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韓国のあの味を思い出す #ヌナの家

 無性にポッサム(茹でた豚肉を他の具材とサンチュなどで巻いて食べる料理)が食べたくなってしまった。ソウル大学のヒョン(お兄さん)に韓国で奢ってもらったあの味が忘れられず、日本でもあの感動を。。と思っていたが理想の味を見つけるのは難しい。そんな矢先、職場から程近い神田の地下1階で私のポッサム探訪は一歩進んだ。新大久保のような流行りに左右されやすい繁華街より、離れた場所で粛々と営業を続けるお店の方が美味しい料理に出会える確率が高い。お腹を空かせた同僚4人で初訪問。

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 友人が肉の気分と言うので何にしようか悩んでいたところ、サムギョプサルが美味しいよとおじさん。客の会話にぬるっと入り込んで教えてくれる感じ、嫌いじゃない。ヌナ(お姉さん)というよりアジュンマ(おばさん)は手際よく肉を焼き、はさみでカットする姿が如何にも韓国らしい。脂が多いのでキムチやサンチュと食べるのが普通だが、4人に対してサンチュの量が少なかったのは残念。仕方なく椎茸や玉葱を重ねてサムジャン(合わせ味噌)で食べたが、これはこれで悪くない。

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 1ヵ月以上燻ぶらせていたポッサム欲を発散する時が来た。ポッサムと聞いて想像するのは茹で豚単体ではなく、それをキムチや他の具材と巻いた姿だが、イメージ通りサイドが充実していて嬉しい。サンチュを手に取り、優しく乗せた茹で豚の温もりを無駄にしないようにとすぐさまキムチを添えて口に放り込む。しっかり味の付いた茹で豚はとろっと解け、キムチは食感と爽快感の反作用で一口の中に均衡を保つ。包むサンチュがポッサムを作品として完成させていた。

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 まだ食べ足りず、友人が辛い物を食べたい言うのでプデチゲ(部隊鍋)を注文。駐韓米軍の援助物資に歴史を持つプデチゲにはスパムが必ず入っていて、この絶妙なジャンクさを持ったB級グルメ感がたまらない。とは言え韓国でスパムはお歳暮の常連で、軽視できない趣が染み込んでいた。

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 鍋料理は一度で終わらず、むしろ食べ終わってからが勝負。飲み切らなかったスープと掬いきれないくらいに細かくなった具材を救うべく、ご飯を投入してポックンパ(焼飯、おじや)を作る。韓国ドラマで憧れるのがまさにこのシーン、鍋の底に張り付いたポックンパをスプーンでこそげて食べる瞬間。取り皿があることも忘れて鍋に集中する姿こそ食の国・韓国。目の前の料理に没頭し、向き合う姿勢に憧れを持っている。そんな理想の姿を想像しながら、鍋の中のポックンパに視線を落とした。

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