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鮨カレンダー ~鮨みずかみの1年~ 霜月(11月)

本連載は、鮨歴10年超の鮨ブロガーが1年を通して毎月同じお店に通い、鮨の魅力をお伝えする企画です。鮨種(=すしネタ)の変遷から、旬を味わう喜びをお届けします。
1年を通して読んで頂ければ、鮨と魚に詳しくなり、鮨を食べるのが格段に面白くなるはずです。そして、誰かと一緒に鮨を食べに行くときも、鮨のトリビアを説明できる立場になれます。

神無月(10月)の記事

本記事は連載第11号です。

お伺いするお店は、半蔵門の「鮨みずかみ」さん。親方の水上行宣(みちのぶ)さんは、名店「すきやばし次郎」で16年間も修業された方です(他のお店での修行を加えると、修行歴はトータル23年)。

今回は、霜月(11月)に伺った際の内容をお届けします。

11月については、10月に続いて魚介の味わいが明らかに強くなり、脂や旨味が深まるところが冬らしいと実感しました。ただ、それ以上に感銘を覚えた発見があります。

タネが味わい深いと感じたのは季節が一因であるのは間違いありませんが、水上親方が1年の間に着実に腕を上げられたという紛れも無い事実を発見したのです。1月の訪問から更に美味しくなっている!と実感しました。名店「すきやばし次郎」で長年修業された職人さんでも腕を向上させられるのか…と、これには鮨を食べ続けている自分でも感動、感服。鮨の奥深さを実感しました。名店から独立した直後に初速が極端に速く、予約困難化する鮨店であっても、腕を上げ続けられる職人さんは決して多くありません。

筆者は、季節や時期に伴うタネの変化を見届けるために本企画を企てました。しかし、同時に、鮨の美味しさを決定するのが紛れもない人だと体感できたことは僥倖です。「鮨みずかみ」の人気も留まることを知らない状況であり、初期から応援している自分としては嬉しい限りですが、「鮨みずかみ」の人気は予約困難店のテンプレには当てはまりません。水上親方がご自身の仕事と真摯に向き合ってこられたから今の味があります。そして、名二番手の根崎正実さん、お弟子さん、女将さんの連携が「鮨みずかみ」の魅力を高め続けているのは間違いありません。「鮨みずかみ」は良きチームであると感じる鮨店です。

それでは、残すところ2回となる本企画の11月号をお届けします。

霜月(11月)の「鮨みずかみ」さんの魅力

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