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ガトーショコラを頼んだみたいに

空港行きのバスまでに時間があったから、前から行ってみたいと思っていたカモシカ書店さんに。
紙の本の匂いに埋もれてカフェスペースがあって、小声で誰かに言いたくなる、そんな場所。

いつもと違う所に出かけた時は、顔も見たことのない誰かが薦めてくれているお店を眺めて、ここでランチを食べて、あそこでコーヒーと一緒にケーキを食べて、それと夜はどこで飲もうかなぁとか。

どんぐりブレンドとガトーショコラを頼んだ。
ケーキの中で何が好き?と聞かれたらモンブランとスポンジケーキにフルーツがたくさんのったやつ!だったりするのに、ガトーショコラを選んだのは、カモシカ書店さんのHPに人気だと書いてあったから。

誰かが撮った写真の場所へ旅行に行ったり、好きな人の好きな本や音楽を読んだり聞いたり、話題になってる映画を観に行ったり、高いところはゾワッとして、緻密なトリックの推理小説は、どーんとページを飛ばしたくなって、ミュージカルみたいなのはちょっとなぁ、という感じだから、何でも好きになるわけではないけれど。

誰かの好きを知ることは、自分の好きを知ることだったりして、そんな風に時間を重ねた先に食べたガトーショコラは、ずっしり密度があって、少し苦くて美味しかった。

誰かが通った道をこの先もキョロキョロしながら、なんとなく歩いて、なるようになっていくのかなぁなんて思う。ガトーショコラを頼んだみたいに。

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