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サトラレてない? 「透明性の錯覚」
初デートですごく緊張している。きっと心臓の音が相手にも聞こえているに違いない?
自分の心理状態を他人に見透かされていると思うことはありませんか。すごく緊張していることがバレたり、イライラしていることがバレていたりしているように思う。実際よりそう感じることを「透明性の錯覚」と言います。これは、逆に他人の心理状態を手に取るようわかると思い込むことも含んでいます。
人は、サトラレ(人に自分の気持を全部知られてしまうことや知ってしまうこと)を実際よりあるように感じています。
透明性の錯覚
透明性の錯覚(Illusion of transparency)とは、
他者が自分を把握する能力を過大評価する傾向。
また、自分が他者を把握する能力を過大評価する傾向
です。非対称な洞察力の錯覚(Illusion of asymmetric insight)に似ています。「非対称な洞察力の錯覚」とは、自分は他者をよく知っているが、他者は自分の事をよく知らないと考える錯覚です。
「リズムを鳴らす人」と「リズムを聴く人」の曲名当てクイズ
「ハッピーバースデー」のように誰もが知る曲を当てるゲームをした実験があります。実験では2人ペアになって、1人は「リズムを鳴らす人」、1人は「リズムを聴いて、当てる人」です。リズムを鳴らす人たちは、平均50%くらいは、その曲を当てられるだろうと予想しました。しかし、実際に当てられたのは2.5%程度でした。リズムで曲を当てるのはとても難しいのです。ただしその曲を知っている人は、リズムをとりながらリズムを聴いている人も、その曲を聴いているような感覚になるのです。
これは、1990年ごろのスタンフォード大学のElizabeth Newtonという学生が行った「Tapper and Listener」という実験でした。これは、「知識の呪い(The curse of knowledge)」と呼ばれています。
このように自分の感覚は、実際以上に相手に伝わっていると思いこむ傾向がわたしたちにはあります。
スピーチでガチガチ
人前でスピーチをして、終わったあとに「すごく緊張したよ」と告げると「そんなふうには見えなかったよ」と言われたことはありませんか。これは調査を多くの人に見られる傾向でした。
対策・応用
「透明性の錯覚」を知っていると不安が減り、スピーチが上手くいく
SavitskyとGilovichの研究で、スピーチ前に、この「透明性の錯覚」というものを教え、「あなたが感じているほど、他人には緊張は伝わらない」ということを伝えると、スピーチ後の自己評価が高くなり、スピーチを観察していた人たちからの評価も高くなりました。
デートにも使えるかも!?
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参照
※2:透明性の錯覚illusion of transparency
※3: "Apprehension felt towards delivering oral presentations: a case study of accountancy students"
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