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学校に行かないという選択。幼稚園には行ってます。「あの子はいつ、大きくなるの?」

今日は、末娘と幼稚園へ。

天候の影響もあってか、体調を崩している人が多いようで、今日の幼稚園はやや人が少なめという印象を受ける。

幼稚園は森の中にあるので、蛇もいれば、クワガタもカナヘビもいる。
生き物好きの子どもたちにしてみれば、とても楽しい環境である。

我が家には、生き物全般(人間以外)をこよなく愛する姫兄様がいる。
生き物の扱いにはとても煩い細かい。

その為、弟妹たちにも、生き物の扱いには、小さい時から懇切丁寧に指導を受けている。

先日も、末娘が目の前を通過したショウジョウバエを反射的にパチンと叩いて捕らえて、「初めて捕った!」と嬉しそうに報告してしまったところ、姫兄様からお叱りを受けていた。

末娘は、「今度から、もし穫っちゃったらK(長男)には言わない事にする・・・。」と遠い目をしていた。

幼稚園から帰宅するため、園舎から出ると、年少組の男の子が、何かが入っている飼育ケースをしゃがんで覗き込んでいた。

「何がいるの?」と私もそっと覗き込むと、「クワガタ。」と言ったかと思うと、飼育ケースをブンブンと振り回した。

あまりにも勢いよく振り回しているので、流石にクワガタが気の毒になり、「そんなに振り回したら、クワガタが弱っちゃうかもしれないねぇ・・・。」と言ったが、「いいんだ!」といって、クワガタの入った飼育ケースを持って立ち上がり、園舎に向かったかと思うと、急に手を放し、ガシャン!と飼育ケースが地面に落とした。飼育ケース中はぐしゃぐしゃになり、中のクワガタはひっくり返っている。

男の子は振り返ることもなく、園舎の中へと行ってしまった。

たまたま今日は幼稚園に来ており、その様子を観てみた長男が、大きくため息をつくと、クワガタの入った飼育ケースを拾い上げ、「ここは暑すぎるから、日陰に置いてくるよ。」と去っていった。

長男は今までにも、この年少組の男の子、さらに小学3年生になるこの子の兄にも、生き物の扱いを繰り返し伝えてきてはいるが、なかなか伝わらないようで、今日は何も言わず、少し離れた場所から様子を観ていた。

私には、年少組の男の子の生き物を雑に扱う姿が、とても辛く感じられ、気が滅入った。


末娘が、「帰る前にちょっとだけ、ブランコやりたいな。」と言うので、ブランコのある坂道へ向かった。

私と手を繋いでいた末娘は、こう呟いた。

「ねぇ、お母さん、あの子はいつ大きくなるの?」

〈あの子〉とは、先程、クワガタを乱暴に扱っていた男の子のこと指しているようだった。

一連の出来事を見ていた末娘は、そう呟いたのだった。

彼女の中では、〈年少組の男の子がクワガタを荒く扱うのは、単に、まだ小さいからなのだろう・・・〉と感じたようだ。

末娘の口調は、責めるでも、嫌な気持ちを含んでいるでもなく、

〈今は小さいから生き物にやさしくできないけど、大きくなったら、きっとそうではなくなるんだよね。〉

彼女は、そう捉えているように思えた。

大人は、いや、私は、そんな風に、ひろい心を持ち合わせてはいない事を恥ずかしく思った。

やや乱暴な子の行動は見ていても気持ち良いものではないし、つい、咎めたくなったりもする。しかし、どんな言葉を掛けるかいつも葛藤する。ただその行動を咎め、注意し、「駄目だよ」と言うだけでは伝わらない気がするから。そして、注意するまでには、それなりの関係性も大切になってくると思うからだ。

乱暴な行動や発言は、その時の成長の過程で表面に現れているものというだけであって、その子にずっと張り付いているものではないはずなのだ。

「あの子もいつか、大きくなるんだよね。そしたら、きっと・・・」

子どもたちの眼差しは、あたたかく、やわらかだ。

その眼差しの中に、子どもたちと共に居られることに感謝したいと思う。

まだまだ、私は、学びの真っ只中に居る。

学びは尽きない。






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