「Yes! gender」

 微笑みの国、タイでの夜。一際高いビルの最上階。煌びやかなビル街をドレス姿の存在が見つめる。その姿に惚れ惚れしながら、僕は年代物の赤ワインを注いだグラスに口をつける。

「いい景色ね」

「そうだね」

「夜はいいわね。昼とは違って光がより尊く見えるわ」

「そうだね」
 僕はワインを口に含んだ。二人だけの時間。二人だけの夜。真っ赤なワインが喉を通って、僕の赤い炎をさらに燃え上がらせる。

 それはお相手さんも同じようだ。僕を見つめるその目には熱が灯っているように見えた。気づけば僕達は互いに抱き合っていた。

 ベットに沈んでいく君と広がる黒い髪。抱き合っている瞬間、僕達は互いの象徴が活性化しているのを理解した。

 

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