大全集無視の戦闘力考察②~サイバイマン戦~【ドラゴンボール考察】
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前提
ドラゴンボール大全集やその他設定資料、アニメ版、劇場版、ゲーム作品、超などの続編作品、鳥山先生の談話等は無視し、原作漫画版に描かれているもののみを正とする。(ただし、作中に判断材料が無い場合は参考に用いる)
基準
全く手も足も出ず瞬殺される場合は1.8倍以上の差があるものとする。
ある程度戦えてはいるが勝ち目が薄いと思われる場合は1.4倍前後の差があるものとする。
それでは引き続き、サイバイマン戦の戦闘力を考察していきたい。
サイバイマン戦の戦闘力考察
スカウターで計測された戦士たちの戦闘力は以下のとおり981、1220、1083である。
1220は立ち位置が真ん中のピッコロで確定だろう。
残りはどっちがクリリンでどっちが悟飯なのかは原作では判別できないが、アニメ版では悟飯が981となっている。本稿ではアニメ版は考慮しないが、あえて逆にする理由も無いため、ここでは順当にクリリンが1083、悟飯が981としたい。
そして彼らと戦うサイバイマンの戦闘力は1200と言及されている。
ただこのサイバイマンの戦闘力、本当に1200かというと少し疑問が残る。根拠としては、クリリンの拡散エネルギー波のシーンだ。このシーンではクリリンは全力で気功波を放ち、それを6発に分離、直撃したサイバイマンはいずれも1撃でバラバラになっている。
クリリンは気功波のスピードを犠牲にして威力を高めており、戦闘力以上の威力は出ていたと思われるが、それでも6分割である。1撃で1200の相手をバラバラにするほどの攻撃力があったとは考えにくい。
また、クリリンは悟飯が魔閃光を放つシーンの戦闘力2800に驚愕しており、この反応からすると、クリリンが拡散エネルギー波を放った際の戦闘力は2800よりかなり下だったと想定される。
クリリンは2800より下(2000以下程度)なのに、6分割の気功波で1200のサイバイマンを一発でバラバラにした、という事実が存在する。これらに辻褄が合うように考えると、恐らくサイバイマンは、「守備力やスピードは低く、攻撃力のみ戦闘力1200相当」なのではないだろうか。
ナッパの「パワーだけならラディッツと匹敵」という発言からも裏付けられるが、サイバイマンはかなり脆いのだ。サイバイマンは1200相当の気を持ってはいるが、それを攻撃以外にはうまく使えないのである。
そのため、この後の地球の戦士たちの戦闘力考察では、サイバイマンの戦闘力を1200ではなく、ある程度割り引いて考えていきたい。具体的にどの程度割り引くかについては、かなり勘含みにはなってしまうが870でどうだろうか。
計算としては、仮にクリリンの拡散エネルギー波時の戦闘力が1800だったとした場合、6分割で一人あたり300相当。
ただ気を溜めた全力の気功波は格上でも通用する描写(※ファイナルフラッシュ、瞬間移動かめはめ波等)もあるため、戦闘力300の全力の気功波の直撃で倒せる相手は1.8倍の540までと考えて、サイバイマンの守備力は540相当とする。そして、攻撃力の1200と守備力の540の中間の値で870だ。
かなり強引であることは承知しているが、サイバイマンが本当に1200相当の強さがあったかというと疑わしい部分もあるため、本考察ではサイバイマンの実効戦闘力として、この870を採用して話を進めたい。
次に、各戦士たちを戦闘描写から比較していこう。
まずは天津飯について。
掌底で一発、肘打ち一発でKOだ。サイバイマンは死んではいなかったがしばらく立ち上がれず、天下一武道会なら10カウント負けだっただろう。
このサイバイマンは天津飯を舐めてかかっているが、それを差し引いてもかなりの圧倒っぷりになる。ただし、2撃を受けても立ち上がれたことからすると、差が1.8倍を大きく超えるとまではいかないだろうか。ここは決めとして2倍と考え、天津飯の戦闘力は1740としたい。
続いてヤムチャの描写だ。
天津飯の時と異なり、サイバイマンも割と戦えている。
そしてサイバイマンの抱きつきを躱し、
かめはめ波でフィニッシュ。
この後ヤムチャは不意打ちの自爆によって敗北するが、戦闘自体は完勝と言えるだろう。ただ内容としてはサイバイマンもそこそこ戦えており、天津飯ほどの差は無いと思われる。
ここでは1.4倍より上かつ1.8倍よりやや下の1.6倍の差とし、ヤムチャの戦闘力は1400と考えたい。
そしてクリリンについては先程1800と仮定しているが、他とのバランスを踏まえてもそのまま1800で良いだろう。
天津飯の1740を少し上回ってしまうが、クリリンは気のコントロールに長けた戦士である。気功砲でほぼ無傷だったナッパに気円斬で傷を負わせているし、格闘でもダメージは与えられなかったものの吹っ飛ばすことには成功している。
これらの描写からすると、天津飯と同格以上であってもさほど違和感は無いだろう。
最後にピッコロである。
天津飯以上の大圧倒、全く相手になっていない。感触的には最低でも2.5倍の2200以上はあるだろうか。圧倒しすぎてこの場面では戦闘力の想定が難しいため、ピッコロはナッパ戦の描写で改めて考察をしたい。
まとめ
公式値とかなり近い値になったが、恐らく大全集の著者もサイバイマンの1200を基準に考えていたはずなので、ここは誰が考えてもさほど差が出ないところだと思われる。
何故みんなこんなに強くなったのか?
さて、ある意味ここからが本題なのだが、地球の戦士たちは軒並み戦闘力が想定1000台後半まで強くなっている。彼らはみなラディッツ編での悟空、ピッコロを大きく上回っている状態だった。
彼らは神様の元で1年間修行をしているが、悟空も同じように修行をしているし、何なら悟空は3年もいたわけで、1年しか修行をしていない彼らが圧倒的に強くなったことには違和感がある。
個人的にはこの描写は元々矛盾(考察の余地)が多いドラゴンボールの中でも特に説明が難しい描写だと思うのだが、いくつか辻褄が合うような説を考えてみたい。
①実は悟空・ピッコロとラディッツは強かった説
悟空とピッコロはかめはめ波、魔貫光殺砲のタイミングで924、1330に戦闘力を上げているが、実はその時の戦闘力が本来の力であり、400という数値は気を抑えた状態だった、という説だ。
しかしこの説だと2人がかりでラディッツに圧倒された描写に説明がつかなくなってしまうので、ラディッツも実はかなり強かった(2000以上あった)と考えるしかない。ただそうすると今度は悟飯の1307の突進での大ダメージや、「パワーだけなら匹敵する」サイバイマンの1200との整合性が取れなくなってしまう。
悩ましいところだが、ラディッツは実はスピードタイプで戦闘力(気)をスピードに全振りしており、攻撃力や守備力は戦闘力値よりも弱かったと考えれば納得はできるだろうか。不自然さは残るが、一定の筋は通った考え方と思われる。
②気のコントロール手法がアップデートされたから説
これは神様が戦闘力の変動に驚くラディッツの様子をヒントに、より効率よく気を増幅させられるコントロール方法を編み出してみんなに伝授したという説だ。
確かにラディッツ編では気功波を放つ一瞬だけ気が増幅する描写があるが、それ以降、悟飯の魔閃光を最後にその描写は無くなる。そして代わりに戦闘前に気合を入れることで、気を開放する描写が多くなされるようになる(まるで界王拳のように)。
この「気の開放」がラディッツ後の修行中のタイミングで編み出され、それを使えるようになったから(当時の)悟空を大きく越えることができた、とすれば、彼らが異常に強くなったことにも納得性がある。
ただそうすると神様の元で修行していないピッコロ(と悟飯)も、同時に同じ手法に辿り着いたことになってしまうのだが、まぁ神様とピッコロは元は一つだし、どこかが通じていてもおかしくはない。
後の話の筋からするとこの説が一番スマートなのだが(それでも強くなりすぎだが)、筆者の感情としては、やはり悟空とピッコロが容易に超えられたと思いたくない気持ちもあるのである。
③気のコントロールができていたのは実は悟空とピッコロだけだった説
②とは逆のパターンになる。悟空とピッコロ以外の戦士は戦闘力のコントロールが実はできず、ナッパの計測したクリリンの戦闘力1083が気の上昇限界値だった、という考え方である。
確かに劇中、クリリンや天津飯の戦闘力が上がったことを具体的に検知する描写は無く、彼らが戦闘力のコントロールをできていたかどうかははっきりとはわからない。
ただそうすると1083のクリリンが1200のサイバイマンを一掃した描写に説明がつかなくなるのだが、そこはサイバイマンの守備力が本考察で述べたよりもさらにめちゃくちゃ低かった、ということすれば納得できなくもない。
少々厳しい部分もあるが、一応筋は通っていると言えなくもないし、この考え方に沿えば悟空とピッコロの全力は1300以上だったことになるので(魔貫光殺砲の1330基準)、クリリンたちより上になる。悟空とピッコロ、そしてそれを圧倒したラディッツの面目も躍如である。
説③を採用した場合の想定戦闘力
一応他にも、実は精神と時の部屋に入っていた説や、スカウターの型番が違うので単位が異なっている説なども考えられるが、それらはさらに苦しいかもしれない。
話の流れ的には②が妥当なのだが、筆者の個人的な感情としては「③気のコントロールができていたのは実は悟空とピッコロだけだった説」を推したい。
クリリンやヤムチャが1年の修業で悟空とピッコロ、ラディッツをあっさり超えたというのはやはり納得しにくい部分であり、希望的観測も含めてこの説が一番好みなのである。
ということで、もし③の説を採用した場合の想定戦闘力一覧も以下にまとめてみる。
ピッコロは1330の魔貫光殺砲時に片腕を失っていたため、万全であれば1500と想定し、悟空はそれよりやや上の1550に設定。(※悟空に魔貫光殺砲の攻撃力は出せなかっただろうが、あれは1点に集中して貫通力を高めている技なので、気の上昇自体は同じくらいできたと想定)
ラディッツはその1.5倍で2300。
天津飯、ヤムチャはクリリンの1083を基準に考察と同程度の幅に設定した。
もしも、サイバイマンの戦闘力が一切言及されなかったとすると、感覚的にはいずれもこのくらいになるのではないだろうか。
悟空とピッコロは1年後のクリリン達の1.5倍くらい強く、ラディッツも彼らを屠れるくらいには強かった、というのは描写的にもしっくりくる。
劇中描写に正しく沿った値では無いため、本考察で採用はしなかったが、筆者としては本当はこうであってほしいと思うのである。
次回、ナッパ戦に続く
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