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個性的なレストランスタッフ紹介と、バイト最終日

レストランでは、数多くのスタッフが働いています。
キッチンも合わせると30名程。

ウェリントンで働いていた時、挨拶の後に名前を言ってもらえるのが嬉しかったです。
「ハーイ、サン!」のように、上下関係お構いなしで、全員ファーストネームの呼び捨て。
ここでは私が率先してそれを実行し、早く馴染もう!と密かに目標を立てました。

短い名前ならすぐ覚えられるのですが、珍しい名前の方は、覚えられるまで尋ね続けました。
元々名前を覚えることは得意なので、1週間も経たずにフロアスタッフは全員覚えることができました!

皆さん優しく、質問したら何でも教えてくれました。
そして本当に、個性豊か!
特に印象が強かった人、出来事を紹介させて下さい。



フィリピン出身の姉妹


2人とも眼鏡をかけていて、お姉さんは低身長、妹さんは高身長。

どちらもとても面倒見が良く、自ら業務を説明してくれたり、ミスしたらすぐに知らせてくれ、正しいやり方を教えてくれます。

そして2人とも、とにかく距離が近い!

私の腕を長時間掴んだまま説明したり、腕を引っ張って連れて行ってくれたり。
大人になってから、こんなに最初からパーソナルスペースに何度も侵入される経験は、初めてかもしれません。

妹さんにミスして謝った時、
「毎日が学びだから、気しなくていいのよ!」
手でグッドサインをしながら言ってくれ、とても嬉しかったし、カッコいいなあと思いました。

妹さんにフィリピン語の「ありがとう」を教わりました。
お姉さんに助けてもらった時に、さっそく「サラマット!」と言ってみました。
お姉さんはそんなに笑顔が多い方ではないのですが、その時はにっこり笑ってくれて、とても嬉しかったです。


マネージャー1人目

カールしたふわふわの金髪、青い目の女の子。3人いるマネージャー職の内の1人で、履歴書を渡しに行った際に対応してくれた方です。

2週目、シフトにランナーの日が2日ありました。ランナーの人手が不足しているだけだ、と分かっていましたが、フロントオブハウスの能力不足なのかな、とも考えてしまい、少し暗い気持ちでした。

そのランナーとして勤務する日。実際に出勤すると、ランナーとフロントオブハウス半分ずつで働くことができました。

ピークが落ち着いてから、無心で皿洗いをしていました。
その時、彼女がやって来て、「良い感じ?」と聞いてくれました。

完全に気を抜いて無表情だったので、慌てて笑顔を作りましたが、何か察してくれたのか、「you are amazing!」と言って、軽くハグをしてくれました。
何て優しい子なんだ!
その言葉も、気にかけてくれたことも、素直にすごく嬉しかったです。


陽気なシェフたち

シェフは優しく、面白い方がたくさんいました。
特に上記のマネージャーの彼氏さんが、ムードメーカー的な存在でした。
彼は日本人が私一人きりなのを気にかけてくれたのか、「日本語を勉強する!」と宣言してくれました。
次の日からさっそく「おはよー!」「ありがとう」など、声をかけてくれました。
「やめて」「はやく」などの言葉も、自ら勉強して覚え、他のシェフに使っていました。
後半は、仕事終わりに「よくやった!」と言ってもらえるようになり、とても嬉しかったです。

また、他のシェフたちにもそれは広がり、「ありがとう」や、「元気ですか?」など、日本語を話してくれました。
日本語を進んで勉強してくれたことももちろんですが、何より気遣い、優しさを感じ、そのシェフには心から感謝しています。


マネージャー2人目


面接してくれたマネージャーで、鼻ピアスをしている女性。
彼女は少し厳しめで、誰かがミスをすると素早く指摘し、次からはこうして、というようにきっちり教えてくれる方でした。
しかしミスのフォローも、人一倍してくれました。
特に最初の頃、数え切れないくらいミスをしたのですが、ミスをしたこと自体に対して怒られたことはありませんでした。

ある日、ワインの補充を担当しました。
その最中、ワイン棚で雪崩を起こしてしまい、新品のワインボトル1本を、床に落として割ってしまいました。

これは流石に怒られる。
弁償かも。

覚悟を決めて、マネージャーに謝りました。
そうなってしまった経緯を聞かれ、説明しました。

「わざとやったんじゃないのは分かってるから、今回はもう大丈夫。次回から、まず邪魔なワインをどかしてから補充するようにしてね」

ちっとも怒られずに驚きました。
その日の帰り際に、もう一度謝りました。

「全然大丈夫よ!わざと割ったわけじゃないし、本当に気にしないで!」

明るく言ってくれ、有難かったです。
すごく優しい、愛のあるマネージャーでした。


マネージャー3人目


キッチンとシフト作成担当の男性でした。
鼻ピアスのマネージャーのパートナーで、2人は同棲していました。
彼はシフト上ではずっと「OFF」になっており、長期休みをとって旅行しているのかな、と思っていました。
ワッツアップでメッセージのやり取りをするだけで、実際に会ったことは1度もありませんでした。

ある日、レストランに向かって歩いていると、ヘルスケアセンターの前で発車しようとしていた車が止まりました。
道でも聞かれるのかな、と思いつつ横を通ると、運転席から男性が顔を出しました。

「君、サン?」

何で見たこと無い男性が、私の名前を知ってるんだ?
めちゃくちゃ不審に思いながらも、「イエス」と答えると、彼も名乗りました。
何と、例のマネージャーだったのです!!

彼は鼻ピアスのマネージャーから、私が日本人で、ショートヘア、そして住み込みで働いているモーテル名を聞いていました。
その少ない情報と、モーテルの位置、ユニホームの黒いティーシャツで私が私だと分かったのか、すごいな、と思いました。

レストランまで車で送ってもらえることに。
助手席に乗り込み、きちんと挨拶しました。
彼の左の膝に、サポーターが巻かれていました。
大きなケガをしていることは、明らかでした。

「ヘルスケアセンターで予約があって、その帰りだったんだ。今はもう痛くはないけど、普通に歩けなくて、それがしんどい」

彼は私に、レストランの仕事はどうか、いつまでフランツジョセフに滞在予定か、など聞いてくれました。
そんなに距離は無かったので、すぐにレストランに到着。
お礼を言ってお別れしました。

その翌日、鼻ピアスのマネージャーに、彼と会ったことを話しました。
すると彼から、その事を聞いていたようで、名前を尋ねた時、私がすごく不審そうだったらしい、と笑って話してくれました。

「多分メッセージのやり取りで、イメージ像が出来てたと思うの。だから実際会うことは、本物がどんな感じか分かるから、良いわよね」
「確かに、イメージと全く違いました!でもとても優しい方でした」
「あら、ありがとう!」

彼にひと目会えて、とても嬉しかったです。


ドイツ出身の男の子


最初の3週間だけ一緒だった、ドイツ出身の男の子。
レストランバイト開始した直後、私のミスで彼に迷惑をかけてしまいました。
けっこう怒り任せに注意されたので、ミスして申し訳ない気持ちもありましたが、でも言い方あるだろ~と思ってしまいました。
(彼がまだ18歳だったことは、彼の最終日に知りました。ぱっと見は25歳くらい)

その直後、来店したお客さんを案内すると、彼の担当していたセクション希望でした。
ただ、その時は空いているテーブルは1つだけで、片付けとセッティングが必要な状態でした。
私は何とか、彼にお客さんがこのテーブルに座りたいことを伝えました。
すると彼はまだ怒っている様子で、英語は聞き取れませんでしたが、手伝ってくれないことは理解出来ました。
お客さんに「私が片付けるので、2分下さい」と説明し、1人でグラスをキッチンへ運んだり、テーブルを拭いたりしていました。
するとちょうど、鼻ピアスのマネージャーがやって来て、別のお客さんが席待ちで並び始めたので、彼に4人用テーブルを2-2に分けるよう指示をしました。

男の子「できません。やり方も分からないし」
マネージャー「じゃあもう私がやるから、あなたはサンを手伝って。ここはあなたのセクションなんだから、本来はあなたがやるべき仕事。サンはあなたを好意で手伝ってくれているのよ」

気まずい雰囲気がありながらも、男の子は手伝ってくれ、「ありがとう」と言ってくれました。

それからは何となく、お互い距離をとっていました。
しかし彼が辞める数日前、村でランニングしている彼とすれ違い、軽い挨拶を交わしました。
その翌日、レストランで思い切って話しかけてみました。

私 「昨日、休みだったの?」
男の子 「いや、仕事だったよ」
私 「じゃあ仕事前にランニングしてたんだね」
男の子 「実は毎日、走ってるんだ」
私 「えー!すごい!パワフルだね」
男の子 「ありがとう」

少し照れた様子で笑ってくれ、最後に少しだけ打ち解けられた気がして、とても嬉しかったです。

彼が18歳だということをシェフたちが話しているのを聞き、めちゃくちゃ驚きました。
18歳で1人でワーホリ、勇気もあるし、アクティブだし、すごいなあと思いました。


レストラン最終日


ついにフランツジョセフを去る2日前、レストランで働く最終日がやってきました。

2ヶ月間、あっという間でした。

驚くほど忙しかったレストランは、3月終わり頃からぱったりと落ち着き、暇な時間が出来るほどになりました。

そのため、最終日は2時間だけ働くことになり、半額で注文できる最後の日だったので、帰る前にテイクアウトをオーダー。

無事に業務を終え、フロアスタッフ1人1人と挨拶しました。
皆ハグをしてくれたり、インスタを交換したり、とにかく温かくお別れの挨拶をしてくれました。
シェフたちにも挨拶し、ムードメーカー的なシェフがハグをしてくれました。

ここで働けて本当によかった。
感謝しかありません。
たくさんの事を学ばせてもらい、たくさんのお客さん、仲間との出会い。
充実した日々でした。



ワーホリで働いて思ったこと


ニュージーランドで3つ職場を経験しましたが、どれも人間関係は良好でした。

もちろん中には相性が悪い人もいましたが、ある程度の距離は保ちつつ、挨拶や小話のみしていました。

人間関係が良い理由として、労働時間が短めだから、仕事のストレスがあまり溜まらないからかな?と考えました。

また、お店やサービスセンターに行くと、無愛想な店員さんや、すごくやる気の無い店員さんを見かけることも多いです。
あまり「お客さんファースト」な感じがないので、気を張る必要がなく、ストレスが少ないんだと感じました。

私が働いていたレストランは、お客さんファーストを大切にしていましたが、英語には敬語がほとんど無いので、お客さんとラフな感じでコミュニケーションをとっていました。
お客さんに冗談を言われる機会も多く、笑う事が多かったので、ストレスが溜まらない一因になっていたと思います。


あと、スタッフ同士の距離感が絶妙なんです。
近づきすぎず、遠すぎず。
仕事中、雑談や、たまには深めの話しもしますが、仕事が終わったら、ぱっと解散。

日本で働いてた頃は、人間関係が1番ストレスでした。
それが解消されれば、こんなに気持ち良く働けるのか!と驚きでした。

当たり前ですが、仕事をする上で、人間関係ってとても大切だと改めて思いました。




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