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これを読めば誰でも寿司が美味くなる!『寿司1300年の歴史』

いつもお世話になっております。わたくし、「寿司リーマン」と申します。

この記事は、特に以下の方に向けて書きました。

・寿司が好きな方
・寿司をもっと美味しく食べたい方
・雑学好きな方
・歴史好きな方
・好奇心旺盛な方
…など


↓以前、こんな記事を書きました↓

「一流の寿司屋は自己成長の場だ!と唱えているサラリーマン」、それが寿司リーマンだ!という事を書きました。


「一流の寿司屋に行くと具体的にどんな成長体験ができるのか?」


私なりの考えを、noteを使って言語化していきたいと思います。

今回は「寿司の知識」について書きました。



寿司の知識を身につけよう!

私自身、最初は「寿司の世界ってこんなに奥深いんだ…」とは知りませんでした。

いろんな一流店に足を運び、経験値が増えていく毎に、少しづつ「もっと寿司のことを知りたい!」という好奇心が高まっていきました。

今では全国の寿司屋に年間100軒訪問し、「寿司の専門書」を愛読するほど…笑


寿司に関する知識があればあるほど、大将やお客さんとの会話のきっかけを得られたり、より深く会話することができるようになります。

知識があるとより一層、大将にもお客にも覚えてもらう事ができ、そこから新しい出会いが生まれることだってあります。

知識があるほど、寿司という料理や寿司屋という空間をより一層味わい深く感じる事ができると思うのです。




寿司の歴史

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そもそも寿司って、どんな食べ物…?


いつ、どのような背景で、寿司という食べ物が生まれていったか、ご存知ですか?


まずは寿司の歴史を知るだけでも、ひと味もふた味も寿司の世界を楽しめるようになっていくことでしょう。

この記事で学んだ寿司の歴史を頭に思い浮かべながら食べてみると、きっと寿司が美味くなること間違いなし。

それでは、寿司の歴史を辿っていきましょう。



1300年前:すしの起源「なれずし」

すしの起源は、なんと「東南アジア」にあるようです。

今から約2400年前、東南アジアの山民族が、川魚などを保存するために、米などの穀物を炊き上げて、それにより発酵を利用し、栄養を摂っていました。


寿司の起源は、発酵食品の一種であり、これを「なれずし」と言います。


「なれずし」は一種の健康食品として、発祥の地であったとされる東南アジアから中国へ。そして今から約1300年前、稲作の伝来と共に奈良時代に日本へと伝播していきました。

乳酸発酵によって、米などの穀物が持つでんぷんや糖質は分解されてドロドロになります。この発酵による乳酸菌が魚の栄養価を高めると同時に、腐敗を防ぐ役目を果たします。ドロドロに発酵した米は捨て、魚だけを食べていました。

日本で最も美味な「なれずし」を食べれるのは、滋賀県の予約困難店「徳山鮓」でしょう。滋賀県の名産品「ふなずし」は、「なれずし」の一種です。


この、発酵による「酸」が大きなキーワードになっていきます。


「酸味」が不思議と魚と米を結びつけ、美味にすることを知った日本人は、これをヒントに徐々に「すし」の形を進化させていきます。



700年前:「生なれずし」の誕生

今から約700年前、室町時代以降に入ると、徐々に寿司の原型が姿を現してきます。

乳酸発酵を行わせて作る「なれずし」は、どうしても発酵熟成に数ヶ月以上、場合によっては1年近くも掛かってしまいます。その為、発酵がまだ充分進んでない米が原型を留めているうちに、魚と米を一緒に食べるようになりました。これを「生なれずし」と言います。



300年前:「早ずし」の誕生

酢が一般にも広く使われ始めた江戸時代中期、今から約300年前に、乳酸発酵による酸っぱさを酢で代用するようになっていきました。人々は酢で米を味付けをし、それを魚と合わせて食べるようになりました。これを「早ずし」と言います。

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酢を使った「早ずし」の登場は現在の「箱寿司」「押し寿司」につながり、これがいよいよ握り寿司へと発展していきます。



200年前:「にぎり寿司」の誕生

江戸時代後期、今から約200年前。ついに私たちが食べている「握り寿司」が誕生します。

この時の江戸(東京)は、東海道などの街道が整備され、全国から人が集まる100万人都市でした。

庶民の間では、手っ取り早く食事をするための屋台などが多く出回り、いわば外食ブームが起きていました。先述した「箱寿司」が人気でしたが、庶民にとっては高価な食べ物でした。


(もっと庶民が気軽に食べることのできる、「安くて早くて美味い」すしを開発できないか…?)


そう考える一人のアツい職人がいました。それが、握り寿司を発明し、世に広めた「与兵衛寿司」の主人「華屋与兵衛」です。↓

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与兵衛は、ミツカンの初代創始者「中野又左衛門」が開発した粕酢を使用したシャリを開発。そのシャリに殺菌効果のあるわさびを初めて加え、魚とともに握りました。

これが「握り寿司」という大発明です。


※華屋与兵衛とタッグを組んだミツカンの創業者「中野又左衛門」のお酢の開発ストーリーもとても面白いので、気になる方はぜひこちらを↓

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・ミツカンという会社が200年以上も歴史がある老舗企業だった
・ミツカンの酢が握り寿司と深い関係があった
・握り寿司の誕生は、中野又左衛門の先見の明がなければ成し得なかった


寿司を通して、こうやって知識がどんどん広がっていく…。

これが寿司リーマンが提唱する、教養(心の豊かさ)、成長の一つだと思います。


…話を戻します。


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与兵衛が開発し、当時流行った握り寿司は、今の握り寿司の2.5倍もの大きさがあり、まるでおにぎりのようだったようです。この頃に「すし」を「寿を司る食べ物」という意味として、縁起かつぎとシャレが好きな江戸っ子らしく、当て字で「寿司」と書くようになったようです。

ちなみに、握り寿司が生まれた当時に人気だったネタはマグロではなく、コハダでした。

コハダといえば…食べログ寿司部門全国1位、日本一の江戸前寿司屋「日本橋蠣殻町すぎた」では、スペシャリテのコハダが1カン目に出てきて度肝を抜かれます。


「安くて、早くて、美味い」握り寿司は、江戸っ子達の間で瞬く間に人気が広がっていき、寿司の屋台がどんどん増えていきました。


この屋台形式が、現在の寿司屋のカウンターに進化していきました。

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また、当時は冷蔵技術がなかったため、腐らないように東京湾の魚を塩や醤油や酢に漬け込み、手を加えたネタを握っていたところから、「江戸前寿司」と呼ばれるようになりました。

当時は大将が座って握り、お客が立ち食いするという、現在とは逆のスタイルだったようです。


《寿司好きなら覚えておきたいポイント》
今から200年前に、すし=握り寿司=カウンターという文化が生まれた。

握り寿司を発明した華屋与兵衛は、寿司文化の発展に多大な貢献をした。

・冷蔵技術が乏しかったため締めたり漬けたりという仕事を施したネタを握る寿司を江戸前寿司と呼ぶようになった。


明治時代以降、欧米から伝播した冷蔵技術の発達とともに、酢加減もゆるやかになったり、生魚をネタとすることができるようになり、現代の寿司にどんどん近づいていきました。



寿司職人「華屋与兵衛」の生き様

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握り寿司の生みの親、華屋与兵衛は壮絶な人生を歩みました。


与兵衛が発明し、大ヒットを生んだ握り寿司。ヒットすればするほど、増えていく寿司屋どうしでの競争が勃発。これまでにない高額な寿司屋が出現するなど、寿司がどんどん贅沢品になっていってしまいます。

またこの当時、老中(今でいう大臣)の水野忠邦は「天保の改革」により、質素倹約を命じ、庶民の贅沢を禁じました。それにより、贅沢品を生み出す江戸の寿司職人達は皆、牢屋に閉じ込められてしまいました。与兵衛もその一人で、江戸の街から寿司屋が消えてしまいました。

そんな逆境下でも、与兵衛はお客の笑顔を思い出しながら、寿司のことを考え続けました。時が経つにつれ、老中水野忠邦は庶民の怒りを買い失脚し、与兵衛は無事に解放されました。


待っていたかのように、庶民達は与兵衛の寿司屋に押しかけ、与兵衛寿司は大繁盛しました。江戸の街に再び活気が戻っていったのです。

権力に屈することなく、寿司へのひたむきな想いを持ち続けた与兵衛がいなければ、今日の寿司という日本の伝統文化はここまで受け継がれてこなかったかもしれません…。


そんな華屋与兵衛の意志を継ぐ寿司屋が浅草にあります。与兵衛の弟子が開業し、以来6代にわたる親方が歴史を紡いできた創業154年の超老舗「弁天山美家古寿司」です。




最後に

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寿司は日本で1300年もの歴史がある食べ物だったとは驚きました。時代を経て、徐々に形を変えていった寿司…。これからもきっと、進化し続けていく寿司…。ワクワクしますね。

私自身、色々と調べながら文章を書いていましたが、寿司への想いがますます昂りました。


中野又左衛門の酢開発秘話や、天保の改革下でも諦めなかった華屋与兵衛のエピソードはアツくて本当に感動的でした。


これから寿司を食べる時、アツい想いを持って寿司と向き合った華屋与兵衛のことを頭に思い浮かべてみてください。きっと、より一層寿司が味わい深くなると思います。


今後とも、寿司リーマンをよろしくお願いいたします。

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