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サタンリターンは、恐怖か?!

現場の占い師をやっていると、ご相談者さんの年齢層が大体決まってきます。私の場合は圧倒的に50代後半が多いです。

以前、行きつけの美容院さんに、指名してくれるお客さんの年齢層が大体自分の年齢の前後10歳ぐらいの幅に集中する、と言っていたのを思い出します。占い師もそれに近いものがあるのかもしれません。

とはいえ、たまにお若いご相談者さんがいらっしゃって、珍しいなあ、と思うのですが、その方達には共通点があります。

それは、29歳前後であるということ。

若い人だと思ったら、「この方も29歳か〜」ということが最近立て続けに起こりました。

そして、これには西洋占星術的な理由があります。
それを詳しく見ていきましょう。



サタンリターンのお年頃

29歳あたり、それは西洋占星術でいうところの「サタンリターン」が起こっているタイミングです。

「サタンリターン」または「土星回帰」と呼ばれる時期が、誰にでも必ずやってきます。これは、自分のホロスコープの中にある土星の場所に、今の空を運行している土星が重なる現象です。そしてそれが人生で初めて起こる年齢が、どんな人でも29歳〜30歳ごろなのです。その理由は、土星が12星座をぐるっと一周するのが29.5年だから。

占い師である私のもとに、初めてサタンリターンを迎えるお年頃のご相談者さんが多くいらっしゃる、ということは、つまりサタンリターンの時期は「悩める時期である」ということ。自分の苦手なことや、乗り越えるべき課題を突きつけられ、揺さぶりをかけられるようなことが起こりやすいのです。



私はサタンリターンをこうやって乗り越えた

さて、私ももちろん、ン十年前に、人生初のサタンリターンを経験しました。その時は中堅企業の新規事業立ち上げメンバーで、何ヶ月も休みなく仕事を頑張っていた、モーレツ社員でした。

ところが結局、その新規事業は結果を出せず、会社はその事業から撤退することを決めました。社長からは別部門で引き続き頑張ってほしいと直々にお声がけ頂いたものの、私は丁重にお断りして実家に出戻りました。撤退になって一番ホッとしたのは私かもしれません。なぜなら私はすでに鬱に陥っていたからです。

三十路前の独身娘が仕事を辞めて出戻ってきて、子供部屋に引きこもっている。両親としても相当心配したと思います。でもとにかく黙ってそっと見守ってくれた両親には感謝しかありません。

私はその時、一つの課題を自分で決めました。それは「不安や焦りからやみくもに動かない」ということ。私はとにかく動いてしまう性質があります。行動力があると言えば聞こえはいいですが、じっと立ち止まって内省する、ということをしないうちに動いてしまう癖があるのです。

でもその時は、自分自身でも、しっかりこれからの人生をどうしていきたいか、考えるべき時期だということを察知していたのだと思います。だから半年間をタイムリミットとして定め、こう紙に大きく書いて、机の間に貼ったのです。

「半年間は、何もしない!」



何もしない、というのは、もちろん食べることと寝ること以外に何もしない、ということではありません。私の場合は「働かない」という意味でした。それを可能にしてくれた両親には、これまた感謝しかありません。

その内省期に私は、ひたすら図書館に行ったり、行政がやっている無料のシンポジウムや講演会に話を聞きに行ったりして、生き方の選択肢に関する情報を収集し続けました。その時間は、私の心にとってはひたすら贅沢で、充実したものだったことを、今でもはっきりと、感覚として想起できます。

半年間がたった後、私は毎日パソコンスクールに通いながら、少しずつ社会復帰をしていきました。その時の学びの日々も、かけがえのないものでした。私は学びによって、心と体を少しずつ回復していったのです。

そして、完全なる社会復帰として選んだのは、大学の就職課での派遣社員でした。9時ー5時で残業なし。前職では、海外出張あり・休日返上・「24時間戦えますか」状態でしたので、全く違う世界で働き始めたのです。

ゆとりある仕事に少し物足りなさを感じ始めていた頃、上司からの提言で学生の就職相談を担当することになりました。悩める学生さんとの対話を通してカウンセリングに興味を持ったことが、その後の私の生き方に大きく影響することになります。

時間のゆとりは多かったので、週末に産業カウンセラーの講座を半年ほど受けて、傾聴の学びを深めました。その時の経験が、現在、占い師としてご相談者さんに向き合う姿勢の確固たる土台となっています。

サタンリターンに向き合うというのは、時に非常に辛いものです。ただ、誰しも必ずサタンリターンはやってきて、揺さぶりをかけてきます。それならこれをチャンスと捉えて、自分のこれからの生き方をしっかりと捉え直す時期として正面から向き合う方がいいのです。

また、向き合った課題は、ちゃんとあなたの血肉になります。そして後々やってくる別の星のタイミングの時に、乗り越える筋力が断然違ってくるのです。

たとえば土星なら、サタンリターンで自分の土星と上空の土星が重なった後、次はサタン・ハーフリターンなるものがあります。今度は土星同士が対岸に位置するタイミングで、42歳〜44歳ごろにやってきます。その時にサタンリターンでの学びは大いに生きるといえます。

サタン・ハーフリターンのことまで書き始めると、長くなってしまうので、それはまた次の記事に譲るとしましょう。




星には降参して向き合おう

星はこうやって、定期的にタイミングを見計らって、問題を提示してきます。そして、星にはさっさと降参して向き合ってしまった方が断然いいのです。そうしないと、溜まったマグマが噴出する火山爆発のように、あるいは地盤の歪みが長期間蓄積することで起こる地震のように、突発的な問題として、いつか表出してしまうからです。

ただ、事前にそのタイミングを知っておくことで、向き合う心構えも違ってきますし、対策も打てるというもの。

まさに台風予測や地震予測を生活に取り入れるように、占星術も人生に取り入れた方がいいのです。

天気予報を見るように、星の動きを見る。
キャリアコンサルタントに相談するように、星に聞いてみる。
そんな時代も、もうすぐそこなのかもしれません。

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