大全集無視の戦闘力考察⑤~ナメック星序盤(ドドリアまで)~【ドラゴンボール考察】
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前提
ドラゴンボール大全集やその他設定資料、アニメ版、劇場版、ゲーム作品、超などの続編作品、鳥山先生の談話等は無視し、原作漫画版の描写のみを正とする。(ただし、作中に判断材料が無い場合は参考に用いる)
基準
全く手も足も出ず瞬殺される場合は1.8倍以上の差があるものとする。
ある程度戦えてはいるが勝ち目が薄いと思われる場合は1.4倍の差があるものとする。
それでは引き続き、ナメック星序盤の戦闘力について考察していきたい。
ベジータとキュイ
まず明確になっているのはベジータの戦闘力である。こちらはスカウター計測で24000ということが明らかになっている。
また、そのベジータに瞬殺されるキュイは上述の「圧倒できる戦闘力差とは?」の考察で16500程度(全力のエネルギー波を外した後は13750程度まで低下)と推測済のため、本稿では割愛したい。
このベジータの24000を基準に、戦闘描写からドドリアの戦闘力を推測していこう。
ドドリアの消耗
まずザーボンとドドリアはベジータに対し「われわれの戦闘力を上回る」と発言している。
この表現から、ザーボン、ドドリアともに24000より下なのは確定で良いだろう。またこの前後のやりとりではベジータが格下だったニュアンスも含まれるため、18000より上なのも確実と言えそうだ。彼らは18000以上、24000以下と推測される。(しかしザーボンは本当は格上なのに名演技である)
次にベジータとドドリアの戦いを見ていきたい。まずベジータはドドリアに不意打ちを仕掛ける。
ベジータは水中から上がってくるドドリアを待ち構えて挑発。激昂したドドリアは激しくエネルギー波を叩き込むが、ベジータは無傷で背後に回り込む。
そしてドドリアの攻撃を軽く受け止め、背後から両手を絞り上げ、
一旦あえて手を離すが、逃げようとするドドリアをエネルギー波で消し去る。
内容的にはベジータの完勝と言えるだろう。相当な力の差があるように見える。だがドドリアがこれほどあっさりやられるくらい弱かったのかといえば、そうとも言い切れないだろう。
これはキュイの考察と同じ内容になるが、ドドリアは初手で全力のエネルギー波を連続で放っており、これによってある程度気を落としていたのではないだろうか。
かなり激しく放っており、これだけ無駄に気を消費してしまえば格上のベジータとは勝負にならないだろう。
ただ、消耗していなかったらいい勝負ができたのかと言うとそれも違うように思える。ここでは消耗前と消耗後と両方でどの程度差があったのか、具体的な描写から考えていきたい。
ベジータを異常に恐れるドドリア
以下はドドリアがベジータと最初に相対した際のシーンになる。(エネルギー波による消耗の前)
強い言葉で脅しているが、言葉と裏腹にかなり焦って腰が引けている。まるで敵わない相手と出会ったかのようだ。
この時のドドリアはベジータの戦闘力が自分を上回る24000であることを知っているが、逆に言えば24000しかないことも知っている。もしドドリアの戦闘力が2万を超えているとすれば差は1.2倍弱しかなく、本来はそこまで極端に恐れるほどの差ではないはずなのだ。
そして当のベジータもこのようなことを言っている。
この時のベジータは、「単独ならなんとかなりそう」と言っている。相手にならないというような表現ではなく、あくまで「倒せるだろう」程度のニュアンスだ。
この表現からするとベジータはドドリアを、倒せる自信はあるがそう簡単でもない=ある程度実力が近い相手と思っていた可能性が高い。
しかしベジータと対峙するドドリアは焦り、必死にベジータを追い払おうとしていた。彼らの態度には差が生じているのだ。
この差異に辻褄が合うように考えると、ドドリアはベジータの知っているドドリア(=惑星フリーザにいた頃)よりも弱くなっていたと考えられるだろう。
後のベジータのセリフ、「自慢のパワーもなまけていたせいでこのざまだぜ」でも裏付けられるが、ドドリアはベジータが知っている頃より弱体化していたのだ。
しかし気の読み方がまだ未熟なベジータはそのことに気づいておらず、ドドリアは弱体を悟られないように強い態度を取り、戦いの消耗を恐れて去ってくれることを期待したのだと思われる。※ベジータはスカウターを忌避しており、事前に戦闘力を測ってはいなかったはず。
ドドリアの戦闘力
それではここまでのことを踏まえて具体的な戦闘力について考えてみたい。
ドドリアは消耗前の段階でもベジータに勝てる見込みが無い程度の強さだったとすると、戦闘力は18500程度だろうか。
18500なら24000のベジータとは1.3倍強の差になる。1.3倍差は本考察での2倍界王拳悟空とベジータの差と同じであり、1.3倍強なら「まるで敵わない相手」と判断していてもおかしくないくらいの差だろう。
また、エネルギー波の消耗については、キュイと同程度、元の6分の1程度の消耗だったと想定すると、消耗後ドドリアの戦闘力は15400となる。15400だとベジータとの差は1.5倍超まで開く。
実際に消耗後のドドリアはあっさり殺されることを覚悟しており、この程度の差はあったと見ても違和感は無いだろう。
しかしベジータは強いとはいえ24000である。消耗前のドドリアならば戦い方によっては時間を稼げただろうし、粘れば爆発音などで救援が来た可能性も高い。
キュイもそうだったが、恐怖に駆られて迂闊な戦い方をしたとも言えるし、逆に言えばそのように仕向けたベジータの心理戦が見事だったとも言えるだろう。
ナメック星到着時の悟飯・クリリン
次にあまり材料は乏しいのだが、ナメック星到着時の悟飯とクリリンも考察してみたい。
彼らは偵察に来たフリーザ軍の雑兵を一撃で倒している。
この時の戦闘力はザーボンによって計測され、2人共1500程度とされていた。
ただこの時の二人は戦闘前に相手を「たいしたヤツじゃない」と評価しており、描写からも全力は出していないと思われるため、サイバイマンを6分割エネルギー波で倒した実績があることも考慮すると本気を出せば1500よりもっと上と見て間違いないだろう。
ではどこまで上だったのか。参考になる描写を探すと、戦闘力3000(スカウター計測)のナメック星の若者がフリーザ軍相手に戦うシーンが挙げられる。
このシーンではクリリンは「すげえ!!」と言及している。
この一言で判断するのは早計ではあるが、彼らの力に軽く驚く描写からすると、二人は3000よりは下の可能性が高いのではないか。
しかしその一方で驚くと言っても軽くであり、過度に驚いてはいない。3000という数値は想定の範囲内であって、彼らの力もそこまで遠く離れてはいないものと推測する。
これらの描写から、根拠は少し弱いが悟飯、クリリンは2000以上、3000未満程度ではないだろうか。ここでは決めとして、2300~2500程度と考えたい。
まとめ
公式値ではドドリアは22000とされているが、やはりこれだけの戦闘力があるのならベジータにあれだけ怯えるのは不自然であり、もっと離れていたと考えたほうが妥当だろう。
余談
キュイ、ドドリアともに初手から全力でエネルギー波を叩き込む戦法を取っているが、これはリクーム戦のベジータも同じことをしている。ジリ貧になる前に一発に勝負をかけるというのはフリーザ軍において格上と戦う際のセオリーなのだろう。
ナメック星の若者はドドリアに対し「われわれ3人にきさまがかなうとおもうか!」と発言しており、ドドリアの力を把握できていない様子だった。彼らは気のコントロールはできるが、気を読むことはできないようである。
フリーザ軍が平和なナメック星人の村を襲う描写はかなり丁寧に、そして残酷に描写されている。まずは戦える者を虐殺、そしてドラゴンボールを渡せば何もしないという約束を一面的な理由で破り、残りの村の場所を吐かなければ子供たちを殺すと脅迫する。断られるとフリーザは逃げる子供(カルゴ)を背後から撃ち抜いて殺し、そして一人残され泣いて逃げるデンデにドドリアが立ちふさがる。このシーンは大人になってから読むとかなり胸に来るものがあり、改めて鳥山先生の読者心理をコントロールする巧みさを感じる場面だった。
次回 ナメック星中盤へ続く
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