見出し画像

物語紹介 #002 「2001年宇宙の旅」

ひとまず、二日目を書き上げる気になって安心している。

今日は映画、「2001年宇宙の旅」の紹介。もはや説明するまでもない珠玉の名作。

映画そのものの出来について語るのは世界中の誰かが再三やっていることだろうし、物語の理由付けもクラークが後の小説で存分にやっている。だからここでは後世のサブカルSFに与えた影響についてひとつ挙げておく。

物語の中で核となるシーンの一つ、HALが消えたくないと言う場面について、ここでなぜ最後にHALは「Daisy Bell(もしくは、On A Bicycle Built For Two)」を歌うのか、その点について知らない人がいるかもしれない。

実はこの歌、Daisy Bellは「コンピュータが初めて歌った歌」であるとされている。

つまり、コンピュータにとっての原初の歌であるような位置づけである。HALは消えていく中でこの歌を思い出し、懐かしむように歌っている。あるいは単純に幼児退行の機械版のような現象なのだろうか。

というわけで、そもそも2001年宇宙の旅のシーンがそのような事実に基づいたものなのだが、さらにこれを受け継いだ作品が日本にある。

(いつかどこかの記事で述べたような気もするが)Re:lieFというビジュアルノベルゲームの中で、人工知能の少女が消えるシーンでDaisy Bellを歌うのだ。

日本はサブカルチャーなエンタメ作品群のおかげでけっこう「人工生命側の倫理」のようなものを考える土壌が整っているので、2001年宇宙の旅のこのシーンはかなり親しみを持てる……とは考えていたが、ここで実際に影響を受けた作品を確認できた。

一つの事実から映画がインスピレーションを受け、さらにその映画から他の作品がインスピレーションを受ける。このようなアイデアの受け渡しが時や世代や国を超えて行われることで、エンタメや芸術が育つ。

僕は2001年宇宙の旅が好きなので、こんな風にDaisy Bellとコンピュータや人工知能が結びつくようなミームがもっと広がっていけばいいな、なんてことを思う。











この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?