音楽の「手触り感」を忘れずに: DTMでの音楽制作
こんにちは、スズキカヒロです。移住先の新潟から書いています。
ここで過ごす時間は、自然と調和しながら音楽を作るインスピレーションの源です。
木々のざわめきや小川のせせらぎ、鳥のさえずりに耳を傾けることで、音楽に込める手触り感を大切にしています。
今回は、そんな手触り感をどのようにして音楽に取り入れているかについて、お話ししたいと思います。
音楽をやっていない人には興味のないことかもしれません。でも、どこかで何かとつながる所があったら良いなと思って書きます。
音楽の手触り感を大切に、DTMで音楽を作って行きたい
30数年前、初めてオリジナル曲を作った当時は、まだほとんどアナログな環境で音楽を作っていました。
初めて多重録音をした時は、ラジカセを2台使って、1台目に最初に録音した音を流し、それに合わせながら2つ目の生演奏を2台目のラジカセに録音する、という今では思いもよらないような事ことをしていました。
初めて手に入れたMTRも、カセットテープのMTRでした。
何度も録音するとテンポがずれてくるし、勿論Undo機能など無いので、失敗すればまた録り直し。
でも、そういった音楽作りは、「音楽は人間が作っている」ものだという実感や、その「手触り感」を十分に習得できるものでした。
その時に得た「音楽の手触り感」という感触を、今の自分の音楽に込めていきたいと思っています。
現在はDTM(デスクトップミュージック)を使って音楽を作っていますが、その中でも手触り感を大切にしています。それが僕の音楽の個性になると感じているからです。
音楽の手触り感とは?
音(サウンド)としての手触り感
音楽の手触り感というのは、まさにその音が持つ質感や温度感を指します。
例えば、管楽器や笛のような楽器を入れる時には、ブレスの箇所を意識的に取り入れています。これにより、音楽に命が宿り、生き生きとした質感が生まれます。
また、ギターは可能な限り生で録音するようにしています。生のギターの音は、DTMサウンドの空気感を一変させ、その楽曲の瑞々しさを浮かび上がらせる要素になります。この「空気感」を大切に考え、曲全体の構築を進めています。
歌詞やメロディの手触り感
メロディや歌詞もまた、手触り感を大切にしています。
これらは、個の人間として熟成された自分の潜在意識から取り出すものです。
キャッチーなメロディは、鼻歌のように突然ポッと出てきて、何度も脳内で再生されるような感覚があります。そうしたメロディこそが、心に残るキャッチーなメロディなのです。
作曲の不思議なプロセス
前回の記事で、「小人のいない小人の靴屋」という話をしました。僕の場合、靴を作る小人は来てくれないけれど、自分で作り上げるプロセスが、まるで別の自分が働いているかのように感じることがあります。制作中は、その「もう一人の僕」が曲を作り上げている感じがするのです。
だからこそ、作曲の記憶があまり残っていないこともあります。「あの曲はどうやって作ったの?」とか「あの歌詞はどういう思いで書いたの?」と訊かれる度に困ってしまいます。本当に、制作中の記憶がほとんど無いのです。
「続けること」と「環境」の大切さ
作曲は時に時間がかかるものです。僕の場合、早くて数日、遅くて数ヶ月かかることもあります。それでも、続けていくことで百数十曲を作り上げてきました。
制作のスピードは人それぞれですが、自分のペースで続けることが大切だと感じています。
大事なのは、自分の中から湧き上がる「作りたいもの」をかたちにするというエネルギーをどう大きく育てていくかです。そのためには、自分を整える環境がとても重要です。
僕が新潟に移住したのも、自然のエネルギーを身近に感じながら、心身を整えるためです。
新潟の美しい自然に囲まれていると、創作意欲が高まり、豊かなインスピレーションが得られます。
自然の中で過ごすことで、ストレスが軽減され、リラックスして制作に向き合える環境が整います。この環境は、僕の音楽作りにおいて欠かせない要素となっています。
自分のペースで曲を作り続けること、その過程で自分自身を見つめ直し、成長させていくことが、音楽家としての道を歩むために大切だと実感しています。
新潟の自然の中で、心身ともにリフレッシュしながら、これからも素晴らしい音楽を生み出していきたいと思います。
音楽の手触り感を大切にしながら、自分の潜在意識と向き合って作曲を続けていくこと。それが僕の音楽の特徴であり、個性であり、これからも大切にしていきたい要素です。
次回は、もう少し具体的な作曲プロセスについて、さらに掘り下げて書いてみたいと思います。
月の船 (With二胡)
7月17日(水)リリース
各音楽配信サービスよりお聴きいただけます
ミニMV
(ギター弾き語りバージョン)
ストリーミング・ダウンロード一覧
最後まで読んでいただいた方、ありがとうございました。
音楽を通して、心豊かな人生を共に暮らして行ける仲間と繋がり、交流して行けたら嬉しいです。
コメントやご連絡など、いつでもお気軽にコンタクトください。
スズキカヒロ
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