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大全集無視の戦闘力考察⑤~ナメック星序盤(ドドリアまで)~【ドラゴンボール考察】

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前提

  • ドラゴンボール大全集やその他設定資料、アニメ版、劇場版、ゲーム作品、超などの続編作品、鳥山先生の談話等は無視し、原作漫画版の描写のみを正とする。(ただし、作中に判断材料が無い場合は参考に用いる)

基準

  • 全く手も足も出ず瞬殺される場合は1.8倍以上の差があるものとする。

  • ある程度戦えてはいるが勝ち目が薄いと思われる場合は1.4倍の差があるものとする。

それでは引き続き、ナメック星序盤の戦闘力について考察していきたい。


ベジータとキュイ

まず明確になっているのはベジータの戦闘力である。こちらはスカウター計測で24000ということが明らかになっている。
また、そのベジータに瞬殺されるキュイは上述の「圧倒できる戦闘力差とは?」の考察で16500程度(全力のエネルギー波を外した後は13750程度まで低下)と推測済のため、本稿では割愛したい。

このベジータの24000を基準に、戦闘描写からドドリアの戦闘力を推測していこう。

ドドリアの消耗

まずザーボンとドドリアはベジータに対し「われわれの戦闘力を上回る」と発言している。

出典:ドラゴンボール完全版17巻

この表現から、ザーボン、ドドリアともに24000より下なのは確定で良いだろう。(しかしザーボンは本当は格上なのに名演技である)
またこの前後のやりとりでは当時のベジータが格下だったニュアンスも含まれるため、彼らは18000より上なのも確実と言えそうだ。

次に具体的にベジータとドドリアの戦いを見ていきたい。
まずベジータはドドリアに不意打ちを仕掛ける。

出典:ドラゴンボール完全版18巻

ベジータは水中から上がってくるドドリアを待ち構えて挑発。激昂したドドリアは激しくエネルギー波を叩き込むが、ベジータは無傷で背後に回り込む。

出典:ドラゴンボール完全版18巻

そしてドドリアの攻撃を軽く受け止めた後に、背後から両手を絞り上げる。

出典:ドラゴンボール完全版18巻

一旦わざと手を離して情報を引き出した上で、逃げようとするドドリアをエネルギー波で消し去った

出典:ドラゴンボール完全版18巻

内容的にはベジータの完勝と言えるだろう。相当な力の差があるように見える。だがドドリアがこれほどあっさりやられるくらい弱かったのかというとそうとも言い切れない。

これはキュイの考察と同じ内容になるが、ドドリアは初手で全力のエネルギー波を連続で放っており、これによってかなり気を落としていたのではないだろうか?

出典:ドラゴンボール完全版18巻
出典:ドラゴンボール完全版18巻

相当に激しくエネルギー波を放っており、これだけ無駄に気を消費してしまえば、格上のベジータとはさすがに勝負にならないはずだ。

ただし消耗していなかったらいい勝負ができたのかと言うと、それも違うように思える。
ここでは消耗前と消耗後と両方でどの程度差があったのか、具体的な描写から考えていきたい。

ベジータを異常に恐れるドドリア

以下はドドリアがベジータと最初に相対した際のシーンになる。(エネルギー波による消耗の前)

出典:ドラゴンボール完全版18巻

強い言葉で脅しているものの、言葉と裏腹にかなり焦って腰が引けている。相当にビビっており、全く敵わない相手と出会ったかのような反応だ。

この時のドドリアはベジータの戦闘力が24000であることを知っているが、逆に言えば24000しかないことも知っている
もしドドリアの戦闘力が2万を超えている(例えば21000程度)とすれば、差はわずか1.15倍程度しかなく、そこまで極端に恐れるほどの差ではないはずだ。

そして当のベジータもこのようなことを言っている。

きさまとザーボンはいつもフリーザとつるんでやがるからな
単独になるのを待っていたんだ
フリーザさえいなければなんとかなりそうだからな

出典:ドラゴンボール完全版18巻

この時のベジータは、「単独ならなんとかなりそう」という言い方をしている。”ドドリアなど相手にならない”という表現ではなく、あくまで「倒せるだろう」程度のニュアンスだ。
この表現からするとベジータはドドリアを、倒せる自信はあるがそう簡単でもない=ある程度実力が近い相手と思っていた可能性が高いだろう。
しかしベジータと対峙するドドリアは焦り、必死にベジータを追い払おうとしていた。彼らの態度には差が生じているのである。

この差異に辻褄が合わせると、ドドリアはベジータの知っているドドリア(=惑星フリーザにいた頃)よりも弱くなっていたということだろう。
後のベジータのセリフ、「自慢のパワーもなまけていたせいでこのざまだぜ」でも裏付けられるが、ドドリアはベジータが知っている頃より弱体化していたのだ。

しかし気の読み方がまだ未熟なベジータはそのことに気づいておらず、ドドリアは弱体を悟られないように強い態度を取り、戦いの消耗を恐れて去ってくれることを期待したという状況だったと推測できる。
※ベジータはスカウターを忌避しており、事前に戦闘力を測ってはいなかったはず。

ドドリアの戦闘力

ここまでのことを踏まえ、具体的な戦闘力設定していきたい。

ドドリアは消耗前の段階でもベジータに勝てる見込みがあまり無い程度の強さだったとすると、ベジータとは少なくとも1.3倍の差はあるだろうか。1.3倍差なら戦闘力は18500程度になる。

また、エネルギー波の消耗について、キュイと同程度となる元の6分の1程度の消耗だったと想定すると、消耗後ドドリアの戦闘力は15400となる。

15400だとベジータとの差は1.5倍超まで開く。実際に消耗後のドドリアはあっさり殺されることを覚悟しており、この程度の差はあったとしても違和感は無いだろう。

出典:ドラゴンボール完全版18巻

まとめとして、ここではベジータの24000に対し、消耗前のドドリアは18500、消耗後は15400と結論づけたい。

しかしながら、ベジータは強いとはいえ24000である。消耗前のドドリアならば戦い方によっては時間を稼げただろうし、粘れば爆発音などでザーボンが救援が来た可能性も高い。
キュイもそうだったが、恐怖に駆られて迂闊な戦い方をしたとも言えるし、逆に言えばそのように仕向けたベジータの心理戦が見事だったとも言えるだろう。

ナメック星到着時の悟飯・クリリン

最後に、あまり材料には乏しいのだがナメック星到着時の悟飯とクリリンも考察してみたい。
彼らは偵察に来たフリーザ軍の雑兵を一撃で倒している。

この時の戦闘力はザーボンによって計測され、2人共1500程度とされていた。

戦闘力はふたつとも1500ほどでした

出典:ドラゴンボール完全版17巻

ただこの時の二人は戦闘前に相手を「たいしたヤツじゃない」と評価しており、全力は出していないと思われる。
サイバイマンを6分割エネルギー波で倒した実績があることも考慮すると本気を出せば1500よりもっと上なのは間違いないだろう。
(※前々回の考察ではサイヤ人編のクリリンは1800と想定している)

ではどこまで上だったのか。参考になる描写を探すと、戦闘力3000(スカウター計測)のナメック星の若者がフリーザ軍相手に戦うシーンが挙げられる。

どうなってんだ!3匹とも3000にふえてやがる

出典:ドラゴンボール完全版17巻

彼らはクリリンたちが一撃で倒した雑兵と大きく変わらないであろう相手を同じく一撃で倒している。

このシーンではクリリンは「すげえ!!」と言及している。

出典:ドラゴンボール完全版17巻

この一言だけで判断するのは早計ではあるものの、彼らの力に驚く描写からすると、二人の戦闘力は3000よりは下の可能性が高いのではないだろうか?

しかしその一方で、驚くと言っても軽くであり、過度に驚いてはいない。3000という数値は想定の範囲内であって、彼らの力もそこまで遠く離れてはいないものと推測できる。

これらの描写から、根拠としてはだいぶ弱いが、悟飯とクリリンは2000以上3000未満程度ではないだろうか。ここでは決めとして、クリリン2300、悟飯2500程度と考えておきたい。

まとめ

ベジータ 24000
キュイ(消耗前) 16500
キュイ(消耗後) 13750
ドドリア(消耗前) 18500
ドドリア(消耗後) 15400
悟飯 2500
クリリン 2300

 
参考:大全集等の公式数値
ベジータ 24000
キュイ 18000
ドドリア 22000
悟飯・クリリン 1500
ナメック星の若者 3000

公式値ではドドリアは22000とされているが、それだけの戦闘力があるのならばやはりベジータにあれだけ怯えるのは不自然で、もっと離れていたと考えたほうが妥当と思われる。ドドリアが"なまける前”は22000くらいあったのかもしれない。

余談

  • キュイ、ドドリアともに初手から全力でエネルギー波を叩き込む戦法を取っているが、これはリクーム戦のベジータも同じことをしている。ジリ貧になる前に一発に勝負をかけるというのはフリーザ軍において格上と戦う際のセオリーなのかもしれない。(そしてベジータは一応仲間割れの形なので、彼らがそうしてくることも予想していたのかもしれない)

  • ナメック星の若者はドドリアに対し「われわれ3人にきさまがかなうとおもうか!」と発言しており、ドドリアの力を把握できていない様子だった。彼らは気のコントロールはできるが、気を読むことはできないようである。

  • フリーザ軍が平和なナメック星人の村を襲う描写はかなり丁寧に、そして残酷に描写されている。まずは戦える者を虐殺、そしてドラゴンボールを渡せば何もしないという約束を一面的な理由で破り、残りの村の場所を吐かなければ子供たちを殺すと脅迫する。断られるとフリーザは逃げる子供(カルゴ)を背後から撃ち抜いて殺し、そして一人残され泣いて逃げるデンデにドドリアが立ちふさがる。このシーンは大人になってから読むとかなり胸に来るものがあり、改めて鳥山先生の読者心理をコントロールする巧みさを感じる場面である。

次回 ナメック星中盤へ続く


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