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ランチをスプレッドシートで管理するオタク #オタクのコラム

この話をすると大体微妙な顔をされるのであまり人に話さないようにしているのだが、私はランチで行く店をスプレッドシートで管理している。具体的にいえば、リピートするお店を一覧にして隣の欄に前回の来店日を入力し、しばらく行っていないお店を一目で分かるようにしてあるのだ。

コメント 2020-09-06 102238

一応、ゴローちゃんで隠してみた。拠点の職場は都内某所。

なんでこんなことを始めたのか、何の目的でこんな奇行をしているのか、説明しようとするとどうしても長くなってしまうので、今回記事という形で残すことにした。次から「なんで?」と聞かれたらこのURLを投げれば完璧だな!!(奇行のミルフィーユや!!)


1.毎日のランチに全力で悩むオタク

お昼休みの少し前の時間になると、私は腕を組んで唸りだす。スプレッドシートとにらめっこしながら、その日のランチメニューをどうするか決めるのだ。ここにつぎ込まれるリソースは仕事と同等以上で、なかなか決まらない時は10分以上悩んでいたりする。行かない日が続いているお店を優先的にしているとはいえ、その日の気分や体調や予算など諸々、さらには期間限定メニューを考慮に入れるとなかなかに重い議題だ。首尾よく決定が下されたらスプレッドシートの日付を更新し、颯爽とそのお店に向かうわけである。

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一々面倒だなと思われるかもしれないが私も数年前まではむしろここに関して省エネ派で、極端な話、毎日同じ物を食べていた。
前職はSEをやっていた。この頃はとにかく仕事に打ち込みたくて、仕事外の全ての変化を嫌う究極の保守派だった。SEは参画する案件毎に現場が違って通勤先が変わるのだが、現場ごとの差はあれど、毎日同じ店に通い毎日同じ物を食べる日々を送っていた。
毎日社食の同じメニュー。毎日サイゼのミラノ風ドリア。毎日コンビニのツナマヨおにぎり。
選ぶ労力を無駄に感じていたからだ。
そんな生活を送っていたこともあり、数年で体も心もぶっ壊れた。特に心のぶっ壊れ方が危険で、体が出す無意識のアラートを全て無視するようになっていて、客観的にみれば明らかに異常でも異常と気づけない有様だった。
例えば、この時期の終盤は夜寝る前に意味もなく涙が溢れて止まらなくなっていたが、私はそれを「眠れなくてうぜぇな……」くらいにしか感じていなかったといえば、このヤバさは伝わるだろうか。

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転職を機に私が心掛けているのが「先手をうって自分を甘やかす」ことだ。私はなんでも我慢して無理をする傾向があって、しかもその自覚がないので辛いと思った時にもう遅いというなかなか厄介な性質がある。普通、贅沢したりするのは頑張ったご褒美だとか成果が出た時なのだろうが、私の場合は平時から意識して潤いを与えてやる必要がある。
特に「食」にコストを割くことは、生きることに潤いを与える最も手軽な手段だと思っていて、仕事と仕事の間に挟まるお昼を充実させることができれば、その日1日も充実するだろうと考えた。結果、出来上がったのが例のスプレッドシートで、私は毎日ランチのメニュー選びに苦心している。


2.毎日「おいしい」と思ってる

人は慣れる生き物だというが実にその通りで、そもそもリピートするということはそれを「おいしい」と感じたはずなのだけど、惰性で繰り返す内に「おいしい」が無意識下に隠れてしまう。
だからなんとなく食べに行くとか、なんとなく食べるはもったいない。
今の私は毎日確固たる意志でお店を選んで、味わうことに毎回集中している。
それで「やっぱうま…」とか「今日ここにして正解だった!!」とか小さな幸せを噛み締めているのだ。

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ここで言いたいのは格別に高い飯や美味い飯を食いにいけってわけではなくて、チェーン店とかでも全然いいので、ランチをルーチンワークとして消化するのではなく「おいしいお昼を食べる」という目的意識の下で挑んだらどうだろうかということである。
スプレッドシートを更新するようになってから、私はよくお店の新規開拓を行なうようになった。正直、ハズレを引くことも多いが、何の感情も動かないルーチンワークとして処理するよりはよっぽど良い。どこにお店があるだとかどこのお店が美味しいだとか情報を集めるところから始まって、実際に行ってみる。その行為自体が楽しいのだ。
ランチは毎日のことだから少しの意識改革でも大きな変化が起きやすい。仕事なんて辛えことばかりなんだから、こうした小さな幸せの積み重ねでモチベーションを保つことは必要だ。
週末明けはランチ何食べるかだけを考えて出勤する。
長期連休明けは少し高いランチ食べることだけを考えて出勤する。
なんとか仕事せずランチ食べるだけにならへんやろか。

コメント 2020-09-06 123425


3.ランチの「おいしい」の追求

ランチには人それぞれの形があって、私のようにコストを度外視する人もいれば、お弁当の人も、安く済ませたい人もいるだろう。
私が伝えたかったのはスプレッドシートを使えってことではなくて、惰性になりがちなランチの「おいしい」を追求することで少しは人生生きやすくなるぞ、ということである。

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お弁当の人は、1品だけこだわって作ってみるとか、冷食なら色々なメーカーを試してみるとかはどうだろう。最近はテイクアウトの選択肢も増えたことだし、ご飯だけ詰めてきてオカズを求めて外へくり出すのも面白いかもしれない。
安く済ませたい人も、限られた予算の中で最大限の「おいしい」を勝ち取ろうと試行錯誤するのは案外楽しいのでぜひ試してみて欲しい。安くて美味しいお店は世の中にたくさんあるから探し甲斐があるし、ちょい足しグルメ的な裏技を研究するのもいいかもしれない。

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さて、ランチオタクの主張はこんなところである。
人生楽しいことばかりじゃないけど、私は明日もランチを楽しみに生き抜こうと思う。

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