夜中に書いたやつ 2

結局全部まやかしでしかなかった。
私が好きだと自称する音楽もアイドルもあの人も色もバンドも服も何もかもが目の前の辛さから逃れるための幻覚剤で、それらが切れた後目の前に広がるのはただ果てもない現実。
結局私が好きなのはそれらを好きだということによって作り上げられた私の人物像で、本当の私なんて醜くて見れたもんじゃない。

あーあ息が苦しい気道が狭くなって息をする度に肺が大袈裟に動いてぎうううと音が鳴るくらいならもうしなくてもいいのに。

それでも、私がどれだけ息を止めたいだなんて思ったところで体の生命活動は止まること はなくて、健気な細胞たちは1人の少女を生かそうとする。あぁでも死にたくないなーでも生きることは辛いよ。日々増えていく課題、悪化する父の症状、増えるため息、介護用具、疲れを色濃くうつす日常、受かるか分からない志望校、あとどれ位努力すればいいのかだなんて意味もない問いが生み出す焦り。真っ向から向かってたらきっとみんなとっくに死んでる。

でもこんなん気にしないで楽しく生きてる人もいるんだよ。馬鹿みたいだね、こんなに悩んじゃってさ。小さいこと小さいこと小さいこと?そう思って笑ってられる人がいるんだよ。
人には人の地獄があるって言うだろう。
それがどうしたんだ?他人の地獄を覗いたからってこちらの閻魔様は許してくれそうにないし、そもそもまだそっちにすら行かせてくんねえんだよ。

半日現実から逃れたなんておしゃれに言えば聞こえはいいけど、結局風邪のせいで学校を半日休んでベッドの上でうねうね寝ていただけだ。

今日は廃工場の夢を見た。

どういう世界線なのか、まずアスレチック施設というかお皿屋さんというか、とにかく工場っぽいところに家族で行く。そこは純粋に楽しかったし、工場の人も優しかった。

その後何故か私は知らない人の家の子になっており、「私たちの家、そこになったから」とぶっきらぼうに言われる。夜の薄暗い道を不安になりながら行くと、すっかり色褪せ、くたびれたあの工場があった。しかも地震が起きているという設定であり、私たちはそこにある食料をかき集めて避難することになる。何故か虫が蔓延っており非常に気味が悪い夢であった。
夢でまで諸行無常を感じさせられるなんて。永遠に続くかりそめの楽しい夢でさえ私は見させてもらえない…。

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