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イジメ 始まり編

娘の名前は小夏です。
小夏は4人きょうだいの末っ子です。
小さい頃から穏やかな子で、どちらかと言うと手の掛からないタイプでした。
ただ幼稚園のお友達との遊び方を見ていると、鬼ごっこの鬼は常に小夏。
プリキュアごっこをしていても悪者役はいつも小夏。
それでも小夏は嫌な顔をせず、お友達との遊びが好きな子でした。
親としてそんな小夏を少し心配もしましたが、あまり自己主張が強すぎてトラブルになるよりはいいかなと思って静観して過ごしていました。

そんな小夏が小学生になり、初めて違和感を覚えたのは小3の頃でした。
小夏は小学生になってもお友達との遊びが大好きで、放課後は毎日のように仲良しグループの子たちと遊んでいました。
我が家で遊ぶことも多かったのですが、遊びに来ていたAちゃん・Bちゃんが大げんかをし始めたのです。
2人は小夏の部屋のものを物色して可愛い文房具類を見つけると
「これ私がもらう!」
「ダメ、これは私の!」
と、小夏が「あげる」と言った訳でもないものを勝手に取り合いしていたのです。
それは一例に過ぎませんが、小夏の仲良しグループの子たちの行動に私は目に余るものを感じていました。
後で小夏に聞くと
「あの子たち、いつもあんな感じだよ。自分の思い通りにならないとケンカになっちゃうんだ」
と、当たり前のように答えました。
そして迎えた秋、担任との個人面談がありました。
担任は
「小夏さん、仲の良いお友達と学校でもよく遊んでいます。ただ小夏さんのグループはみんな自己主張の強い子の集まりで、意見がぶつかり合ったりしてよくケンカもしています。でもそれも人間関係を学ぶいい機会ですから、私(担任)が仲裁しつつお互いの気持ちを分かり合えるよう指導しています」
とおっしゃいました。
「それ、小夏もケンカしてるってことですか? 小夏は巻き込まれてるだけではないですか?」
私はすかさず聞き返しました。
「小夏さんも自己主張してぶつかってますよ」
担任は答えました。
私は学校での小夏の姿は知りません。
家族の中の小夏からは誰かとケンカをする姿は想像できませんが、もしかしたら私の知らない小夏はそんな一面があるのかも…と、その時は「そうですか」と言って話は終わりました。
しかし何か釈然としない気持ちがモヤモヤと私の中に湧き上がった、始めての出来事になったのでした。

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