子育て内省日記1〜過信〜

娘はおしゃべりを始めた頃から音楽が好きで、ある歳の誕生日に買ったキーボードをたたいてはよくディズニーの映画の歌を歌っていた。ある日のこと、たまたま郵便受けに入っていたピアノ教室の体験レッスンの広告を見て、娘に『ピアノの習ってみる?』と聞いてみた。すると、いつも決断が早い娘が珍しくモジモジしながら『やってみようかな。』と答えた。その日をきっかけに娘とピアノ教室に通うことになった。

問題なく体験レッスンを終え、むしろ楽しかったのか家でキーボードを触ることが増えた。週1回のレッスンが始まり、毎週順調に通い、音符を読んだり右手でドレミファが弾けるようになった頃だった。先生が変わることになった。大丈夫だろうと思っていたものの、念のため事前に娘に『来月から先生が変わるよ。最初は近くで見てるから続けて行ってみようね。』と話した。娘は少し笑いながら『うん。』とだけ返事をした。その時は娘が不安でいっぱいだったことに自分は気づいていなかった。

いよいよ新しい先生とのレッスンの日。これまで保育園で使っていたカバンにテキストを入れ、レッスンに行く準備をしていた時だった。突然、娘が『ピアノ行かない…』と言い出した。『大丈夫だよ。一緒にいるから。』と言って娘を安心させようとしたが、娘は不安が積もりに積もって、既に抑えられない状態だった。ついに泣き始め、感情を爆発させた。その日から娘の心に穏やかに寄り添う日が始まった。

比較的早くに寝返りを始め、歩き始めて間もない頃は全く怖がらずに兄を追いかけ、急な滑り台を滑っていたおてんばな娘。意志が強く、好き嫌いをはっきり主張した。そんな娘をたくましく成長してくれるだろうと期待し、正直心配はしていなかった。ところが娘はまだまだ人肌恋しく、自分を包んでほしい気持ちでいっぱいだったことにようやく気付くことになった。

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