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国語の授業

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記事一覧

「哲学の先生」と話す怖さ―國分功一郎『哲学の先生と人生の話をしよう』

國分功一郎さん。

教科書に載っていて、なんだかかっこいい人だなと思っていたら、同僚がファンだったので、なにやらたくさん本をおすすめされた。番組やオンライン授業なども見た。ほう。写真以外もかなりかっこいい。そして、お話の仕方がかっこいい。口から流れ出てくる文字が文章となってつるつると流れ出してくるような。とてもよいお声。先生のどアップを二時間も眺め続けていてよいのかしら…まさか質問もできたりするの

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司馬遼太郎作品中の女性

司馬遼太郎は女性をアイテム的に使うなぁ、と思う。

と、友だちに言った。

司馬遼太郎の作品で、女性が単独で主人公のものは、ぱっと思いつかない。

作品の中で、都合の良いときに、何かの役割を持って登場する。

随分たくさん、司馬遼太郎を読んだ。司馬遼太郎を読まなければ、私は日本史を大学で勉強し、ライフワークにしようと思わなかったし、京都に来たいとも思わなかったし、医学史をやろうなんて思わなかった。

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村上春樹をめぐる

私は村上春樹の小説が嫌いだ。

エッセイはわりと好きで、ananに連載されていた「村上ラヂオ」のシリーズは持っている。

私は、中学高校と女子校で過ごした。村上春樹のことが授業で語られることはなかったし、周りで読んでいる人もいなかった。大学に入って、小説が好きだという男子のほとんどが、村上春樹ファンだった。研究室の友人は、うざいほどに村上春樹が好きで、語り始めると止まらず、辟易した。どれだけ「いい

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もしもたったひとつだけ願いがかなうなら②―村上春樹「バースデイ・ガール」

つづき。

先生なら、何を願う?と聞かれた。

36歳の私として、願うことは何だろうか。

「ひとつだけ願いを叶えてあげよう」と言われる状況にもよる。

そのとき、とっさに答えたのは、「胸が欲しい」。

俗だ。

Tシャツの季節。そこそこのボリュームの胸があれば、何でも着られるのだ。いちいち、胸のボリュームを考えて服装を考えなくてもいい。秋冬のニットだってそうだ。

そんなに胸が欲しいならば、整形

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