前のめりな人が集まるところが、SILの魅力です | SILプロボノ紹介②
こちらの連載記事では、Sustainable Innovation Lab事務局で活躍するプロボノの皆さんをご紹介します。SILに興味を持っている方々、参画を検討されている方々に向けて、実際に活動しているプロボノの皆さんの率直な思いをお届けします。
プロボノの皆さんは何をきっかけにSILに参画したのでしょうか。また、どんなやりがいや苦労を感じているのでしょうか。そんな視点から、プロボノの方たちにインタビューしました。
プロボノ紹介の2人目は、SILのマーケティングに取り組む塚原宏樹さんです。
インタビュアー、執筆は学生インターンの渡邉が務めました。
――現在SILではどのような活動をされていますか?
塚原:一言でいうと、SILのマーケティングになります。「誰に」「何を」「どう」訴求して、SILを認知・理解いただき、参画していただくかの設計です。「この人たちのニーズはこの辺りにある。だから、こういうコンテンツをぶつけるのがよいのではないか。実際に効果はあったか」といったことを考えている感じです。
SILの日中のミーティングには出られないので、Discordに流れてくる情報をもとにSILの訴求点を想像しながら企画を作ります。そして、参加できる夜のミーティングで皆さんと企画を共有し、当たっていることと違っていることの指摘をもらいます。そこで当たっていた部分をもとに、企画を完成させ、実践していく感じです。
――現在どういったお仕事をされていますか?
塚原:SILと同様にマーケティングをしています。ただ、製品やサービスという特定のものではなく、企業ブランド(理念、戦略、事業、技術)のマーケティングです。従業員、求職者、取引先、投資家、報道機関、政府などのステークホルダーに対して企業ブランドの認知や理解、共感を促すために、調査し、コンテンツを作成・配信し、効果検証しています。そして、その先にある入社や取引などの行動に接続します。
――SILにプロボノとして参画されたきっかけは何ですか?
塚原:一言でいうと、ポスト資本主義です。広井良典先生が書いた岩波新書「ポスト資本主義」を読んだ時に、なるほどと思って。それ以降、資本主義に関わる取り組みをいろいろ見るようにしていたら、その中にNext Commons Labがありました。しかし、当時はローカルベンチャーという、地域に赴いての活動が中心だったんですね。それだと仕事を辞めなきゃいけないので「きついな」と思いました。
そうこうする内に、Facebookでプロボノ募集を見つけたんです。そこから早速説明会に行って、参画しました。
――なぜポスト資本主義に興味を持ったのでしょうか?
塚原:最初、社会貢献を意識して製薬企業の営業を始めたんです。医療用医薬品って、病気になった人を治療するものじゃないですか。営業なので、売上目標がありました。その売上目標は次の薬を開発するために必要ですが、追い求めすぎることに意味があるのか疑問だったんですね。
そんな時、一緒に仕事をしていた医薬品卸の方にぽろっと話したんです。そこで彼から返ってきた言葉が、「そういう営業をしなくていいと思うよ。医師に会って、治療方針を聞き、患者さんに合う薬の情報を提供する。それでいいんじゃないかな」というものでした。これを聞いて、すっと楽になりました。そこから、ポスト資本主義に興味を持つようになったんです。
――SILの活動のどのようなところにやりがいを感じますか?
塚原:前のめりに挑戦しても、周りがそういう人ばかりなので浮かないところですかね。僕は、「これくらいだろう」ということの1.1倍ぐらいをやりたいと思っています。それで自分の能力が伸びたら、そこを土台にまた1.1倍ぐらいやる。これを続けていきたいんです。それって、人によってはちょっと暑苦しかったり、疲れちゃったり、連携しにくかったりします。
でも、SILにいる人たちは基本、前のめりの人しかいないので、僕が浮かないんですよ。「これが必要なんじゃないか」「これをやりたいのですが、どうでしょう」というアプローチが歓迎されるので、やりがいを感じます。
――自分も前のめりな時、周囲にどう思われているのか不安になります。
塚原:その前のめりな自分は、丸めなくてもいいと思います。自分を丸めないことと、周囲と衝突すること、この2つは一緒じゃないんです。大事なのは、周囲の人たちと連携することで価値を生みだすこと。前のめりだけど親しみがある存在と、単に我が道を行く存在は紙一重ですが違っていますね。
――SILの活動の中で、印象に残っている出来事はありますか?
塚原:SILのオンラインスナックでは、普通にお酒を飲みながら皆で笑える話をしています。ですが、ふとした拍子に持続可能な地域経済とはなんぞやとか、ふつうは酒の肴にはならない話が始まるのは印象的、好きですね。こういった話が出来るのは、前のめり集団SILだからでしょうね。
――プロボノをする意義とは何だと思いますか?
塚原:普通に過ごしていたら得られない視点を得られることと、魂を込めて社会課題を解いている人たちに触れられることですね。経験と能力と志を持った、普段の勤め先では出会えない人たちと組んで結果を出すことは、普通出来ないです。ビジネススクールでお金を払って勉強するようなことを、タダで出来る。そういうトレーニングもプロボノの魅力ですね。
――最後に、SILに興味を持ってくださっている方たちに向けて一言お願いします。
塚原:年を重ねて40代、50代であったとしても全然始められます。実際、僕は今44歳です。上にも下にも年の離れた人たちと議論をしたり、企画を立てたりはしんどいことのように思われるかもしれませんが、大丈夫です。前のめりな方であれば歓迎されます。気遣いのある人たちばかりなので、ご心配なく。一緒に働けるのを待っています。
《プロフィール》
2021年にNext Commons Labに参画、コミュニケーション設計を主に担当。アステラス製薬を経て、東芝に勤務中。プロボノで様々なNPOに伴走する中で、チームの集合知で社会的な価値が生まれ、自分が成長するのを実感。なので、違いを楽しむNCLを選択。
SILでは現在、プロボノ・インターンの募集を行っています。ご興味のある方はぜひ、募集記事の方もご確認ください。
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