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大全集無視の戦闘力考察③~ナッパ戦~【ドラゴンボール考察】

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前提

  • ドラゴンボール大全集やその他設定資料、アニメ版、劇場版、ゲーム作品、超などの続編作品、鳥山先生の談話等は無視し、原作漫画版の描写のみを正とする。(ただし、作中に判断材料が無い場合は参考に用いる)

基準

  • 全く手も足も出ず瞬殺される場合は1.8倍以上の差があるものとする。

  • ある程度戦えてはいるが勝ち目が薄いと思われる場合は1.4倍の差があるものとする。

それでは引き続き、ナッパ戦の戦闘力を考察していきたい。


界王拳未使用悟空の戦闘力

まず基準となるのは実際にスカウターで計測されている悟空の値である。

出典:ドラゴンボール完全版15巻

「8000以上」と言及されているが、実際にどのくらいの値だったのかはわからないため、描写から推測していきたい。

劇中では悟空は気を高め、

出典:ドラゴンボール完全版15巻

ベジータがスカウターで8000を観測した後、

出典:ドラゴンボール完全版15巻

以下の2コマを経て気合を入れるのを止めている。

出典:ドラゴンボール完全版15巻
出典:ドラゴンボール完全版15巻

8000を観測してから気合を入れ終えるまでは10~15秒程度だろうか。
また、この計測の前に悟空が移動している最中、ベジータは5000程の戦闘力を計測している。

出典:ドラゴンボール完全版15巻

そしてさらに歩いている最中にも戦闘力の増加を検知している。

出典:ドラゴンボール完全版15巻

つまり、ベジータは悟空が到着時点で5000であること、歩いている最中にも増加していることを知っていた。

その後、ベジータは戦闘力増加にイラつきながらスカウターを握り潰したが、もし悟空が気合を入れる前の段階で既に6000程度を観測していたとすると、そこから2000増えた程度なら想定の範囲内だっただろう。地球人が戦闘力を変化させることはベジータも知っているのだ。
この場面はそうではなく悟空の戦闘力が8000を超えても止まる気配が無かったからこそベジータはイラついたのではないか。

しかし一方で、スカウターで8000を計測してから悟空が気合を入れ終えるまでの時間はせいぜい10秒~15秒程度だった。その短時間で1万を超えていたかというとそれも微妙なところだろう。

以上を踏まえ、気合を入れた悟空の戦闘力は8000より上だが1万まではいかない値と想定し、悟空の戦闘力は9500と結論づけたい。

ナッパの戦闘力

次はその悟空と相対するナッパの戦闘力を考えてみたい。戦闘描写を見てみよう。

出典:ドラゴンボール完全版16巻

ナッパの攻撃は全く当たっておらず、スピードの差は歴然だ。
悟空は「チャオズのうらみ」「ヤムチャのうらみ」「天津飯のうらみ」「ピッコロのうらみ」と4発の攻撃を直撃させる。しかしナッパもそこまで大きなダメージは食らっておらず、悟空もそのタフさに感心するほどだった。

なるほど とんでもねえタフさなのはさすがだな!

出典:ドラゴンボール完全版16巻

そしてベジータに一喝されて冷静さを取り戻したナッパは、悟空の攻撃を躱して格闘の応酬をするなど、ある程度は戦える様子も見て取れた。

出典:ドラゴンボール完全版16巻

この時の悟空はまだ本気では無いが、心情的な面を考慮しても手加減はしていないだろう。ナッパは悟空に瞬殺されるほど差が大きいわけではないと思われる。

そしてもう一つ参考になるシーンとしては、ナッパを一喝したベジータのセリフが挙げられる。

おろかものめ!!!!アタマをひやせ ナッパ!!!!
冷静に判断すればとらえられんようなあいてではないだろう!!!おちつくんだっ!!!!

出典:ドラゴンボール完全版16巻

ベジータはナッパの戦闘力は知っているだろうし、悟空の戦闘力(8000を大きく上回る)も知っている。
そのベジータが「とらえられんようなあいてではない」と断言しているということは、ナッパは悟空にダメージを与えられる程度の戦闘力は持っているということの裏付けになる。

一方で、ベジータは「勝てないあいてではない」とまでは言っておらず、あくまで「とらえられんあいてではない」だ。ナッパは「悟空にダメージは与えられるはずだが、勝てる見込みは薄い」程度の差だったと考えられる。

以上の描写から、ナッパと悟空は「勝ち目が薄い基準」となる1.4倍を少し上回る差、1.5倍程度の差と考え、ナッパの戦闘力は6300としたい。

天津飯との力の差

このナッパの6300を元に、その前の戦いを少し振り返ってみたい。

まずは天津飯。ガードする手が弾け飛ぶという原作リアタイ勢に最大級の衝撃を与えた描写を含み、たった2撃で瀕死の状態となった。

出典:ドラゴンボール完全版15巻
出典:ドラゴンボール完全版15巻

天津飯の戦闘力は以前の考察で1740と想定しているが、ナッパの6300とは3.7倍の差になる。そして死に際に放った気功砲でもかすり傷程度のダメージしか負わせられなかった。

出典:ドラゴンボール完全版15巻

この時瀕死の天津飯に残っていた気を仮に700とすると、6300の相手にかすり傷をつける気功砲は攻撃力ベースで3倍の2100くらいだろうか。チャオズの自爆に耐えた戦闘服もボロボロになっており、そのくらいはあってもおかしくないだろう。
そしてその倍率に沿えば、もし天津飯が万全の状態で気功砲を放っていれば3倍で約5300になる。直撃ならナッパもかなりのダメージを受けたはずである。
結果論だが気功砲という最大火力を保持している天津飯を最初に片付けたのは好判断だったと言えそうだ。

チャオズの戦闘力

次はその自爆したチャオズである。
戦闘描写は自爆以外に無く、自爆でどの程度ダメージを与えたかのみが判断材料だが、ナッパには全く効かなかった。

出典:ドラゴンボール完全版15巻

戦闘服も無傷であり、瀕死の天津飯の気功砲より自爆の攻撃力が低かったことは確実と言えそうだ。

サイヤ人の戦闘服はラディッツ戦、1330の魔貫光殺砲によって「かんたんに」貫かれている。魔貫光殺砲が貫通力に長ける技であったにしろ、全く破壊できなかったチャオズの自爆が1300より高かったとも考えにくい。
生命力をすべて使った攻撃で1300未満の攻撃力とすると、チャオズの戦闘力はその半分以下、600程度になるだろうか。
大全集の公式数値が610だが、あえて否定する材料も無いため、チャオズの戦闘力はそのまま610と想定したい。

ピッコロの戦闘力

最後に前回保留としていたピッコロの戦闘力を考えていきたい。
ナッパとピッコロは格闘の応酬をする場面はなく、単発の攻撃のやりとりのみになる。
最初に攻撃を食らわせたのは不意打ちでの肘打ちだ。

出典:ドラゴンボール完全版15巻

深くダメージを負った様子は無いが、ナッパは口から出血している。ある程度は効いていると考えて良いだろう。

出典:ドラゴンボール完全版15巻

次の攻撃はこれまた不意打ちのエネルギー波だった。

出典:ドラゴンボール完全版15巻

ナッパの背中は焼けており、かなり痛がっている。

出典:ドラゴンボール完全版15巻

こちらも大きなダメージでは無いものの、多少は効いていると思われる。ピッコロの攻撃はナッパにわずかながらでもダメージを与えられると見て良いだろう。

逆にピッコロが食らった攻撃は、しっぽを掴んだ際の肘打ち、悟飯を庇ったエネルギー弾の描写の2撃である。

出典:ドラゴンボール完全版15巻

肘打ちは一発で気絶しているが、油断をしていたところの急所への不意打ちのため、どう判断するかが難しい。(しかしお互い不意打ちばかりだ)
悟飯を庇った際は一撃で死亡してしまったが、ここはむしろ消し炭にならずに守りきったことを評価すべきだろう。

出典:ドラゴンボール完全版15巻

これらの描写から総合すると、ピッコロとナッパは相当な差があるのは間違いないが、具体的にどのくらいの差なのかを考えるにはまだ材料が足らないため、他のシーンも探してみたい。

参考になりそうなのはこちらのシーン。ピッコロは悟飯に対し、「その気になればパワーは上だ」と発言している。

出典:ドラゴンボール完全版15巻

実際、ピッコロは悟飯との修行中に「その気になった」場面も目撃しており、この発言の信憑性はあると言えるだろう。

出典:ドラゴンボール完全版14巻

そしてピッコロの死に怒った悟飯の戦闘力は2800だった。

出典:ドラゴンボール完全版15巻

実際に「その気になった悟飯」が2800なのだからピッコロは2800以下、と言いたいところではあるがちょっと待ってほしい。
この魔閃光はナッパに弾き返されているが、その際の威力を見てみよう。

出典:ドラゴンボール完全版15巻

ナッパの数十メートル先を広範囲に爆破しているが、前述のの「その気になった」際は数百メートル先まで大地をえぐっている。こちらのほうがかなり規模が大きいように思える。

出典:ドラゴンボール完全版14巻

ナッパが弾き返した時はエネルギーが地下に逃げたとも考えられるが、それを踏まえてもさすがに差があるだろう。

この描写から考えると、悟飯の魔閃光は本来の潜在能力は発揮できず、威力が弱かったのではないだろうか。

直前にナッパから攻撃を受けたダメージがあったとも考えられるし、悲しみや自責の念が怒りを上回って力が引き出せなかったとも考えられる。いずれにせよ悟飯は以前ピッコロに見せたほどの力は発揮できなかったのだ。ピッコロが2800より下と断言はできないだろう。

ここで悟飯の魔閃光が力を引き出せていなかったとすると、ピッコロの戦闘力考察はまた振り出しに戻ってしまう。
悩ましいところだが、ピッコロはサイバイマンを大圧倒して倒していることから、同じように大圧倒したナッパと天津飯の差が参考になるだろうか?
本考察ではナッパと天津飯の差は3.7倍と想定しているが、同じようにサイバイマン(実効戦闘力870)とピッコロを3.7倍の差とすると、ピッコロの戦闘力は3200になる。

これはなかなかいい感じではなかろうか。ただ3200だとナッパとの差が2倍未満に収まってしまうが、劇中描写だともう少し差があるようにも思える。
あまり明確な根拠はないが、少しバランスを取ってピッコロの戦闘力は3000でどうだろうか。3000ならナッパとの差は2倍強になり、劇中描写の肌感としても合うだろう。

少々強引な結論ではあるのだが、ここではピッコロの戦闘力は3000と想定したい。

まとめ

悟空(界王拳未使用) 9500
ナッパ 6300
ピッコロ 3000
チャオズ 610
天津飯(瀕死) 700 → 気功砲は2100相当の攻撃力
悟飯(魔閃光) 2800 ※真の力には及んでいない


参考:大全集等の公式数値
悟空 8000
ナッパ 4000
ピッコロ 3500
悟飯 2800
チャオズ 610

大全集の値ではよく「ナッパの戦闘力低すぎ」「ピッコロと近すぎ」と言われているのだが、それはそのとおりだろう。4000と3500というのは描写からすると全くあり得ない数字である。
この時のナッパは本当に強大な敵だった。本考察くらいの差のほうが肌感に合うのではないだろうか。

余談

  • あまり続編アニメやゲームのIFストーリーで優遇されていないナッパだが、スマホゲーム、「ドラゴンボールレジェンズ」では、主人公シャロットの序盤の師匠、「ナッパのおっさん」として意外な面倒見の良さを見せ、退場した後も主人公の精神的な支えになるなど恵まれた扱いになっている。また、ゼノバース2でも師匠キャラで登場しており、ナッパ=師匠のイメージが定着しつつある(かもしれない)。

  • 同じく、ドラゴンボールレジェンズでは一時期ナッパが最強クラスのキャラとしてオンライン対戦で頻繁に使われていたことがあった。また、若い頃の髪があるナッパにフューチャーしたイベント「エリートファイターN」が開催されるなど、ナッパフリークにはたまらないゲームになっている。


次回、ベジータ戦に続く。


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