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【小説】空から降り荒れる鉄球(1133文字)

「今日の天気予報は雨の予想です!皆さん傘を持って外出しましょうね!」
 自分は今日も何気なく明日の天気予報を見ていた。どうやら今日は雨の予想らしいぞ。自分は傘を忘れずに外へと出かけようと心に誓った。
 早速、家から外に出てみると空がやけに変な色をしていたのだ。これはすぐに降ってくるかもなあと思った。

「おっかしいな、疲れてるのかな?」
 そんな時に家の中に傘を忘れていたことに気付く。そして再び家の中に入って傘を取りに行った。

「さてと、今日も仕事だ!」
 自分に気合を注入していざ出かけようとしたその時だった。コツン…コツン…っという鈍い音がそこら中から聞こえてくるのだ。
 一体何の音なのだろうか?だがその音は何なのかすぐに分かることになる。ゴツンッ!と大きな音を立てて自分の目の前に勢いよくある物が落ちてきた。

「おっかしいな…やっぱり疲れてるのかな…?」
 そこには鉄球があった。先からゴツゴツとする音の正体は空から降ってきた鉄球が地面にぶつかっていた時の音だったのだ。
 ゴツン!ゴツン!と音を立てて周辺のあらゆる物を破壊していった。

あっ、このまま落ちてきたら死ぬかもしれない

 少し時間が経ってやっと命の危険を感じた。すぐに自分の家の中に入った。

 何が起こっているのか正直理解が出来なかった。なぜ空から鉄球なんかが降ってくるのだろうか?
 ただ分かることが1つだけある。それは空から落ちてきた鉄球に当たれば確実に死ぬということだ。
 今この瞬間にも外からゴツン!ゴツン!と地面に鉄球のぶつかる音が聞こえてくる。そのゴツン!ゴツン!と音がする度に死の恐怖がやってくる。

本当に家の中は安全なのだろうか?もしかしたら屋根を突き破って鉄球が落ちてくるかもしれない…

 鉄球が怖くてとにかく机の下に身を潜めることにした。相変わらず外からはゴツン!ゴツン!という音が聞こえてくる。まったく鳴りやまない。

今頃外では急に降ってきた鉄球の影響で何人か人が死んでいるのだろうか…?

 そう考えるとものすごく怖くなって背筋がゾクッとした。とにかく恐怖の中で音が鳴りやむのをひたすら耐えた。
 時間にして30分ぐらいだっただろうか?そのぐらいで外からゴツン!ゴツン!とした音が鳴り止んだ。だがこの30分は永遠とも感じられる時間だった。
 自分は何が起きたのかの確認のためにも外に出てみることにした。

「お、おい…嘘だろ…」
 外に出てみるとそこにはひどい光景が広がっていた。道路に何人もの人がボコボコの状態になって横たわっていた。
 もはや以前どんな顔をしていたのか分からないほどボコボコだった。そしてそこら辺の車もボコボコに瞑れていた。
 家の屋根も若干欠けてたりでボロボロになっていた。ここがこの世の地獄に感じた。

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