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自分だけ相手をよく理解していると思いこむ 「非対称な洞察力の錯覚」

わたしは親友のことをよくわかっているけど、親友は、わたしのことを同じくらいには理解していないだろう……


質問:親しい友だちを一人思い浮かべて、次の質問に答えてください。
(1)あなたは、その友だちのことをどれくらいよくわかっていますか?
0点(まったくわかっていない)〜10点(完全にわかっている)の間で答えてください。(   )点

(2)友だちは、あなたのことをどれくらいよくわかっていますか?
0点(まったくわかっていない)〜10点(完全にわかっている)の間で答えてください。(   )点


非対称な洞察力の錯覚

非対称な洞察力の錯覚(Illusion of asymmetric insight)とは、

自分は他者をよく知っているが、他者は自分の事をよく知らないと考える錯覚

です。私たちは、人の言動を観察することで、相手について多くのことを学べると考えています。そして、観察することであいてを理解する能力は、相手より自分の方が上だと過信してしまうようです。さらに相手が自分自身について理解している以上に、その人を観察している自分のほうが、もっと理解しているとまで考えてしまうようです。これは、ナイーブ・リアリズムの一例です。ナイーブ・リアリズムとは「自分は、周りの世界を客観的に見ているが、自分と意見が合わない人は情報が少なく、非合理的で、偏っているに違いないと考える傾向」です。


なぜ起こる?

他人を観察していると、本人には自覚のない欠点を見つけることができます。当人はそれに気づかないので、観察者は、その人には自己認識能力に欠如があると考えます。その一方で、自分自身については、自覚なき欠点は無いと考えます。なぜならそれは、存在していても見えないから(自覚がないから)。その結果、他人に関しては、観察者からみると長所も短所も見えているが、他人は自分の短所は見えていない。観察者自身も自分の短所は見えない。この非対称な認識が、相手より自分のほうが相手を理解しているという思い込みを形成します。


対策・応用

自分以外の人々に「自覚なき欠点」があるのだから、自分自身にもあるはずだと考えておく

それでも、「非対称な洞察力の錯覚」は、起こります。なので、他人をよく知った気になったときに、この非対称な洞察の錯覚の存在を随時思い出しましょう。

私見

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それにしても認知バイアスって、知れば知るほど自分を信じられなくなってきますね(笑)。やはり自分乗り物説が、丁度いいバランスを取れるのではないかと思います。過信しないが乗り、レースを生き残る方法を探す、という姿勢は自尊心が形成するバランスを回避できるのではないかと考えるから。


関連した認知バイアス

•ナイーブ・リアリズム(Naive realism)
自分は、周りの世界を客観的に見ているが、自分と意見が合わない人は情報が少なく、非合理的で、偏っているに違いないと考える傾向




認知バイアス

認知バイアスとは進化の過程で得た武器のバグの部分。紹介した認知バイアスは、スズキアキラの「認知バイアス大全」にまとめていきます。



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参照

※1:“You don't know me, but I know you: The illusion of asymmetric insight.”

※2:非対称な洞察の錯覚illusion of asymmetric insight

※3:Illusion of asymmetric insight

#科学 #ビジネス #ビジネススキル #エグゼクティブ #経営者 #生産性 #オフィス #認知バイアス  

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