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おまかせ全部レビュー #いしまる
埼玉でビシッと決まった江戸前寿司を食べたい時は「いしまる」に。高価格帯のカウンター寿司では珍しく、客の訪問時間に合わせて個別で食事を始められるのが魅力です。時間指定の一斉スタートが現在の潮流ですが、親方は信念を持って個別スタイルを貫いています。
開店当初はフジタ水産の鮪を使っていること、居酒屋出身の親方が独学で握っていることばかりが注目されていましたが、最近では沼里親方の仕込みが光る実力派として知名度を上げているように思います。その証明として、食べログの百名店にも選ばれています。
先日、親方が40歳の誕生日を迎えられたとのことで、お祝いの意味も込めて仕込んであるネタ全てを握っていただきました(逆に忙しくしてしまって申し訳ない)。
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お通しの鞍掛豆はいしまるの定番メニュー。これをつまみにお酒を飲みながら親方の仕事を黙って見ている時間が好きです。
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弾力がありながら歯切れの良い食感、シャリが引き立てる白身の味わい。寿司を存分に感じられる初貫に相応しい握り。白身の王道。
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鱸とは異なるしっとりとした口当たり。昆布の風味から始まり、白甘鯛のゆっくりと押し寄せる旨味への移り変わり。高級魚らしい上品な仕事がされていた。
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白甘鯛の噛みしめる味わいから、白身の中ではかなりインパクトの強い笛鯛の脂にシフト。塩が甘みを引き立てていた。初貫から3連続で白身には驚いたが、全てに個性があって、それぞれに込められたメッセージを受け取れた気がする。
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夏の鮪で過去一だった赤身。口当たりの良い柔らかな食感と、鉄分を感じさせる爽やかな酸味。それでいて本鮪であることを忘れさせない香りを持ち合わせている。これがフジタ水産の信頼感。
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これも今まで食べた「はがし」の中で過去一だった。柔らかいを通り越して"軽い"身は一瞬でシャリと混ざり、ふんわりと香りを纏いながら消えていく。派手と言うよりは"美しい"味わい。
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すき身の量がなんとなく少なく見えるが、本鮪の力強い味と香りならこれで十分。シャリとのバランスが取れていて、「鮪は寿司になるために生まれてきた」と言われるのも分かる気がした。
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今シーズン初の新子は3枚付けから。キロ50,000円、1貫原価1,200円、販売単価2,000円の贅沢な握り。身が薄い分、酢がしっかり入り、心地良い酸を感じられた。
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新子が大きくなると小鰭、そんな出世魚の成長過程をコースで感じられた偶然の幸せ。有明産の大きくも脂のしつこくない小鰭を使用しているとのことで、新子よりも酢締めが穏やかかつ、身の質感がよく感じられた。
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きれいな味わいで、噛むほどに旨味がじわりと出てくるタイプ。お腹の美味しい部分が食べられるように半身を握っているので、今までで一番大きかった。適度な脂はシャリの酸味に寄り添い、あたり葱の香りも丁度いい。
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コースの中盤に墨烏賊を持ってくるのが沼里親方流のやり方。障泥烏賊系のねっとりした食感は嫌いなようで、墨烏賊が終われば新烏賊が出てくるまでは烏賊を出さないこだわりよう。私も烏賊はサクッと食べたい派の一人。
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いしまるではあまり扱わないレアな一貫。適度な弾力がありつつも寿司ネタとして矛盾しない程度の歯切れを持つ。噛めば噛むほどに出てくる鮑の味の濃さに驚いた。
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ここでシャリを変えたので、酸と温度が上がった。平貝の食感は小気味よく、間に挟んだ海苔の香りはシャリのあたたかさに乗って香る。海を強く想像させる1貫。
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価格高騰により1匹で1貫握れなくなってしまった故の解決策。車海老を棒寿司にするのは初めて見たが、筋肉質な身質はきちっと詰まったシャリでよく咀嚼して食べるのに向いていた。昆布の甘みが逆に車海老の旨味を引き立てている点も良かった。
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穴子や鰻のほろっと柔らかい食感とはことなり、メリハリのある弾力が特徴的だった海鰻。しっかり焼き上げているので皮はパリパリで、独特の香りもあるように感じた。
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いしまる唯一のインスタ映えとして写真を撮らせていただいた紫雲丹。現在は価格高騰の影響でコースには入らず、別料金の選択制になっている状況。
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大ぶりな紫雲丹を5枚も使った雲丹の小丼。実物を見るとかなり大量に盛られていると感じる迫力の一杯。
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燻された皮目の鋭い香りと、身から感じる赤身のフレッシュさ。かなりメリハリのある仕込みだったが、咀嚼を続けることで味と香りがまとまっていった。柔らかく、シャリとの混ざり方もかなりスムーズ。
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上に振りかけた柑橘の香りを背景に、蛤の旨味が染み出てくる。煮詰め(タレ)はかけすぎず、香りに留めているので全体のバランスを失わない。味の和音。
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舌で押しつぶせる、どろっと溶ける脂の乗った質感。締めの塩梅がかなり好みで、酸味を乗せつつ濃厚さを主役に置いた印象的な一貫。
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青魚の涼しげで爽快な香りと、脂で口内が満たされた後の温かさのような幸福感。香りや味だけでなく、温度感までも感じさせるストーリー性を持った一貫。
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コースに終わりを告げる穴子は悲しくもあり、いつも待ち遠しい気持ちにさせる。運よくお腹の部分を握っていただけたので満足してコースを終えた。
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なめこで温まる。これもいしまるの定番。
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ふわっとカステラ系の香る玉子。
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あん肝に合わせるスイーツを季節ごとに変えたり、水出しのスイーツも凝っているのがいしまるのおしゃれなところ。今回はお腹いっぱいに旨い寿司を食べられて大満足。ごちそうさまでした。
2月のいしまる↓
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