恨み
恨みは怖い。
怨念は執着となって固着。
幸せを産まずに、不幸せを製造。
それでも恨む。
不満になったことを根に持って。
ずっと母を恨んで
苦しかったことがある。
高校を志望校へ行かせてもらえなかったこと。
泣き寝入りするしかなくて……
決めたことだけど、不本意で、
悔やまれて……
あの時、自分の思うようにできなかった。
あの時、自分が思うようにしていたら、
今をこんなに苦しい思いをしなくて済んだのに。
思い描いた未来が打ち砕けて、
思うように未来を切り開いて行けなくて、
その全てを母のせいにした。
選択の自由を奪われていなければ……
道を一つに絞られていなければ……
私は自由を求め、レールを離脱した。
外れた道へ向かった。
私が想い描いていた未来ではない。
自由を手にするために、
別ルートの選択となっただけ。
劣った惨めな厳しい道へ進んだ。
自分の将来が見えなくなれば、
それは、あの時の母のせいと罵って、
何度も何度も。
自分にはビジョンがあった。
それを断たれた、恨み。
まだ言うの……
もういいじゃない……
どうしたら許してくれるの……
何年も恨み節を言い続け、
母自身も辟易となっていた。
どうしても許せない想いが
そこにあった。
志望校へ行かせてもらえなかった。
それをどうしてそこまで
執着してしまうのか……
そこまで……
でも、どうしても許せない、
何かがあった。
高校へかける想いは強かった。
それもあるが、
きっと、それだけではない。
腹の底から沸々と湧き上がる何かがあった。
誰にというものではない
これまでに感じてきた
理不尽さ、深い悲しみ。
身体中の水分が悲しみであるような
溜まってしまった
浸透していた淋しさが
濃縮され一気に湧き上がっていた。
志望校だけのことではなく、
これまでの蓋をしていた想いも一緒に
飛び出して溢れ出た。
恨みとは
そのものというよりも
それとは別の
上乗せされた
これまでの深い悲しみなのだろう。
その呪縛を断ち切らなければ、
どこかでまた、同じように、
恨みを繰り返すことになるだろう。
恨みは
自分自身を苦しめる。
罵ったところで、
これまでの深い悲しみが
消えるわけではないのだから。
私は、いつから
母を責めなくなっただろう。
恨まなくなっただろう。
深い悲しみは記憶されているけれど、
肌に感じていたものが
肌に感じない
整理された言葉の記憶に変わって。
いろいろな呪縛を抱えていたけど、
あの恨みはどうやって消えたかな。
今となっては、もう思い出せない……
思い出すものは、
恨んでも悲しみは成仏しないこと。
毒のように自分を蝕んで
鎖のように縛り付ける。
呪いを自分でかけていた。
恨みで深い悲しみの魂をぶつけても、
何も変わることはない。
ずっと苦しい
ただ それだけ
幸せを産まない 不幸せ製造
恨んで解消されるものはない
〜願い〜
今を苦しんでいる人
怒り 悲しみ 恨み
理不尽
解消できない想い
苦しみの連鎖
仕組み
何かの光
一助となりますことを願って……
・・お読みいただきありがとうございます・・
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