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学校に行かない選択。「スプーン一匙のはちみつと、ハチドリのひとしずく。」

森が燃えていました 森の生き物たちは われさきにと 逃げて いきました。

でもクリキンディという名のハチドリだけは 行ったり来たり
口ばしで水のしずくを一滴ずつ運んでは 火の上に落としていきます。

動物たちはそれを見て 「そんなことをして いったい何になるんだ」と笑います。

クリキンディはこう答えました 。

「私は、私にできることをしているだけ」



この物語の続きを書き上げるのは私たちです。


キッチンで、夕飯の支度をしていると、二男がやってきてこう話はじめた。

「あのさ、ずっと、気になっているんだけど、はちみつって美味しいし、好きなんだけど、あのはちみつは、蜂が一生かけてスプーン一匙分しか集められないんでしょ?そう思うとさ、なんか、自分が食べていいのかなぁ・・・って思っちゃうんだよね。」

キッチンに並ぶはちみつの入った瓶を私は、しみじみ眺めた。

美味しいよね。蜂蜜。

これは、正解なんてない、簡単に答えのでない質問だなぁ・・・と思った。
そして、私が何か答えるべき事柄でもないとも。

「そうだねぇ。難しいところだねぇ。」と私は答えた。

すると、二男は、
「でもさ、自分がはちみつを食べるのを止めたとしても、他の人達は、変わらずはちみつを採ったり、食べたりし続けるなら、そんなに蜂たちの状況は、変わらないのかな、とも思ったり。」

うんうん、わかるよ。その感じ。

「そうだねぇ・・・みんなが、自分が気をつけても変わらないって思って、必要以上にはちみつを採ったり、生態系に影響が出るような採取の仕方をしたら、どうなっちゃうんだろうねぇ。」

そんな言葉を返し、ふと、「ハチドリのひとしずく」の話を思い出した。
そして、二男にそんな話があるよ、と話した。

蜂蜜を採取して暮らしを立てている人も居る。
必要上に採取しなくても生計を立てるには、システムを考える必要があるだろう。

蜂の暮らす環境を守りながら、採取を生業としている方々もいる。

そして、何よりも、その蜂蜜を私たちは食べさせてもらっているという事実がある。

自分が気になるのであれば、いつもより、ちょっとだけ、はちみつを食べる量を少なくしてみてもいい。

たくさん食べちゃう時があってもいい。

何も変わらないかもしれないし、
何か変わるかもしれない。

でも、何かが変わるとか、
変わらないとか、
そいういことよりも、
そんな風にはちみつがどうやって自分の食卓に上がるか、ということを知って、気にかけることができる。

そんな心に育っているあなたを、私は尊敬している。

そういう心が、これからの新たな物語を紡ぐ力なのだと思うから。



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