世界の端っこの息子とわたし。
今朝、小学3年生の息子が、なんだかだるそうだった。
特に体調不良の気配はなったし、顔色も悪くない。
聞いてみたら「ねむい。」とのこと。
息子はわたしと違って早起きだ。毎日、朝に弱いわたしの目に一番に入るのは息子のいないベッド。リビングに行くとパンイチでテレビを見ている息子がいる。
今日も同じようにパンイチで寝ている息子に朝食を食べるように声をかけるが、どうやら食欲がないらしく、あまり箸が進んでいない。これはちょっと心配だ。なんといっても食べるのが大好きな息子から「食欲がない」なんて言葉が出るなんて。
息子が起きたのは5時だった。そのくらいに起きて学校に行くことは今までだって度々あったけれど、週も半ばの水曜日。きっと疲れが溜まってきたんだろう。学校に行けば友達にも会えて、今のけだるさはなくなるんだろうけど。
洗面台で化粧をしながらふと窓の外を見た。
あ。
静かに息子のもとへ行き、静かに声をかける。
「静かに。」と言って、息子を洗面台まで連れてきた。
「窓の外、見て。」
私に言われた通り、窓の外をのぞき込む息子。まだ気分は憂鬱そうだ。
息子が振り返る。その目はさっきまでと打って変わって、キラキラと輝いて、口角もすっかり上がり切っていた。
窓の外にいたのは、一羽の鳥。
鳥には詳しくないから名前も何も知らないけれど、少なくとも私は見たことがない鳥だったし、息子も名前は言わなかった。
「元気出た?」
そう聞くと息子はニッコリとほほ笑んで、ランドセルを背負い始めた。
「さっきの鳥、まだ近くにいるかなぁ。」
いるといいね、なんて言いながら、わたしは息子の後を追いかけて、家の扉を閉める。
世界の端っこにそっと添えられる、何気ない我が家の一日の始まり。
いつもとほんの少し違うだけで、なんだか世界が色付いて見えた気がしたんだ。
本日も読んでくれてありがとうございました。
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