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学校に行かないという選択。「オレの時代、到来。」

二男・9歳。
現在、小学校3年生。
実質登校日数・0日。
我が家の面白癒し系担当。

そんな彼が、床に座って一枚のチラシを穴が空くほど眺めている。

そこにはこう書かれていた。

「マイルドキャンプ 忍者修行 2泊3日 対象年齢1~3年生 」


生存確認の為、月に一回、小学校に面談に行っているのだが、その際に渡される配布物には、授業で使ったプリントだけではなく、市や各関係機関から配られるお知らせのチラシも入っている。

先生には申し訳ないが、私は学校の授業で使ったプリントよりも先に、お知らせのチラシのチェックを怠らないようにしている。

何故なら、そのチラシの中には、子どもたちにとって有益な情報があることがあるからだ。科学講座、生き物講座、料理講座、畑体験、プログラミング、山歩き、スキーやスケート教室・・・本当にいろいろある。

そして何ともありがたいことに、大抵は参加費がとても良心的であったり、場合によっては無料ということもある。

講座やワークショップはたくさん開催されるが、何でも行けば良いとは思っていない。

子どもたちが「自ら興味を持ち、行きたいと思っている。」という前提がなければ、参加する意味はないだろう。

日常から、子どもたちの興味関心を感じながら、それに関連している気配のするものを嗅ぎ分け、子どもたちに「こういう講座あるみたいだよ。」と伝えると、「行く」「行かない」と自分たちで判断するのが、我が家の形である。

時には自分たちで、どこからかチラシを見つけて来て、「これ、行きたいんだけど。」と、申し出があったりする。

長男は、生き物や科学系の講座、物作りの講座に強く興味を示し、今までもたくさん参加させていただいてきた。そして、そういった講座に参加するのに積極的な面がある。

さて、今回は二男の話だ。

二男は、基本的に恥ずかしがり屋だ。思っていることがあっても、言葉にしようと考える時間が長い。そして、考えている間に兄や妹が喋りだしてしまい、「まぁ、いいか。」となってしまうことが多い。私も夫も、なるべく二男の言葉を聴きたくて待っているが、本人が諦めてしまうことも多いのだ。

やりたいこと、やりたくないことに関してはハッキリ意思表示するが、「どっちでもいいよ」ということも多い。講座などが在ることを伝えても、「う~ん・・・」と気乗りしない返事が返ってくることもよくある。

今まで、「行きたい!」と、即答したのは、「プログラミングロボット講座」と「アンモナイトの化石講座」くらいだったと記憶している。

長男も末娘も恐ろしいくらいに意思表示がハッキリしており、押しが強い。

だから、二男が遠慮しているのでは?と思うが、それは、遠慮しているのではなく、本当に「どちらもでいい」らしいのだ。

二男がハッキリしていないわけではなく、返答や、対応が基本的に柔らかいのだ。

どちらでも、楽しめる。
どんな状況でも、楽しめる。

それは二男の強みなのかもしれない、と私は思っている。

「どっちでもいいよ。」の多い二男が、珍しく強く行きたがったのが、この〈忍者の修行キャンプ〉だ。

参加定員は150名。
ひとりでも、おともだち同士でも、どうぞ、という企画だ。

二男は、お一人様参加だ。

余計なことだと思いながら、心の中で一瞬、〈誰も知ってる人が居ない状況に、不安にならないのだろうか〉と思う。

でも、それは、私の過ごした幼少期の環境が、そうであったに過ぎないのだ。女子特有のグループがあったり、別にひとりだっていいのに、入れてもらえる、入れてもらえないなどを、なんとなく周囲が気にかけたりすることを面倒に思ったり、親友と呼べるような存在に憧れつつ、そういう存在が自分に居ないことを苦しく感じていたことなどをなんとなく思い出していた。

しかし、彼は、私とは違う。

そういったことは全く気にも掛けてない様子だ。

大人数でざわざわした環境はあまり好みではないだろうに、今回に関しては、「大丈夫だと思う。」という。

二男は夜のトイレが近い。疲れたり、心理的に何か負担がかかると時々オネショをすることもある。大人も子どももまったく知らない環境で、オネショをしたら、本人が嫌な思いをするのではないだろうか?と気になったが、そのことに関しても、「なんとか大丈夫だと思う。」という。

とにかく、彼の中では既に、「キャンプに行く。」と決めているのだということがわかり、私は、その場で直ぐに参加の申込みをした。

現地まで直接の送迎もできるし、近い駅からマイクロバスでの送迎もあるとのこと。二男は、乗り物酔いしやすいので、「現地まで送ろうか?」と申し出るも、「どっちでもいいよ。バスでも大丈夫だと思う。」というので、近くの駅からバスでの送迎にチェックを入れた。

一緒に行くトモダチが居なくても、
知ってる人が一人もいなくても、大丈夫。
自分が行きたいから、行く。

私は、こういう強さに憧れる。
そして、こういうスタンスが好きだ。

行ってみて、何があるかわからない。
楽しいことも、ちょっと嫌なこともあるだろう。でも、それを自分でクリアしていける、と自分で感じているから、「行く」という決断をしたのだと思う。

〈何が起きても、自分でなんとか出来るし、なんとかする。〉

子どもたちは、「自分の行くべき、やるべきタイミング」を知っているのだ。

私が出来ることは、「楽しんでおいで!」と送り出すこと。
あとは、好きなおやつをたくさん準備し、オネショをしても良いように、着替えや防水シーツを多めに準備することだろうか。

その日までまだ20日以上もあるのに、二男は「荷物の準備しなくちゃ!」と折り紙で手裏剣を作っている。

どんなキャンプになるのか、楽しみだ。

彼が逞しい忍者になって帰ってくるのを、ちょっとドキドキしながら待っていようと思う。

二男の描いた絵をTシャツにしました。「カニッケリスくん」です。


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