第2回 【奥付】は編集者・エディトリアルデザイナーの“名刺”
皆さんは本の最後のページを読んだことはありますか?
そこは【奥付】(おくづけ)と言い、「本を作った人たち」が載っています。
実は、出版業界あるあるの1つとして、最後のページを読む癖がある編集者は多いのです。
古い習わしかもしれませんが、「この本を作った編集者は誰なのか、どんなデザイナーが関わっているのか」、気になってしまうものなのです。
特に「あぁ、なんて良い内容、デザインなんだ!」と思うと、ついついチェックしてしまいます。【奥付】は、制作に携わった者たちからすると、名刺のようなものといえるかもしれません。
そして、ありがたいことに、私たち編集プロダクション サンプラントにも、【奥付】をご覧いただき、ご依頼をいただくことがあります。
“編集プロダクションの役割”については、下記の記事をご参照ください。
・ムック本と編集プロダクションの関係
ムック本というのは細かい規定はあるものの、ざっくりまとめると「雑誌のような内容の単行本」といったところでしょうか。
雑誌のようにイラストや写真、インタビューなどが掲載されているのですが、1冊を通してテーマが決まっている単発の書籍です。
エンターテイメント・サブカルチャー系では、アニメや漫画のガイドブックなどがムック本にあたります。
ページによって画像や文字の配置が変わるため、1ページずつラフを切ったり執筆したり、デザインしていく必要が出てくるのですが、その作業は細かくて多岐にわたり、時間がかかるもの。
そのため、出版社によってはムック本はアウトソーシングをするケースが多く、サンプラントも【奥付】を通してご依頼いただくケースがあるのです。
また、編集プロダクションは、基本的にデザイン部門を持っていないことが多いのですが、私たちサンプラントは編集部門に加え、デザイン部門も持っています。
そのため、企画段階のご相談から、入稿データの作成まで一括で仕上げることを強みとしています。
【作品例】
『カードキャプターさくら クリアカード編 アニメスターターブック』(ムービック)
TVアニメ『少女終末旅行』公式設定資料集(KADOKAWA)
・漫画編集部門を持っている編プロの強み
ムック本と比べて、編集プロダクションで携わる機会が少ないのが「漫画」案件。漫画は作り方が特殊なため、必要とされるスキルが変わってくるのです。
そんななか、サンプラントでは漫画編集者も在籍しています。
かつては「漫画を読む」というと、紙媒体の雑誌や単行本を購入するのが定番でした。特に30代以上の方は、コンビニや街の書店で漫画雑誌を買った経験がある人も多いのではないでしょうか。
ですが、今では紙媒体だけでなく、電子書店や各編集部の配信サイト・アプリでの掲載と、発信される漫画コンテンツはネット上に数え切れないほどあふれています。
漫画編集者が在籍するサンプラントでは、良質な作品を増やしたいという各編集部様からのご依頼に応え、ご協力させていただいております。そのご縁も、コミックスの【奥付】がきっかけとなっている場合があるのです。
また、編集プロダクションで漫画編集をする強みとして、作家さんのコーディネーターとしても活動できることが挙げられます。
編集部や媒体毎に掲載作品の方向性に特徴があるのですが、編集プロダクションにはその垣根はなく、作家さんと一緒に様々な作品作りに取り組むことができるのです。
【作品例】
『働かないふたり』(新潮社)
『シメジシミュレーション』(KADOKAWA)
『竜と勇者と配達人』(集英社)
『束の間の一花』(講談社)
・まとめ
サンプラントでは、アニメや漫画関連のガイドブック、漫画の単行本に多く携わらせていただいております。
もしかしたら、本棚にある1冊にサンプラントの名前があるかもしれません。よかったら、チェックしてみてくださいね。