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昔の願望を叶えて、自分の機嫌を取る


小さい頃から本を読むことが好きで、小学校の時は毎週末、近所の図書館に通っていたほど。

本は、いろんな場所に連れてってくれるし、知らないことをたくさん教えてくれる。

なかでも美味しそうなたべものが出てくる物語と、
空想の世界を見せてくれる物語が好きだった。

人生の中でどの作家さんの著作をよく読んだかと聞かれると、多分江國香織さんだと思う。
江國さんの作品の中には、美味しそうなたべものがたくさん出てくる。

じゃこじゃこのビスコッティや、銀紙に包まれたフィンガーチョコレート、すみれの花の砂糖漬け。

なかでもエッセイ集の「泣く大人」に出てくる、レーズンバターなるたべものが、一体どんなものなのか、当時の私にはわからなかった。

エッセイの中で江國さんは、おいしいレーズンバターを出してくれるバーを探しに行く。

高校生の私は、お酒と一緒に出てくるレーズンバターなるものは見たことがなかったし、聞いたこともなかったので、
なんだか特別なもの、大人だけのたべもののように思えて、
私もいつか大人になったらレーズンバターを食べながらお酒を飲んでみたいと思っていた。

というのを今の今まで思っているだけで実践していなくて、
たまたま入ったちょっとお高めのスーパーで小岩井のレーズンバターを見かけたので購入して、
帰宅後スライスしてクラッカーの上に乗せて、ワインと一緒に飲んでみた。

めっちゃワインに合う・・・!

昔からの願望だったので、少しフィルターがかかっているのかもしれないけれど、
それも合間って、私にとって特別美味しいたべものになった。

小さい時に読んだ本や、学生時代に読んだ本で出てきた美味しそうなたべものを、
こうやって大人になって食べることで自分の機嫌を取るようにしている、
最近の私の楽しみの一つです。


江國さんの作品以外で、美味しいたべものが出てくる本たちをご紹介。
私の個人的好きなお話たち。

・三日月少年漂流記/長野まゆみ

中学生の時に夢中になった本。出てくる言葉が本当に綺麗。
鉱物好きな人はぜひ。
パンを「麺麭」って表記を変えただけで、なんだか違う、美味しそうな食べ物のように感じる。


・星兎/寮美千子

人の言葉を喋る大きいうさぎが可愛くて可愛くて。
少年と二人で真夜中のドーナツ屋さんに行くところがとても好き。
このドーナツ屋さんはドーナツとコーヒーしかメニューがない。
甘いもの好きのうさぎが、ドーナツにモリモリお砂糖をかけるのが愛しい。

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