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ネガティブな気持ちを今すぐ消す方法 × 14

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ネガティブな気持ちを今すぐ消す方法 × 14

ネガティブな気持ちはどこから来るのかというと実は「未来」と「過去」からだと現代の科学では考えられています。なれば、そこから思考を「今」に持ってくれば、ネガティブな気持ちは消えていきます。これを「グラウンディング(Grounding)」と言います。心理療法で使われるテクニックで、視覚や聴覚、嗅覚などを使って、感情や思考から意識をそらしていこうとするものです。わたし自身は、これを「デストラクション(Distraction)」と呼んでいます。ネガティブな感情のみならず、怒りなどにも使えます。時間が経ったり、場所が変わったりすると「われに帰る」ことが多いですよね。あれって、気持ちが逸れるというプロセスを経ています。それをすばやくやってしまうのが、このグラウンディングです。そんなグラウンディングを●つ紹介します。

1.自己解説法

今の自分の名前、年齢、いる場所、していること、次に何をするつもりかを口に出して説明する方法。今の状況を淡々と実況する。意識が現在に集中し始めて、数分で気持ちが楽になります。

2. 54321法

五感を駆使するグラウンディング。急な不安に襲われたり気持ちがふさがってしまったら次のストップで現在に復帰していきます。

  1. 今目に見えているものを5つピックアップする。「カップ、ポット、スマホ、壁紙……」など。できるだけ普段気づかないものを選ぶと良い。

  2. 感触で感じられるものを4つピックアップする。 「キーボード、マウス、机、自分の髪」など。 肌触りや温度等に意識を向けます。

  3. 聞こえるものを3つピックアップする。「ドライヤーの音、外を走る車のエンジン音、風」など。 これもまた普段は気づかないものを選ぶとより良い。

  4. 匂いをかぐことができるものを2つピックアップする。「部屋の香り、自分の肌の香り、布団の香り、食べ物の匂い」など。

  5. 最後に今味わうことができるものを1つピックアップする。「コーヒー、ガム」など。

これをやってる最中に意識がそれでも、再びに戻って作業を繰り返していきます。意識を戻すたびにあなたは脳は安心感を覚えストレス反応が減ってきます。

3.暗算法

口に出さずに頭の中だけで100から7ずつ引き算を0になるまで繰り返していきます。100、93、86、79……と。できるだけはやく。暗算は負荷が高いため、意識が現在だけになっていきます。

4.深呼吸

深呼吸はグラウンディングの基本。呼吸するたびに「吸う」「吐く」とつぶやいてみるとよいようです。それぞれの息が、自分の肺を満たすのを感じ、それが外に出ていくときはどのように感じられるかに意識を向けてみてください。


5.何かを手に取る

ネガティブな感情に襲われたら、とりあえず身近にあるものに触ってみるという方法。その感触、柔らかいのか、硬いか? 重いのか、軽いか? 温かいか、冷たいか?暖かいか?というように、手にしたものの質感や色などに注目していきます。このときは、単に赤や青だけでなく、ミッドナイトブルー、ターコイズ、スカイブルー、マリンブルーなど、かなり細かな色を思い浮かべていくほうが効果がより高い。(2の54321法に含まれています)


6. 食べ物や飲み物を味わう

ネガティブな感情に襲われたら、とりあえず好きな食べ物や飲み物を少しずつ口にしてみましょう。一口ずつを十分に味わい、味や香り、舌に残る風味について考えてみます。(2の54321法に含まれています)


7.体を動かす

体操やストレッチ、ウォーキング、ジョギングなど。ジャンピングジャック、なわとびでも何でも良いので、身体を動かします。手や足が床や地面についたときなどに、それぞれの動作で体がどのように感じるかに注意を向けます。

8.香りを楽しむ

なんでも良いので、魅力的な香りに意識を向けます。紅茶、ハーブ、スパイス、アロマオイルなど、その香りをゆっくりと深く吸い込み、その特徴を、「甘い」「スパイシー」「ゼラニウムの香りだ」などと言葉にしてみます。(2の54321法に含まれています)


9.周囲に耳を傾ける

ネガティブな感情に襲われたら、とりあえず自分の周りの音に耳を傾けてみましょう。外の道路を走る車のエンジン音。エアコンの音。鳥の鳴き声。風の音などなど。周囲の音に身を任せ、自分がいまいる状況を思い出してみます。(2の54321法に含まれています)


10.自分の肉体感覚を感じる

座っていても、立っていても構わないので、頭のてっぺんからつま先まで、体がどのように感じているかに集中し、それぞれの部分に注目していきます(ボディスキャン)。肩や額にかかる髪の毛の感覚、肩にかかる服の重さ、腕の筋肉の緊張、心拍のスピード、お腹がいっぱいなのか、それとも空腹を感じているのかなどをじっくりと味わってみます。


11.雑用を視覚化する

ネガティブな感情に襲われたら、いつもやっている行為を思い浮かべて、そのステップを細かくイメージしてみましょう。コーヒーを淹れる、オフィスや家の鍵をかける、昼食の準備をするなど、よくやっている作業を思い浮かべつつ、誰かにその方法を教えるかのように、段階を追って説明してみてください。


12.周りにあるものを描写する

数分間、周囲の環境を観察し、目に映るものをできるだけ詳しく説明していきます。「このデスクは白くて両腕を広げたサイズ。日陰にいるけど、窓から入ってくる紫外線はちょっと心配。椅子はざらざらした感じだけど、座り心地は悪くない」といった具合に。


13.好きなものをリストアップする

ネガティブな感情に襲われたら、とりあえず以下のジャンルから好きなものを3つずつ挙げてみましょう。食べ物、植物、歌、映画、本、場所。「ラーメン、カレー、ハンバーグ、蘭、バラ……」という具合に。


14.アクティビティを計画する

ディナーに行く、楽しみにしていた映画を観る、美術館に行くなど、自分が楽しめそうなアクティビティを計画してみましょう。あなたが一人ですることでもいいし、友人や恋人とすることでも、なんでも良いです。そのアクティビティをいつ誰とやるのかなど、細部にわたって決めていくと良いようです。

まとめ

実際にネガティブな状態になると、こういったグラウンディングのテクニックは忘れてしまうので、日々、習慣にしていくと良いでしょう



関連書籍の紹介

鈴木祐(著)『無(最高の状態)』


参照




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