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歴史が紡ぐ王道の関東風 #川豊 本店

 定期的にやってくるうなぎの欲求。振り返ると1カ月おきに摂取していることに気が付いた。前回は3/27に食べているので私の腹時計、というかうなぎ時計は結構正確だ。

 平日だったので普段は行けない人気店に行ってみることにした。川豊は成田山の参道にある老舗。テレビにもよく出るこのお店は圧倒的な人気を誇って他を寄せ付けない。向かって左側で鰻を捌き、右側で串打ちから焼きまでの一連の流れを見ることができる。

店頭では鰻を捌く過程を間近で見られる

 とにかくでっかい樹から豪快に切り出したことを想像させる作業台を一人で贅沢に使っていた。ちなみに関東(江戸)は侍の腹切りを想像させるので鰻は“背開き”で捌く文化。関西では腹から開く“腹開き”を採用しているので、捌き方でその土地が分かるのもうなぎの面白い点。更に言えば開き方によって使う包丁も変わってくるのがうなぎの奥深いところ。元々は深海魚なだけに、流石の深さだ。

上うな重(3600円)ときも吸い(150円)

 うなぎは蒸してから焼く王道の関東風、味と香りはふわっと軽いので全く食べ疲れしない。骨抜きは今までの中では最高レベルで、次から次へ客を捌く人気店でこれだけの丁寧さを保ってるんだなと感動。食べていくとうなぎの脂が少しずつ口内に蓄積し、ある一線を越えると口がフリーズする感覚。口福を感じる瞬間。

 そういえばうなぎは尻尾を最後に食べるのが通だと誰かが言っていた。別に通を目指すわけではないが、尻尾の方ほど脂が落ちる分、本来の味が感じられるというロジックだった気がする。これを聞いてからは腹側の半分だけに山椒をかけ、尻尾側は何もかけずに食べるのがマイルールになっている。

 うな重を頼めば大抵はきも吸い(うなぎの肝を入れたお吸い物)が付いてくるものだが、ここは有料(150円)。当たり前のように付いてくるものだと思っていたので仕方なく頼んだが、座席には思わぬ抜け道も用意されていた。

 インスタにタグを付けて投稿してくれたらきも吸い無料。ただし、清算済みの代金の払い戻しはできません。

 ここは1階と2階があって、なぜか1階だけ前払い制なので、私はこの抜け道に気が付かずにきも吸い代を払っていた。これから行く人たちよ、私の失敗を無駄にすることなかれ。。(たかが150円、されど150円、だってジュース買えるからね)

 お気に入りのうなぎ屋を見つけるのは、お気に入りの寿司屋を見つけるよりも難しいと思う。白焼きもあるけど基本的にはタレで食べる料理なので、違いが出るのは焼き方(炭火の香り)と味(タレ)の濃さ。素人の私にとっては些細な差で好みを選ぶには難しいけれど、関東風と関西風を何店舗ずつか食べて自分の中の理想のうなぎ像が出来上がってきた。

link here ☞ 川豊 本店


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