歌舞伎町の上空でワイン #おうばん
歌舞伎町で都会の喧騒から離れる。一見すると不可能を可能にしたのがここ、#おうばん 。飲み屋街と風俗街のちょうど中間、混乱の真っ只中にありながらもビルの9階に店舗を構えることでカオスから垂直に距離を取ります。エレベーターは開くと即店内のどこでもドアスタイル。地上の騒音を振り切って足を踏み入れた先は歌舞伎町ではないどこか。ここはどこなんだと一瞬の間を置いて見えてくるのはカウンター数席とテーブル3席の落ち着いた空間。素敵です。
「今日はどんな感じにしましょう」。この店にはメニューも料理もありません。あるのは客を楽しませるための材料だけ。完全オーダーメイドの料理とワインを生み出します。「軽く炒めただけなんですけど」と言って出された料理。「だけ」の響きに何の嫌味も感じられないのがポイント。合わせるワインはフランスの白。ブルゴーニュ地方を専門に扱っているそうです(ワイン無学者の全力)。
私のような超ド級の初心者でも楽しめるのがマスターのお話、「ワインは女性と同じです」。はいはい聞いたことあるよそのセリフ、と思っていた私も、話が終わる頃にはうんうんと頷きながら聞いていました。良くも悪くも情報量が多すぎて全ては書きませんが、ワインは1本開けて初めて完成すること(グラスで頼むのではなく)、その時々のワインの表情に合わせて飲み手の歩み寄りが大事であることを強く仰っていました。そして絶対にやってはいけないのがスワリング=グラスぐるぐる。知ったふりをしてやるとすかさず注意されます(笑)。個性的なオーナーはワイン上級者の良き対話相手、ワイン初心者の頼れる先生に。
素敵な時間も終わり、エレベーターを出ると現実に。正直、歌舞伎町は好きな街ではありませんが、このお店のためなら新宿駅で降りるのも悪くないかもしれません。素敵な場所を紹介してくれた友人と、お店のオーナーに感謝です。
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