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突然交通事故にあった長男の闘病日記

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アメリカ在住。ビジネススクールでmaster degreeを取った26歳の長男が新しい職に就く前に交通事故に遭う。長男と家族(夫、次男、私、愛犬)での闘病日記。
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【突然交通事故にあった長男の闘病日記】3月24日(木) 0日目:突然の事故

朝4時頃に誰かが家のドアをノックしている。 昨晩友人宅に行くと言って出かけた長男だと思ったがどうもポリスのようだ。 夫を起こして彼が対応してた。外で話し込んでいるので私も行ってみた。 どうも交通事故を起こし今ERにいる、critial conditionだという。 すぐに服を着替え、寝ている次男に声をかけ夫と二人でERへ向かう。 向かう先は隣のcountyにある大学病院のshock trauma center。 ERへ向かう道中は深い霧だった。雨も少し。標識も見づらい。これが

【突然交通事故にあった長男の闘病日記】3月25日(金) 1日目:折り鶴

鬱状態の次男は連れて行かず、夫と病院へ。 昨日よりも顔の腫れが引いていて、尿の色も血が混じっていた昨日よりはだいぶクリアな色になっていた。 相変わらず寝ている長男。安静が必要のため薬で眠らせているらしい。 夫に聞くと「マイケルジャクソンが過剰摂取で亡くなった時に処方されてた薬だから、相当強い鎮痛剤だよ」と教えてくれた。 それ以外にも沢山の薬、点滴が繋がっている。 朝、家を出る前にYouTubeを見ていたら、広島の折り紙博物館をやっていた。 そうだ!折り紙を持って行き病室で

【突然交通事故にあった長男の闘病日記】3月26日(土) 2日目:progress

夫は毎朝、家を早く出て仕事に出かけている。 既に仕事は退職しているので、今している仕事は趣味の延長の仕事だ。 夫からテキストメッセージが届く。 「Good news! 長男 opened eye last nite for first time and followed command to move hand !」 涙が出る。家のバスルームに居た次男にも涙声で伝える。 次男の気持ちが楽になったようだ。 夫と病院へ。 病室につくと顔の腫れが良くなっている。 鼻に入ってい

【突然交通事故にあった長男の闘病日記】3月27日(日) 3日目:MRIの結果

どこかに自分の気持ちを吐き出さないと気がおかしくなりそうだ。 なのでnoteに日々の出来事を書くことにした。 アメリカはtax returnのシーズンだ。 毎年我が家もこの時期は色々書類集めで大変だ。 ただ、長男がICUに居るため長男の書類を集めるのがそれ以上に大変だった。 長男のPCにはアクセスできない。 事故当時、ERで長男の貴重品を受け取った。その中に携帯電話があった。 その携帯のバイブレーションが鳴っている。 友人達からのメッセージだろうか? 試しに長男の携帯をア

【突然交通事故にあった長男の闘病日記】3月28日(月) 4日目:快晴 強風 0℃

夫と病院へ。 桜は満開に近いというのに強風の上に寒い…冬が到来したような気候だ。 12時過ぎに着いた時、ちょうどICU doctor が長男の部屋へ巡廻で入るところだった。 長男は昨晩は相当体を動かそうとしたらしく、両手は太いゴムでベッドに繋がれていた。 ICU doctorからこれからの予定を聞く。 頭部MRIが終わり安定してきているので、これから骨折した顔の手術をするらしい。 顎にワイヤーを入れ、頬にプレートを入れる 等するらしい。 この顔の手術をするため、口に入れて

【突然交通事故にあった長男の闘病日記】3月29日(火) 5日目:さくら

気づいたら庭の桜も満開近くになっていた。 ここ数日0℃の日々が続き、よく桜もがまんしてると思う。 病院に行く車の中で、夫が昨晩はうなされた、と言った。 夫が大学生の頃、長男と同じように自動車事故にあっている。 センターラインを越えた飲酒運転の車が夫の車に突っ込んできたらしい。 その車の運転手は即死。夫はERへ。 治療等のために大学は休学したらしい。 この事故のシーンがフラッシュバックで夢に出てくるらしい。 医者から薬を処方され、最近は大丈夫だったようだが、昨晩は薬も効かずう

【突然交通事故にあった長男の闘病日記】3月30日(水) 6日目:転院

夫と病院に着いた時にちょうどICU doctor がいた。 話がある、とのことで長男の病室へ。 本来はこの病院で手術をする予定だったのだが、長男の左目の周辺の手術も必要ということで、eye doctor のいる同じ大学病院のメインキャンパスの方へ移ることになった。 今日中のいつか、ヘリで長男を移動させるらしい。 夫は長男の左目のダメージを詳しく聞いてなかったので、この予想外の転院には驚いていた。 ICU doctor がいうには、メインキャンパスの方がeye doctor

【突然交通事故にあった長男の闘病日記】3月31日(木) 7日目:最悪のケース

事故から一週間経った。 自分の中では日時曜日の感覚がなくなった。 今日が3月最後の日だとは。 転院した病院は家から車で1時間。 毎日の通院で、心も体も疲れてきた。 が、長男の為にもここで負けてはダメだと気合を入れる。 今日は、doctorが入れ替わりでやってきた。 明日、顔の手術をするらしい。 顔の左側を酷く負傷していて、左目の問題があった。 眼科の医師がやってきて長男の症状を説明してくれた。 左目はダメだろうという内容だった。 それを聞いたとたん、体の力が抜けた。気

【突然交通事故にあった長男の闘病日記】4月1日(金) 8日目:延期

長男の顔の手術の予定が11amと聞き、夫と10am前に病院に着くようにでかけた。 病室で待っていると、担当医が来て本来は2番目にスケジュールされていた長男の手術が急患が出たため3番目になった。もし午後3時までにその手術が終わらない場合は、別の医師か再スケジュールになる、とのこと。 担当医は、今日が連続担当勤務の最後の日で明日はoffの日らしい。 なので明日に延期になった場合は、別のチームでの手術になると聞いた。 別の病院からヘリで転院して直ぐに手術をしてもらると思っていた夫

【突然交通事故にあった長男の闘病日記】4月2日(土) 9日目:再延期

昨晩は、脳に感染症が出ているかどうかの骨髄検査の結果が気になり眠れなかった。 朝起きて夫に話したら、 「今日の早朝に検査結果が出て問題がなかったようだよ」 と教えてくれた。 一安心。 昨晩夫は、息子に投与されているプロポフォール(Propofol)の量が多いのではないかと心配して病院に電話をしていた。 今の病院では転院前の病院の倍の量が投与されている。 それもあってか長男は酩酊状態のように見える。 問いかけにも虚ろだった。 今日、夫と病院に行った時にプロポフォール(Pro

【突然交通事故にあった長男の闘病日記】4月3日(日) 10日目:再々延期

朝、病院から夫に今日の午前11時に手術の予定をしている、と連絡。 直ぐに出かける準備をして病院へ。 病院へ着き、あと数時間後に手術の予定とナースから聞く。 その数十分後に、血液検査の結果sodiumの値が高いので手術は延期するとのこと。 sodiumの値を下げる薬が投与された。 手術時のリスクを下げるために、今日の手術は延期したとdoctorから聞く。 口にずっと入っている人工呼吸器を気管切開にして早く楽にしてやりたいし、リハビリにも入りたい。 これも我慢。最高の医療を

【突然交通事故にあった長男の闘病日記】4月4日(月) 11日目:手術

早朝、病院から夫に朝7時半過ぎに手術を予定してる、と連絡があったらしい。 昨晩から私はあまり眠れなくて、数時間毎に目が覚めていた。 ちょうど、朝5時過ぎに目が覚めたとき、部屋の隣の電気がついていた。 夫が私を起こしにくるタイミングで私は起きていたようだ。 すぐに顔を洗い歯を磨いて家を出る準備をする。 すでに夫は犬のトイレと餌やりも済ましていたようだ。 7時過ぎに病院に着き受付を済ませ長男のいるICUの病室へ。 意識があるのか不明だが、長男にがんばってこい!と声をかける

【突然交通事故にあった長男の闘病日記】4月5日(火) 12日目:Oral and Maxillofacial Surgery

医療英語は普段使わないので本当に難しい。 Oral and Maxillofacial Surgery : 口腔顎顔面外科 Tracheostomy : 気管切開 Gastric fistula ( feeding tube ) : 胃ろう 病院では毎日、trauma team の doctor達と、ICU team の doctor達が病室を巡廻する。 長男は昨日Oral and Maxillofacial Surgeryを受けた。 これまで何度も手術が延期になり、担当

【突然交通事故にあった長男の闘病日記】4月6日(水) 13日目:術後

病室に着いた時、長男はまだ眠っていた。 執刀した医師からは数日間は安静にする必要があるので、しばらく眠っているだとう、と言われていた。 長男は自力で呼吸は出来ているのだが、念の為に口から人工呼吸器が入れられている。入院してからずっとだ。 それが原因なのか、肺に白いスポットがX線でみつかったらしい。 夫はtrauma doctor の team に「肺炎ではないのか?抗生物質は投与しないのか?」と質問をしていた。 head doctor は、まだ肺炎の症状と決まったわけではな