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背中とお腹をとりかえることはできない。

「表」とか、「裏」とか、
のことについて考えていたら、ふと、
「背に腹はかえられぬ」
ということばを思い出した。

とは言ってみても、
「背に腹はかえられぬ」
ということばを思い出したとしても、
ぼくはさ、これまで、このことばを
日常的に使ったことがないし、
そう言えば、ことばの意味もね、
あんまりわかっていないんだわ。

たぶん、たとえば、
「背に腹はかえられぬ」と言いながら、
なにかの事態に対して決断をする、
みたいな感じだとも思うけれども。
つまりはさ、でも、
「背中」と「お腹」は体の真逆についているから、
それらをくるっと入れ替えることはできない。
ってゆうことはわかるけど、そこから、
どういうふうの意味になるんだっけ?????

精選版日本国語大辞典にて、
「背に腹はかえられぬ」を調べてみると、、

同じ身体の一部でも背と腹をとりかえることはできない。大切なことのためには、他を顧みる余裕がないことのたとえ。大きな苦痛を避けるためには、小さな苦痛はやむをえない。背中に腹はかえられぬ。背より腹。

‥‥と記されているのですが、
語句の説明を読んでも、いまいち、
具体的にはよくわからなくって。

たとえば、なんでしょうか、
「背中」と「お腹」をとりかえるのは
一大事なことだから、それに比べたら、
もう、この方法をとるしかない。
みたいな感じなんだろうかなあ。
いや、でも、なんだかうまく言えないな。

ぼくにはおそらく、そういうような
「背に腹はかえられぬ」という事態って、
なかなか、なかったようにも思われるし。
そして、さらにはさ、
「背に腹はかえられぬ」とは、どことなく、
痛い、というか、
恐い、というか、
むごい、というか、
おぞましい、というか、
凄みがある、というか、
なんとなくそんなような雰囲気も感じられる。

「背に腹はかえられぬ」の如く、
「腹」の字が入ることばって
他にもいろいろあると思うんですが、
どれもなんだか、そんな、
凄みがあるような気がするの。

たとえば、
「腹が立つ」とか、
「腹が据わる」とか、
「腹がよじれる」とか、
「腹が煮えくり返る」とか、
「腹に納める」とか、
「腹を抱える」とか、
「腹を決める」とか、
「腹をえぐる」とか、
「腹を探る」とか、
「腹を括る」とか、
「腹を割る」とか、などなど。

こうしてことばを見るだけでも、
「腹」って、
身体の中でも、そして、
人間としても、
重要な部分なんだろうと思うのよね。

冬でも、夏でも、どんなときでも、
背中とお腹はそのまま、
お腹は冷やさず、
背中はいたわり、
大事にしてゆきながら、
どうか、健康であれたい。

令和4年7月17日


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