消滅可能性自治体を発表。島も含まれています。急激な高齢化と人口減少のなか、どうやって社会機能を維持していくか、楽しく心豊かに暮らすには、今からどんな仕組みを作っていかないといけないのか?行政だけでなく、みんなで考えていけたらと思います。

今、目論んでいるのは友人と「世界が100人の村だったら」というワークショップを島で開催し、その次は小豆島の出生率などのデータから「小豆島の〇年後」をみんなで作って体感するワークショップを企画すること。1人でも「自分ごと」として動ける仲間を増やして、人口減少時代をみんなでサーフしたいです。

訂正:水が止まっているのは今年の4月末から。