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「その成長に意味はあるのか?」そんな問いからポスト資本主義の道へ | SILプロボノ紹介①

こちらの連載記事では、Sustainable Innovation Lab事務局で活躍するプロボノの皆さんをご紹介します。SILに興味を持っている方々、参画を検討されている方々に向けて、実際に活動しているプロボノの皆さんの率直な思いをお届けします。

プロボノの皆さんは何をきっかけにSILに参画したのでしょうか。また、どんなやりがいや苦労を感じているのでしょうか。そんな視点から、プロボノの方たちにインタビューしました。

記念すべき最初の1人は、コミュニケーションチームで活動している本間英規さんです。

インタビュアー、執筆は学生インターンの渡邉が務めました。


――SILではどのような活動をされていますか?
本間:SILでは主にコミュニケーションチームを担当しています。SILに興味を持ってくれた方や、メンバーとして関わってくれた方たちを対象に、ニーズのヒアリングや面談を行っています。

そのほかにもランチ会やスナックといった、関われる場を用意することもコミュニケーションチームでやっていますね。

――今はどんなお仕事をされていますか?
本間:IT企業で営業の仕事をしています。その傍ら、プロボノとして土日や業務が終わった後の時間を使ってSILの活動に個人として参加しています。

――今されているお仕事の経験はSILに活かされていますか?
本間:営業として人と向き合うスキルを活かせている実感はあります。ですが、働く意味は本業とは全く別軸だと思っています。本業だけだと得づらい、社会に直接貢献できている実感を得たいという思いでSILに関わっています。

――SILにプロボノとして参画されたきっかけは何ですか?
本間:社会課題をテーマにしたカンファレンスに行ったのがきっかけですね。そこで、Next Commons Labファウンダーの林篤志さんの講演を偶然聞いたんです。その時に、ポスト資本主義社会をつくることや、地域をフィールドとして実験を行っているという話を聞いたのですが、当時の僕には林さんが言っていることの意味が分かりませんでした。でも、その話が面白かったので、ずっと心に引っかかっていました。

そのカンファレンスの打ち上げで、たまたま林さんと10人ぐらいの少人数で飲んだんです。飲み会の場とかでもこの人すごい面白いなというのを覚えていました。実は、それが最初のきっかけです。

そこから時間が経ち、日々の仕事に追われていく中で「自分って何してるんだろう」と思っていたんです。当時は斎藤幸平さんが『人新世の資本論』を出したり、ダボス会議で「グレートリセット」が言われたりと、ポスト資本主義が世界的な話題になり始めたタイミングでした。

その時に、「社会に対して僕に出来ることはないだろうか」と思い始めたんです。そこから林さんの講演を思い出して、Next Commons Labのホームページから、何か関わり方はありませんかというような応募フォームを送りました。ちょうどSILを立ち上げるタイミングと重なったというのもあり、面接を重ねて今ここにいるという感じです。

本間さん主催のローカルツアーin高知県本山町の様子

――ポスト資本主義に対して具体的なイメージはありましたか?
本間:最初は全く意味がわかっていませんでした。「あ、これがポスト資本主義なんだな」ということを実際に分かり始めたのは、NCLの扉を叩くタイミングぐらいでしたね。それくらいのタイミングで、今起きている問題の多くに資本主義が関わっていることに気づき始めました。そこからポスト資本主義が具体的に分かったかなという感じです。

社会の中では、当たり前のように成長を強いられることがよくあります。例えば、企業における売上の成長や、個人としてのスキルの成長も含まれます。そこに違和感を覚えたタイミングがあり、「その成長に意味はあるのか?」と考え始めたのが最初の問いでした。

考えてみると、誰かわかりやすい悪党がいるわけではないことに気がつきました。上司が悪いわけでもなければ、もちろん企業活動自体が悪いわけでもない。そうすると、永続的に利潤を追求し続けなければならないこの資本主義というシステムの構造自体に原因があると思い始めたんです。

そこに気がついてからたくさんの本を読み、ポスト資本主義という言葉の意味が具体的にイメージできたと思います。

SIL全体会議での本間さん

――コミュニケーションチームでの活動ではどのようなやりがいや苦労がありますか?
本間:メンバーの方たちと話す機会が多いので、関わった人たちが新しく行動を起こしてくれたり、充実した気持ちになってくれたりするのを見る時はやりがいを感じます。面談がきっかけとなってSILの活動にコミットをしてくれるようになったことは、やはり現場で話を聞く人がいるからこそだと思いますね。

難しさで言うと、難しさばっかりですよね。SILは本当に新しい社会を実践しようとしています。前例もルールもないので、試行錯誤の連続です。だからこそすごいカオスですし、もうぐちゃぐちゃですよね。何も整っていないところからやっていかなきゃいけないので、全部を自分たちで意思決定して進めなくてはなりません。そこがやはり難しさでもあると思いますね。だけど、そういう難しさも楽しみながらやっていますよ!

――最後に、SILに興味を持ってくださっている方たちに向けて一言お願いします。
本間:手探りなのでカオスなこともありますが、それを楽しめているメンバーがSILにはいっぱいいます。新しい社会は、きっとこういうところから生まれるのだと思います。なので、そういうことを楽しめる人と一緒に活動できたらすごく面白いだろうなと、ワクワクしております。ぜひ、皆さん一緒にチャレンジしていきましょう!


《プロフィール》
2021年にNext Commons Labに参画、SILのコミュニケーションチームを担当。普段はIT系企業の会社員。新しい社会をつくっている感覚にワクワクしながら日々活動中。

SILでは現在、プロボノ・インターンの募集を行っています。ご興味のある方はぜひ、募集記事の方もご確認ください。


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