夜中に書いたやつ

最近よく見るのは天井からぶら下がってる手だ。

特に私を呼んでるのはゾンビみたいな緑の手で、つい私はその手を掴んでしまいそうになって、でも頬に当たるぬいぐるみの柔らかさに引き留められていつもやめる。

今日はとてつもなく嫌なことを思い出してしまった。ふと部屋の中央に目をやると土管三本分くらいはあろうかという白い太い手がぶら下がっていた。というか刺さっていた。

私は彫刻のようなひんやりとしたその手にもたれかかってみた。相変わらず手は何かを掴もうとしたような指の動きで止まっている。

ふと、手が窓の方を指差した。彫刻は消毒の匂いだけを残して朝日と混じって消えてしまった。
ああ、また失敗したなあ、と思った。

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