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「不安の正体」を突き止める方法

日々の生活や仕事で正体不明の不安に襲われることってありませんか?

僕は残念ながら正体不明の不安という壁に日々直面しています。

原因が明確な不安であれば何とかなるのですが、その多くは”何となく”というあいまいな状態にとどまっているものです。

あいまいな状態が続くと被害妄想は膨れ上がり、ますます不安が加速してしまうから悩ましいものです。最終的には、頭の中のゴチャゴチャ心のモヤモヤにつながり、八方ふさがりへ(と、勝手に自分が思い込んでいるだけのですが)。

そこで、今回は正体不明の不安、悩み、問題をどうクリアにしていけば良いのか、”脳内整理”という視点で共有したいと思います。

※これは先日、スクーというネット番組でご披露した内容のダイジェストレポートになります。なお、ココでは正体不明の不安を仕事上における「問題点」という表記で話を進めます。

1.不安の”解像度”を上げることから

あなたは、仕事上で問題が起きた時、どんなことに気をつけて対処しますか?

ひとまず深呼吸する、関係者に相談する、原因を分析するなど人によって様々な方法があることでしょう。ここに絶対的な正解はありません。

ちなみに僕自身は、このいずれでもありません。それは・・・

問題点の”解像度”を上げることです。

問題点は解像度を上げてクリアに見える化しなければ、そもそも何が起きているかが分かりません。何が起きているかが分からずして打ち手は明確にならないのです。

クリアに見える状態にならず、打ち手も明確にならないと、心の中では正体不明の不安がどんどん膨れ上がってしまい、手が付けられなくなってしまいますから。

2.「分ける」ことが9割!

それでは、どのように問題の解像度を上げればよいのでしょうか?

その答えは、”因数分解”にあります。

この話をする上で、問題を解決し脳内をスッキリさせるための全体像から話さなければいけません。

脳内整理は3ステップでできる!というのが持論ですが、詳細は以前にも投稿しましたのでご参照ください。

シンプルに言うと、①頭の中にある不安や悩み、考え事を「出す」(紙に書き出す)、②紙に書き出した内容を「分解・分別」しながら問題のサイズを小さくし、整理する、③何が一番大切かを考え、不要なものは「捨てる」。この3ステップです。

ところが、問題点が一つだけあります。理屈は理解しても、多くの人がStep2.の「分ける」という点で引っ掛かるのです。

たいていは、問題が発生すると焦りが生じてしまい一足飛びに何が一番大切かを突き止めようとする「焦り」が足かせになるか、もしくは「この問題の時はこれが一番の根っこで解決方法はこのはず!」という「決めつけ」が足かせになり、問題解決を遅らせてしまうことがあるのです。

そこで、「分ける」こと、もっと言えば問題点を因数分解して、問題のサイズを小さくしながら整理していくことで、足かせを外してスピーディーに問題が解決されやすくなります。

つまり、私に言わせれば、仕事上の問題点を整理して解決に至らしめる”成功の鍵”は、「分けること」にあり!なのです。

「分けることが9割」と言い放つと、では残り「1割」は何?と必ず突っ込まれますので、先にお答えしておきます。分けた後は、何が一番の要点かを見い出して、「捨てること」が残り1割で大切というわけです。

「分ける」という点にフォーカスして2冊も本を出していますので、拙著もあわせてご参照ください。

3.不安を減らす「分け方」の注意点

というわけで、まずは思考に因数分解のクセづけをすることを心がけてください。

日々、様々な問題に直面すると不安や迷いが頭の中に蔓延してきます。そんな時、気をつけなければいけないことは、感情に振り回されることです。

冷たい言い方をすれば、感情に振り回されて焦る、悩む、へこむ、嫉妬する・・・これら全ては何の問題解決にも役立ちません。

可能な限り、何も考えずに冷静に紙に書き出しながらパズルのように即座にあいまいな問題を因数分解し、見える状態にすることです。正体が見えないからこそ不安が膨らむのであれば、逆に見える化した状態で因数分解をしていきましょうというお話です。

それではここで、因数分解するときの注意点を3つお話します。

1)まずは切り口をザックリと分ける

細かく考えすぎに、大きなくくりでどんなカテゴリーや分野があるのか「切り口」を先に出せば、あとで整理しながらも細分化しやすくなります。

2)各レイヤーのレベル感を合わせる。

たとえば、「東京⇔大阪」間の移動手段を分解するという場面があったとしましょう。

選択肢を因数分解すると、すぐに思いつくのは「新幹線」・「飛行機」などと思いつきますよね。でも、「新幹線」と「飛行機」は整理のレイヤーが異なります。

「飛行機」とレイヤーが合うのは「電車」です。「飛行機」を細分化すれば「民間機、プライベートジェット」となり、「電車」を細分化すると「新幹線、JR鈍行」などとなります。

このようにレイヤーを合わせておかなければ、収拾がつかなくなるので注意が必要です。

3)モレなく・ダブりなくでチェック

最後に、因数分解した内容に「漏れ」が発生していないか(もっと他の要素や選択肢がないか)、あるいは「ダブり」が発生していないか(何度も似たような要素や選択肢を繰り返していないか)をチェックしていきます。

3つの注意点を通じて、スムーズな因数分解を行っていきます。

4.まだ成功してないという焦りの正体は?

冒頭にお話した正体不明の不安の一つに、突き詰めていくと「まだ何者にもなり得ていない」という”成功”していないことへの”焦り”を感じているという人がいます。

意識高い系でかつ、スキルやスペックが高いコミュニティではよく見かけるタイプです。

さて、あなたはこのタイプの人の話を聞いたら、どう感じるでしょうか?

気持ちは理解できるけど、そもそも「成功」という言葉があいまいで正体不明なのに、そこに焦りを感じても意味がないのでは?僕ならそう感じます。

そこで、大切なことは「成功=社会的な成功、他人からの評価」と決めつけずに、そもそも成功って何?という原点回帰をすることです。

それでは、先のパートでお話した要領で「成功」を因数分解しながら、”解像度”を上げるとしましょう。あなたなら、どんな分解ができますか?私のサンプル回答は以下です。

サンプル回答では、”切り口”だけ示しておきました。

仕事や金、またはモノが思い通りになることだけを成功と呼ぶのでしょうか?

分解してみると様々な切り口があります。つまり、世間的な成功とは別に、自分なりの成功の定義は豊富な選択肢の中から自由に決められるはずなのです。

つまり、解像度を上げて自分なりの尺度をもたないと、正体不明の焦りに打ちひしがれてしまうだけ。だからこそ、分解しながら問題点の解像度を上げ、自分なりの正解の見通しをよくしていく行為が必要なのです。

5.仕事の不安の正体を見つけた!

あなたは最近、仕事で不安を感じたことがありますか?

ここでお恥ずかしながら、僕が経験した「不安の正体を突き止める」ケーススタディをご披露したいと思います。

僕は25歳で起業してから、パソコン教室の経営やインストラクターの派遣業をしていました。その後、事業が停滞し他社に譲渡。ひょんなことから、他社の事業をサポートするコンサル的な仕事を始めました。

ただ、スポット的な仕事の契約が終わった後は、仕事が無くて困った時期があります。当時の状態は、コンサルとしての経歴なし、ノウハウ無し、コネなし、カネなしという4重苦です。

さすがに4重苦もあると、不安が重層的にからまりどんどん膨らんでいきます。しかし、何が不安の正体か特定できないとストレスに負けてしまうリスクが生じてきました。お金は減る一方、プレッシャーと焦りで体調不良になる始末、もちろん待っていても仕事は降ってきません。

そこで、僕は紙に自分の頭にあること、心にあることを全て書き出してみました。今を思うと、これが初めて紙を使って”見える化”した経験かも分かりません。

紙に書き出した内容は漠然とあいまいな状態だったものがほとんど。そこで、今度は”因数分解”していきました。(つまり細分化し、悩みなどをグルーピングして整理したのです)。

そもそも「仕事における不安」といっても、「自分の今やるべき仕事」は何なのか?大きく分けると本業務、集客、資金繰りと3つに分解できましたが、本来注力するのは「コンサルや研修」などの本業務だよね。

分解することで冷静に要点が見えてきました。

今度は、本業務における「不安」は何があるのか?また因数分解していきました。すると「経歴なし」「ノウハウなし」「実績なし」の3つに分解できました。

20代で血気盛んな時、経歴や実績がなくても何とかなる!と思っていた僕は、「ノウハウなし」が要点だと突き止めました。さすがに「ノウハウなし」では業務は何もできません。

こうして2つの因数分解して見えてきたもの、それは漠然としたものではなく、結局「自信がない」ということだったのです。

そこで、まずは不安は横においておき、自信をつけることだけに専念することに思考を切り替えました。

自信を身につけるには、何を聞かれても答えられるようにすること、どんな切り口からでもクライアントに提案できるようにすること。この2つを目標に、徹底的に机上、耳学問問わず勉強しまくりました。商売について。

そして、その時の学びは10冊のノートになり、独自のメソッドまで持つようになりました。

せっかくなのでと、ノートの内容を少しずつメルマガや当時の日記システム(のちのメルマガ)に書き込んで公開して行ったのです。

すると、どうでしょうか?

名だたる大企業から問い合わせが入り、一気にV字回復していくことになったのです。

はじまりは、因数分解して正体不明の不安を特定したこと。紙に書き出しながら脳内整理して見えた要点にフォーカスして活動内容を切り替えたこと。こうして私は、やっと30前にして生計が立てられるようになったのです。

6.まとめ

今回、正体不明の不安をどう突き止めるか?仕事上起こるであろう問題点の解決法という主旨でお話してきました。

あれこれ考えすぎてネガティブな感情に引きずられないためにも、冷静に3ステップ式の脳内整理術を使えばいかに不安や問題を解消することができるのか。そして、その際は「分ける(因数分解)」という点にこだわればいい。これが今回お話した主旨になります。

まとめると、、、

①紙に書き出すこと
②因数分解すること
③要点を特定すること
④視点を切り替えること
⑤要点にフォーカスすること

ポイントは、②の「因数分解」にあり!

声を大にして、今回のお題はエンディングに向かいたいと思います。

本日、お話した内容は以下のグラフィックレコーディングでも整理しております(受講生の「ネコっちさん」が整理してくれました!)。ぜひご参考にしてください。

あなたの脳内がいつもスッキリし、少しでも不安や問題から解放されることを願ってやみません。

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。

著者・思考の整理家 鈴木 進介

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