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暗いです でも光だけじゃ眩しすぎるから 9w8 △459

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    自作の短編小説まとめです

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深夜3時、ヴィレッジヴァンガード。[小説]

「嘘でしょ…?ここのヴィレヴァンまで閉店…?」 ヴィレヴァン。小さい頃は洞窟のような店内に怖気付いていたけど、今ではすっかりあの狭さが身に馴染んでしまっている。 入っても何か買うことってぶっちゃけあんまりないんだけど、店主のこだわりを感じられる品揃え、見渡す限りの雑貨たち、力作のPOPとかを見てるだけでめちゃくちゃワクワクする。 そんなヴィレヴァンが最近閉店に閉店を重ねている。 ちくしょう、世間はこの良さがわかんねーのかと悪態をつきながら、「閉店致しました」という無機質な

    • 私が精神科に行くまでの話

      ①背景 事の発端は8年前に遡ります。 8年前、父がパーキンソン病と診断されました。 簡単に言えば、進行性で完治は難しく、 体が動きにくくなっていくという病気です。 そんな環境で、家族全員が精神的に追い詰められてしまうことが増えたんですね。 そのことについては、誰が悪いなどということはもちろんありません。だからこそ、気持ちのやり場がなく、辛い日々を送ってきたと思います。 私自身独りよがりに、ネガティブになってしまうことも増えました。 なんで私ばっかりこんな介護の悩みを抱え

      • バックルーム行ってきた!

        バックルーム─その存在が明るみに出てからしばらく経つ。 それを映した動画は瞬く間に拡散され、様々な人間の恐怖を煽った。1度入ってしまえば永遠に続く無機質な空間に閉じ込められる──。 そんな部屋の創作があるらしいよ、という話を学校で友人にしたところ、 「永遠って、一日が続いていくから永遠なんじゃん。一日の中に永遠を見いだせなけりゃ永遠なんてないのと一緒」と前置きした上で、 「だからその、なんだっけ、マックルーム?マッシュルーム?に入ったなら永遠の存在に私たちの永遠を奪われるの

        • 「調べる」に助けられた話

          私は京都のとある大学志望だ。 しかし進路のことで親と揉めることも多く、 案の定その日もTwitter(現X)に愚痴を書き込んでいた。 あまりに辛かったので文字数制限はとっくに超え、もはや自暴自棄になりかけていたとき、 たまたま私の人差し指が「そう」という文字に触れ、調べるというボタンにたどり着いたのである。すると次の瞬間この画面が映し出された。 こんな偶然があるものだろうか? 思わず涙がちょちょぎれてしまった。 この日以来なんか京都には縁がある気がする…と自分を奮い立たせ

        深夜3時、ヴィレッジヴァンガード。[小説]

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          7本

        記事

          予測変換(よみきり)

          最近友達が学校に来ない。 まぁ彼は前から学校を休みがちで、こういうのは別に特段珍しいことじゃない。 しかし、彼は「テストと必要単位だけ出席する」というスタンスを取っている。 だからこの期末テストの最後の日にまで来ないのは未曾有の事態だ。 うちの学校で期末テストを休むと面倒くさいことになるのは周知の事実で、後日テストを解いて提出することに加えてなんで当日休んだのかという理由も報告しなければならない。たまに「(気分的に)だるかったから」と先生に言ってのける猛者もいるよう

          予測変換(よみきり)

          INFP100の質問(ゆるめ)

          16タイプ性格診断好きの人に100の質問 1. お名前は? suu 2. その名前の由来は? 本名のもじり 3. 性格タイプは?(他の診断もよければ/自分がそう思うでOKです) INFP 4w5 4. 性格診断をしてみたきっかけは? 忘れちゃいました 多分ネットで見たから 5. 血液型は? A 6. 星座は何座? 双子座 7. いま住んでるのはどういうところ? 田舎都会ミックス 8. 地元はどんなところ? 味噌がおいしいだら〜 9. お仕事/専攻してるのは何系? 哲学科志望の

          INFP100の質問(ゆるめ)

          「本」屋さん

          本屋さんと言われて想像するのはどんなお店だろうか。本を売っているお店、まぁ当たり前である。しかしながら最近はその隣にカフェやカードゲーム場が鎮座していることが多い。 ただでさえデジタル化が進む世の中、本だけ売っていては経営が厳しいのだろうなあとほろ苦い思いでいる。 実際に、ショッピングモールに入っていた、本だけ売っていた本屋さんは100均になってしまった。何冊もの本が、物語が、文字が100円に負けてしまった。 本屋さんは本を売るという役割をきちんと果たしていたのに…

          「本」屋さん

          INFPから見たINTJ・ENFP・INFPの印象

          1 INTJ 自分の中にこれだけは許せないという行動があって、それをする相手にはきっぱり注意するし、意思表示をする。基本的にしっかりとした自己の理念があるし、それを絶対に曲げない。自分の中でもコンプレックスとチャームポイントをすごくはっきり認知してる。特にコンプレックスに関してはこっちが不安になるくらい 深い苦しみを抱いている。(私はひっくるめて全部好きです。) その反面、好きなものに対しての情熱と記憶力がすごくて、たとえば私がゲームで「この子なんだっけ!?」ってぼんやり

          INFPから見たINTJ・ENFP・INFPの印象

          夜中に書いたやつ 2

          結局全部まやかしでしかなかった。 私が好きだと自称する音楽もアイドルもあの人も色もバンドも服も何もかもが目の前の辛さから逃れるための幻覚剤で、それらが切れた後目の前に広がるのはただ果てもない現実。 結局私が好きなのはそれらを好きだということによって作り上げられた私の人物像で、本当の私なんて醜くて見れたもんじゃない。 あーあ息が苦しい気道が狭くなって息をする度に肺が大袈裟に動いてぎうううと音が鳴るくらいならもうしなくてもいいのに。 それでも、私がどれだけ息を止めたいだなんて

          夜中に書いたやつ 2

          夜中に書いたやつ

          最近よく見るのは天井からぶら下がってる手だ。 特に私を呼んでるのはゾンビみたいな緑の手で、つい私はその手を掴んでしまいそうになって、でも頬に当たるぬいぐるみの柔らかさに引き留められていつもやめる。 今日はとてつもなく嫌なことを思い出してしまった。ふと部屋の中央に目をやると土管三本分くらいはあろうかという白い太い手がぶら下がっていた。というか刺さっていた。 私は彫刻のようなひんやりとしたその手にもたれかかってみた。相変わらず手は何かを掴もうとしたような指の動きで止まってい

          夜中に書いたやつ

          静寂のサイエンス

          「なんだよ、急に呼び出して」 夕方のサイエンス部の部室に2人、学校の中でも一二を争う暗さであるここはお互いの顔に影がかかりよく表情が読み取れない。 
「いや、僕最近ずっと部室に籠ってただろう?ついに完成したんだよ、僕の夢が」 「何言ってんだお前。だいたいクラスにも顔出さねぇでせこせこ何作ってんだかと思ったら、夢だぁ?どぉせまた変な薬品でも作ったんだろ」 
こいつは今までにも顧問の目を盗んで変な薬品を調合しては自分で試し、「失敗!」だの「成功!」だの言っていた。
はたから

          静寂のサイエンス

          眠る男(2)

          「どしたの、急に」 祐介は突然変なことを話されて狐につままれたような顔をしていた。晩飯時に恋人がいきなり子供の頃に変な男が見えたなどと言い出すのだ。当然怪訝に思うだろう。 「でもほんとに見えたのよね。3歳くらいの時に見えたとかならまだしも、14歳の時だったからさ。子供が見た幻と言うにはあまりにもはっきりしすぎてない?」 「まぁそうだけど、佳奈って中二病患ってきてそうだもん。自分の中で作り上げた幻像が具体化しただけじゃないの?」 じつに冷静で腹の立つ男だ。 祐介、もといゆ

          非常に思い出したくない話ではあるけれども、しかしながらこの傷を改めてじくじくと痛ませ晒す。嫌いな奴のことを考える時間なんて無駄でしかない。だからここに全部残して、あわよくば治したいのだ。 簡潔に言えば私が受けてきたいじめ履歴である。 幼稚園 え?私も思い出して驚いたよ。 幼稚園て。まだ生まれてから4年しか経ってないじゃん。でも幼児特有の無邪気さというのは時に悪意に対して人を鈍感にさせる。 私はこの時から既に外で遊ぶより中でお絵描きをしてる方が好きな性分だった。水族館で見

          眠る男 (1)

          人間追い詰められると変な夢を見るものだ。 特に試験前や面接前などはプレッシャーが重りのようにずし、と乗っかかってきてレム睡眠のオンパレード、すなわち悪夢の行進を受け入れるはめになる。 現に私は試験前で夜遅くまでの勉強を強いられており、寝不足も寝不足、しかも悪夢続きで目の下に隈を作ってしまった。忌々しい陽の光が起床を促す。鉛のごとき頭を持ち上げ、重力がここだけ2倍なのではないかと思われるベッドから身を起こす。 伸びをして何とか眠りに戻ろうとする体をなだめ、ずるず

          眠る男 (1)