【読後感】NHK朝ドラ化を希望するシリーズ!
最終回を迎えましたクドカンさん脚本のドラマ「俺の家の話」。
タイトル渋いし、最近コメディといえば福田組の風潮だったのでどうかと思いましたがやはり面白かったですね。
ただ面白いだけではなく、取り扱っているのが”介護”という社会問題であり、核家族という現象の末路であり、まぁそれらひっくるめて家族愛であり、名誉ある方の締めくくり方であり。
キャラ設定も相変わらず立ってますし、最終回に向けての展開もお見事でした!
こうしてTBS×クドカン脚本の歴史がひとつ増えたわけですけども、我々にとってこの手のドラマで印象深いのはやはり、「あまちゃん」でしょう。
話の軸は地方の過疎化という社会問題であり、それに震災が加わったわけですけども、
物語は2人の対照的な少女と、それを取り巻くキャラの濃い大人たちで面白おかしく描かれます。
毎日15分だけ、クドカンワールドと言うテーマパークに入り込んだような、そんな世界観に当時誰もがどっぷりとはまりましたね~。
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NHKの朝ドラと言えばもれなくヒロインが登場するので、女性を主軸にしたお話、というのが通例です。
そして、そこはNHKらしく単なるドラマではなく、未来の日本を見据えた社会性が含まれなくてはいけません。
もちろん、性や暴力がメインになってはいけません。
そんな条件下、私の中で(勝手に)クドカンさん脚本第2弾としてこちらの題材をテレビ小説化してみてはどうか、と切に思うのが・・・
誉田哲也さんによる「武士道」シリーズです!!
タイトル写真の通り4冊ほど出ているのですが、これらいずれも「連続テレビ小説」の条件をクリアしているように思うのです。
以下、少し要約してみたいと思います。
(あまり核心に触れないので大丈夫かと思いますが、ネタバレ絶対NGの方は飛ばしてください!)
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武士道シリーズはまず、”シックスティーン”から”エイティーン”まであります。これら数字は主人公たちの年齢で、それぞれ16歳(高校1年生)から18歳(3年生)までの物語を綴っています。
そして4冊目の”ジェネレーション”で彼女たちの高校卒業後の物語を綴り、いよいよ核心に迫ります。
主人公は、剣道部に所属する2人の女子高校生。
性格も生い立ちも、それから剣道に向き合う考え方も全く違う香織と早苗。
いびつながらも次第にお互い心を開き合い、認め合い、そして剣道を極めていきます。ここまでの話でもキャラ設定が抜群でどんどん読み進めていけるのですが、
この物語の軸は、当然女子高生の友情ではありません。
ではなにか、
それが「武士道」の理解になります。
「武士道」と言えば新渡戸稲造が世界に広めた精神。
無宗教国家の日本にとって、私たち日本人のアイデンティティを形成する基本となっているものとされています。
一方で、「武士道とは死ぬことと見つけたり」という言葉があり、かつての戦争と紐づけて、武士道=命を懸ける事 と誤解されがちですが・・・、
そういう事ではない。とこの青春小説は説いています。
剣先を向け合う剣道は殺し合いではない。
武士道とは相手を収める道である、と。
これだけ聞くと、ちょっと「?」ですが、この神髄を極めていく過程が部活動を通じ描かれており、2人の少女は人間として、武道家として強くなって成長していきます。
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実はこの小説、映画化されています。
口下手で剣道一直線の香織役を成海璃子さん、朗らかで人想いの優しい早苗役を北野きいさんが演じています。
どちらも適役なのですが、やはりこの作品は2hぐらいの映画では書ききれないのではないかと思うのです。
そこで、連続テレビ小説。
そこでクドカンさん脚本です!
最近はコロナの影響で部活動がままならない状況ですが、
復活の象徴として、剣道の大会で鍔迫り合い、汗を飛ばしあう。と言う描写も良いかもしれません。
また、
コロナ禍で人々の心身が大変不安定な状況であることは言うまでもありません。それゆえ、様々な場面で人々が衝突しあったりしています。
建設的な議論であればよいのですが、必ずしもそうとは言えません。
今はまだ行動規制の中で静かですが、その後、治安の悪化につながることもあるかもしれません。
改めて日本人のアイデンティティを正しく理解し、押さえつけるのではなく、収める精神でこの苦難を乗り越えていかなくては、そう思うのです。
そんな混沌とした雰囲気を、剣道部の物語とクドカンさんの脚本で整理できればきっとポジティブで、前向きな作品になるのではないだろうか。
そんな気がしてなりません。
読んだことのない方。物語のテンポよが良く、どんどん読み進められますので是非読んでみてください。お勧めです!
(あと、小学生高学年~中学生ぐらいのお子さんの図書にもお勧めです。)
本日も、最後までお読みいただきありがとうございました!
読みながら、自分ならキャストを誰にするか考えるのも楽しいですよね(笑)。
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